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~大航海時代の船乗りの食べ物~

(子供達の夏休み向け)
海の荒くれ者達が未知なる大陸へ、未開の地へ黄金とスパイスと冒険を求めて航海するには、様々な苦労があったと思われるが、まずは何と言っても日々の食べ物であろう。

当時の船乗り達は何を口にしていたのか? 15世紀頃の大航海時代に、船乗り達が船上で食べていた物は豆類、乾パン、塩漬けの肉や魚、乾燥ニンニク等の保存が効くものが中心だったようだ。

港を出て何年にも及ぶ航海の中では、生肉や魚、野菜などを船内へ積み込んでもすぐに腐ってしまう為、保存がきく塩漬けが大半であったとはいえ、塩漬けにした肉なども長期間保存ができたわけでもない。

黄昏時

最悪の場合は腐臭漂う塩漬け肉を食べなければならなかったようだ。大型の帆船は鶏や豚、牛、ヤギ等の生きた家畜を積み込み、特に世界一周に挑んだマゼラン船団は、積載量75トンから125トン程度までの船に、約270人が分乗しての船出、家畜やイチジク、チーズなどの食材も積み込んだという。

もちろん、それにはスポンサーの存在が大きかったのであろう。船首ではかまどで塩漬けの肉や魚、豆等の煮んだ料理を作る。

もちろん、このような温かい食事に有りつけるのは、海の穏やかな時に限られていた。時化ている時にはガチガチに乾燥した固形物あるいは冷たい物ばかりである。乾パンは長期保存できるが硬くてまずい。時にはネズミに食い荒らされたり、ウジが湧いたりする。

予想以上に航海が長引き、積み込んだ食物が不足すると悲惨な状態となり、生き延びる為には何でも食べなければならなかった。

早朝の濃霧

また、樽詰めで積み込んだ飲料水は船の揺れと共に常に揺れている為、少しは長持ちするが、一旦腐り始まると、腹を壊すなど状況により命にかかわる(水には微生物などが含まれており、それらが腐ったような状態になる)ので、航海中は主にアルコールの入ったビールやワインなど、その後、サトウキビを原料としたラム酒も水替わりとして飲んでいる。

このラム酒を水で割って薄めた「グロッグ」、現代にも伝わるラム酒の水割りのはじまりであるが、酒に酔ったフラフラの者を 「グロッキー」 というが、この「グロッグ」から生まれた言葉だとされている。

イラスト ⑴

当時、船乗り達は航海の途中で恐ろしい病気「壊血病」にかかることが度々あった。ビタミンCは野菜や果物等に含まれているが、何ヶ月もの長期航海の中で、これらの食物を口にできる機会は極端に少なく、また、当時は生野菜を食べるという食習慣もなかった。

その為、乗船中に壊血病にかかり大勢の船乗り達が命を落としたが、当時はビタミンC不足が原因とは判らなかった為、謎の病気として恐れられていた。

食糧に窮し、食べるものが無くなれば、履いている靴の皮をはぎ、ネズミやゴキブリまで口にし何とか生き延びる。

その後、1753年、英国海軍省のジェームズ・リンドは、新鮮な野菜や果物を食べることで、壊血病を防ぐことができることを発見した。

イラスト ⑵

英国の探検家「キャプテン・クック」は、史上初めて壊血病による死者を出さずに、世界一周に成功している。

彼は千切りキャベツと塩などを発酵させた漬け物を船に積み込み、乗組員たちに食べさせ、更に麦芽汁、野菜を煮固めた固形スープ等も船内へ積込み、どれが効くのかを試してもいる。

18世紀末になると、英国海軍では壊血病に備えるためにライムやレモンの果汁を軍艦に積込むようになり、後、壊血病がビタミンの欠乏で起こると証明されるのは20世紀に入ってからのことである。

このように、大航海時代の船乗り達は食物にかなりの苦労を強いられていた。航海する上で、船上では海賊などのリスクに加え、不味い食物や飢え、病気とも戦わなくてはならない相当ハードな生活だったようだ・・・

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