キリストの誕生場面を今に伝える木彫りのクリッペ:クリスマス装飾
南ドイツのバイエルンではアドヴェント(アドベント/待降節)に入ると教会の中だけでなく、ホテルやお店、家庭など様々な所でこのような飾りを目にすることができます。

これはイエス・キリストの降誕を表した模型で、Krippeクリッペ/Kripperlクリッペル(バイエルンの方言で)と呼ばれます。
そのジオラマには天然の素材が多く使われ、苔や枝などはクリッペにより一層リアリティを持たせます。そして伝統的なクリッペの人形は木彫りでとても精巧に作られており、その細やかな表情に引き込まれます。
バイエルンの伝統的なクリスマスについて紹介してきた本シリーズ。今回は多くの人を魅了するクリッペ、その起源や歴史についてお話したいと思います。
【クリッペとは?】
クリッペの由来は、牛や馬などの餌箱を意味するドイツ語“Krippe”から来ています。

イエス・キリストは母マリアと父ヨーゼフに見守られ、馬小屋で生まれたと言われています。
イエスは生まれてすぐそこにあった餌箱に寝かされた事から、
クリスマスの馬小屋飾り・・・クリッペ
と呼ばれるようになりました。
キリスト教では何世紀にもわたってこの「聖なる夜」を大切にし、人形で表現してきました。

【クリッペの歴史】
📙1223年 クリッペの起源
聖フランチェスコが初めて生きた動物や人々を使って「イエス誕生」を再現しました。これは、ルカによる福音書に記されたイエス誕生の物語を信者たちにより身近に感じてもらうためでした。
📙1291年 クリッペ誕生
ローマのシスティーナ礼拝堂において、「東方の三博士の礼拝」の場面を人物像で表した飾りが作られました。これは現在残る「世界最古のクリッペ」の一つと言われています。
📙17世紀 木彫りのクリッペ登場
現在多く知られているような木彫りのクリッペは、17世紀に南チロル地方の山岳農民たちによって作られ始めました。

当時は、幼子イエス、マリア、ヨーゼフ、牛、ロバだけが彫られていました。
📙19世紀 登場人物が増える
クリッペには次第に多くの登場人物が加えられていきました。羊や他の動物、ベツレヘムの民衆などです。

【家庭でのクリッペ飾り】
現在でも、クリッペは多くの家庭でクリスマスの大切な装飾として親しまれています。
義理の両親、祖父母の家のリビングには、写真のようにクリッペ専用のスペースが設けられています。

最初は馬小屋と動物や羊飼いなどの人形だけが置かれ、クリスマスイヴになるとイエスと聖母マリア、そしてヨーゼフが現れます。
クリスマスが来るまでの間、毎日少しずつ人形を増やしていったり、人物の場所を変えたりと、大人も子供も楽しめます。


クリッペはバイエルンの人々にとって決して「古い風習」でなはく、今なお愛される“クリスマスに欠かすことのできない物”と言えるでしょう。
【クリッペを見られる場所 in バイエルン】
クリッペはアドヴェントから多くの所で1月6日頃までバイエルン各地の教会などで目にすることができます。「Krippenwegクリッペの道」と呼ばれる森の中に作られたクリッペの並ぶ散歩道も有名です。
また、ミュンヘン旧市街、聖ペーター教会そばのリンデルマルクトにはクリッペ専門のお店も並びます。
お出かけの際は是非、クリッペを探してみてください。
その他、バイエルンの観光地で伝統的なクリッペを展示している博物館はこちらです。※開館時間は変更になる場合があるので今一度ご確認ください。
下記内容は2025年12月時点のものです。
↓ ↓
◆ミュンヘン バイエルン州立博物館
🎫場所
🎫入場料
大人 7ユーロ
子供(18歳以下)無料
🎫開館時間
火、水:午前10時~午後5時
木:午前10時~午後8時
金、土、日:午前10時~午後5時
バイエルン国立博物館の訪問
🎫クリッペの詳細
Krippen - Bayerisches Nationalmuseum
**********
◆バンベルグ クリッペ博物館
―場所
🎫入場料
大人 6€
子供(5歳以下)無料
ガイドツアーは15名まで40€(入場料は別途)
🎫開館時間
11月29日~12月23日
木、金、土:午前10時~午後4時
12月25日~1月6日
午前10時~午後4時
1月から11月までは予約でガイドツアーが可能です。
【最後に】
クリッペはヨーロッパ各地でも目にすることができますので、クリスマス時期にヨーロッパをご旅行の際は、是非クリッペにも注目してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【自己紹介】
その他の
「バイエルンの伝統的なクリスマスの風習」
に関する記事はこちらのマガジンでお読みいただけます。
↓ ↓
