飛び方は教えた、あとは自分で。
トイレ工事の音にも負けず、今日も我が家のトイレ前ではツバメのヒナたちが囀(さえず)っている。
どうやら4羽いるようだ。
その鳴き声は、日に日にたくましくなってきている。
最近、我が家の前の電線には、50羽ほどのツバメたちが止まるようになった。そこから仕切りに飛び回っては、巣の周りを賑わせている。
もうすぐなんだな、
4羽の巣立ち。
まるで近所のお兄さんやお姉さん、親戚一同が集まって、「こっちへおいで」と巣立ちを誘っているかのようだ。
子育てをしてきた両親も、「やれやれ、もう一息だ」と少しホッとしているのかもしれない(笑)。
チュンチュンと話し合いながら、みんなで子供たちの巣立ちを促していく。
「そんなに早く行かなくていいよ」
寂しくなる私たち家族は、声をかける。
でも、子供はやがて飛び立たなければならない。自分の力で。
親が教えてやるのは飛び方だけ。後は自分で生きろ。
たかがツバメされどツバメ。
田舎暮らしでは、生き物から学ぶことが本当に多い。
還暦を過ぎても、なかなか子離れができない私。
そんな私に、ツバメの親たちが無言で教えてくれる。
「飛び方は教えたのだから、あとは子供を信じて任せなさい」と。
今日も遠くで暮らす子供たちのことが、ふと頭をよぎる。
けれど、本当に飛び立たなければならないのは、いつまでも心配ばかりしている私の方なのかもしれない。
あと10日余りで5人目の孫が生まれる。
毎日ドキドキ、そわそわしながら待つ私の目の前で、今日もツバメたちは静かに、力強く、飛翔の準備を続けている。

