冬を照らすアドヴェンツクランツの物語
Advent, Advent,
ein Lichtlein brennt.
Erst eins, dann zwei,
dann drei, dann vier,
dann steht das Christkind vor der Tür.
Und wenn das fünfte Lichtlein brennt,
dann hast du Weihnachten verpennt!
アドヴェント、アドヴェント、
灯りがともる。
初めは一つ、次に二つ、
そして三つ、さらに四つ、
するとクリストキント(幼児キリスト)がドアの前に立っている。
もし五つ目の灯りがともるというなら、
君はクリスマスを寝過ごしてしまったということだ!
豪華に飾られたアドヴェンツクランツ(アドベントクランツ)のロウソクに灯がともされました。イエス・キリストの誕生を迎えるための準備期間・アドヴェント(アドベント/待降節)の始まりを告げる合図です。そして子供たちはこぞってこのフレーズを口ずさみ、大人も一緒に復唱します。
伝統的なアドヴェントの飾りの中でも重要な役割を果たすアドヴェンツクランツ。今回はそのアドヴェンツクランツの歴史と雑学についてのお話を紹介したいと思います。
【Adventskranzアドヴェンツクランツって何?】

モミやヒバなどの常緑樹の枝で作られたリースに4本のロウソク。ドイツではアドヴェントが始まる前に各家庭で用意され、アドヴェントには欠かせない装飾の一つ、それが「Adventskranzアドヴェンツクランツ」です。
アドヴェントはクリスマスの4週間前の日曜日から始まります。アドヴェントの日曜日になると、1本目、2本目、3本目、そして4本目とロウソクをともしていきます。4本のロウソクは、“光が増えていくことでイエス誕生への期待が高まる事(キリスト教では「世の光」と呼ばれる)”を表しています。また、緑のモミの枝は敬虔さとイエスの誕生の意味を示しています。
【アドヴェンツクランツの歴史】
では、その歴史について見てみましょう。
📙19世紀
アドヴェンツクランツは今から約180年前、ハンブルクの神学者ヨハン・ヒンリッヒ・ヴィヘルンによって考案されました。
彼は孤児のために施設を設立し、自らも家族と一緒にそこへ移り住みました。アドヴェントの期間中、施設の子供たちが「あと何日でクリスマス?」と毎日のように尋ねたため、彼は1839年に古い荷車の車輪を使って木製の輪を作りました。
平日用に19本の小さな赤いロウソクと、主日(日曜日)用に4本の大きな白いロウソクを取り付けました。アドヴェントの毎日、小さなロウソクを1本ずつ灯し、日曜日には大きなロウソクを灯すことで、子供たちはクリスマスまでの日数を数えられるようになったのです。
📙20世紀
時代の変遷の中で、ロウソクの数は現在知られているような4本の形になりました。そして第一次世界大戦後、アドヴェンツクランツの習慣はドイツ南部の宗派に広まりました。
1925年、ケルンのカトリック教会で初めて4本のロウソクをつなげたアドヴェンツクランツが飾られたと言われています。
1930年以降はミュンヘンでも見られるようになり、第二次世界大戦後になってから、この一般的な慣習がカトリック教会でより広まっていきました。
【モミの枝、赤いロウソク、円形の意味】
アドヴェンツクランツの形にはそれぞれどんな意味があるのでしょうか。
その葉は冬でも緑を保ち、春に再び新芽を出すことから、モミの木は「生命の象徴」と考えられていました。
そしてアドヴェントのイメージカラーとしては、緑だけでなく、赤も有名ですね。4本のロウソクの赤い色は、イエス・キリストが十字架で流す血を象徴しています。
アドヴェンツクランツが円の形をしているのは、「始まりも終わりもない円は、イエス・キリストの復活を通じて人類に与えられた永遠」を象徴しているからです。

【アドヴェンツクランツのロウソクは何色?】
カトリックの伝統では、こちらの2パターンがより頻繁に使われます。
◆赤いロウソク
4本のろうそくの赤い色は、イエス・キリストが十字架で流す血を象徴しています。イエスの誕生と彼の死(=十字架)が繋がっているということを示しています。
◆紫色とピンク色のロウソク
カトリックの典礼に基づき、3本の紫色のロウソクと1本のピンク色のロウソクという習慣が生まれました。これにはカトリック教会において、司祭が着用する祭服の色が由来となっています。
紫―アドヴェントの期間
白―アドヴェントが終わりクリスマスを迎える
ピンクのロウソクがともされるアドヴェントの第3日曜日は「アドヴェントの半分が終わる日」ということで、アドヴェントの祭服の色・紫とクリスマス以降の祭服の色・白を混ぜたピンクになるとなります。また、ミサのテーマ「喜び」からピンクになるとも言われています。
アドヴェントの第3日曜日には、典礼用の衣装がクリスマスへの大きな期待を表すためにピンク色になる事もあります。
【アドヴェンツクランツでお祈りを】
私が住む町の教会では、アドヴェント第1日曜日に人々がアドヴェンツクランツを持ち寄ります。そしてミサの中で行われる「Segnung der Adventskränze」という儀式では、司祭によりアドヴェンツクランツに聖水がかけられ、祝福とお祈りが与えられます。
【終わりに】
今回はクリスマスを迎える上で欠かすことのできないアドヴェンツクランツに焦点を当ててまとめていきました。なぜ円形なのか、ロウソクの色やその他…私自身、知らない事にまた出会うことができました。
現代ではカラフルなキャンドルに派手な装飾、またはナチュラルなテイストの物など…様々なデザインのアドヴェンツクランツがあります。しかし、原点に返ってみると、「シンプルながらも意味を持ったアドヴェンツクランツ」もとても魅力的に見えてきますね。いつか、ヴィヘルンが考案した23本のロウソクを付けたアドヴェンツクランツも作ってみようと思います。
皆さんもお気に入りのアドヴェンツクランツのデザインがございましたら、ぜひ教えてください。また、アドヴェンツクランツにまつわる風習もシェアしていただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【自己紹介】
その他の
「バイエルンの伝統的なクリスマスの風習」
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参考:
Der Adventskranz: Bedeutung und Ursprung des Adventskranzes
