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石を選ぶ夜の話

石を選ぶ理由を、
うまく言葉にできない夜があります。

綺麗だから、とか。

色が好きだから、とか。

もちろんそれもあるのだけれど、
それだけでは説明できない惹かれ方があります。

気づけば何度も同じ石を手に取っていたり、
普段は選ばない色なのに、その日だけ妙に気になったり。

そんなことが、よくあります。

鉱物は、
何百万年、何千万年という時間をかけて
地中でゆっくり育ったものです。

熱や圧力のなかで形を変えながら、
ようやく今の姿になって、わたしたちの前に現れます。

たとえばアメジスト。

透明な水晶のなかに鉄分が入り、
さらに自然界の放射線の影響を受けることで
あの紫色になります。

ムーンストーンは、
内部の薄い層に光が反射して
月のような青白い輝きを見せます。

ラピスラズリは、
ラズライトという鉱物を中心に、
黄鉄鉱や方解石などが混ざり合ってできた石です。

それぞれ、でき方も、色も、まったく違う。

なのに不思議と、
「今日はこの石だ」
と思う瞬間があります。

パワーストーンの世界では、
石にはそれぞれ意味があるとされています。

アメジストは、癒しと安らぎ。

ムーンストーンは、直感や月のエネルギー。

ラピスラズリは、真実を見抜く力や守護。

そう聞くと、
「最近アメジストばかり気になるのは、少し休みたいからかもしれない」

そんなふうに、自分の心を見つめ直すきっかけになることがあります。

もちろん、
石がすべてを決めてくれるわけではありません。

願いを叶えてくれる、と言い切れるものでもないと思っています。

でも、

今の自分の気持ちを映す鏡のような存在には、
なってくれる気がするのです。

どんな色に惹かれたか。

どんな石を、きれいだと思ったか。

それを見れば、
自分でも気づかなかった心の動きが見えてくることがあります。

もし今夜、
あなたがひとつの石に目を留めたなら。

少しだけ、
その理由を考えてみてください。

落ち着きたかったのかもしれない。

前に進みたかったのかもしれない。

守られたかったのかもしれない。

理由はわからなくても大丈夫です。

石を選ぶことは、
もしかすると
今の自分の声を静かに拾い上げることなのかもしれません。

今夜あなたが気になるのは、
どんな石でしょうか。

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