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【ショートショート】色素のないカメレオン


カメレオンのレオくんは、生まれつき色を変えられない病気でした。皆んな揃って赤になってお歌を唄う時、レオくんだけは透明でした。
青になって眠る時、危ないから黄色にならなければいけない時、やっぱり透明でした。
ある時お友達が言いました。
「恥ずかしがることじゃないよ。自分だけの個性があるって素晴らしいじゃない」
レオくんは得意げに笑いました。


センセイがそういう物語の絵本を作って、僕に聞かせてくれる。
まるで僕のことを書いてくれているようでとても嬉しかった。
センセイの指先に緑や、黒や、オレンジの絵の具が付いている。たくさんの色を持っている。ということはつまり、自分の色を変えられるのだ。

都合のいいように。

僕の方を見て、センセイは泣いているようだった。
僕がレオくんのようになってしまってから、もうずっとこの調子だ。
もうそろそろ、センセイに必要なのは赤い絵の具だと思う。
センセイは物語の続きを語る。
色のないカメレオンが笑っていようが泣いていようが、透明だから誰にも分からない。

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