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スペースオペラあるある#33<宇宙にも地域によって特色が出がち>【創作絵日記】

​こんにちは。わたさん◇創作絵日記作家です。

激動の3月の始まりです。
何が出るかな?


宇宙航海記 26/8/18 天気:霰巻

「ネビュラシ・ゲノムゾ探索編」
シゲのお兄さん(社長)からの“裏の仕事”で、幻の酒『ネビュラシ・ゲノムゾ』を探すように依頼された。お金につられて頼まれたけど、惑星<ラフィロヌイカ>にはワインしかなかった。<ボーデ・ジョンハン>一行は惑星<ネセチー>に向かうのであった。


「先生、ネセチーといえばカントリー・ミュージックですよ」
「音楽か。レヴシップ・ルセリエは伝説的なスターだね」
「歌姫リタ・ルナリットのハスキーボイスもシビれますよねぇ」
ツヤツヤのビスターと鹿頭のソラシドさんが、珍しく文化的な話題で盛り上がっている。宇宙人でも歌手のファンになったりするのか、と俺は妙に感心した。

「……で、肝心の『お酒』は? 歌を聴きに来たわけじゃないだろ」
「もちろん、酒も超有名だ。ウィスキーの聖地だからね」
ビスターが、こういう時だけは頼りになる博識ぶりを見せる。

「『カークド・ナリスJ』の黒ラベルなんて、銀河中で愛されてる名酒だぜ」
シゲがギラついた目で食いついてきた。
『現在地の近く、ニュックルグレに巨大な蒸留所がありまス。……ただ、』
「よし、決まりだ! ニュックルグレへ全速進進(フル・スロットル)だ!」
ゆぴみゅらが何か言いかけたのを無視して、俺たちは蒸留所の町へと向かった。

「……ここが、あの名酒の故郷か」
「なんだか、妙に閑散としてるね」
辿り着いたニュックルグレは、町全体が巨大なプラントと貯蔵庫で構成されているようだった。どこまでも続くレンガ造りの建物から、甘く香ばしい香りが漂ってくる。

『この区域全体が蒸留施設になっていまス。ただエリアとしてハ……』
「マジかよ! 町中が酒のプールじゃないか! 飲み放題だぜ!」
ゆぴみゅらの音声に被せた歓喜するシゲを横目に、俺はふと疑問を口にした。
「……なぁ。蒸留所ってことは、まだ樽で寝かせる前の『ホワイトリカー(原酒)』しかないんじゃないか? 香りも味もトゲトゲしい、ただの強いアルコールだろ。それでもいいのか?」
「先生、余計なことを! もう少しでシゲにその『火を噴く液体』を飲ませて遊べたのに!」
「な、なんだと!? また俺を騙そうとしたのか!」
「なんだ、そうだったのか。事前に教えてくれれば、オレもノったのに」

そんな風に、酒の話題で陽気に盛り上がっていた俺たち<ボーデ・ジョンハン>クルーだったが……この直後、文字通り「干からびる」ほどの絶望を味わうことになる。


次回は、金曜日「宇宙で残念な地域がありがち」です。
お楽しみに!

宇宙人にさらわれたことのある人や人の飲み物を飲み干した人は「スキ」で教えてくださいね。


過去のエッセイ集

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