見出し画像

走り去った時間と珈琲の香りと 「フレンチトーストとブリティッシュティータイム」|別府 #61

朝活にハマりつつある。
元々、私は朝方生活で休日でも平日と同じくらいの時間には起きているのだが、朝食を外で食べる習慣がなかった。

朝食を外で食べるとなると、何も身支度せずにというわけにはいかない。平日仕事に出かけるときにように、ちゃんと準備して出かける。

休日だけ生活リズムを崩すより、平日も休日も同じように過ごした方が楽だし、なんだか生きやすいと思ったのだ。そんなある日の休日、別府で早朝から開いているカフェをみつけてお邪魔してみた。

お店の外観

目的なお店は、閑静な住宅街の中にあった。
外観はモダンな雰囲気で、小さな庭を造られていてこだわりを感じる。お店の前に車を停めて、のれんの掛かった入り口から店内へと入る。

中に入ると、右側は大きな窓が並びとても開放的だった。
ずらりと4人掛けのテーブル席が並び、左側のキッチンの前には、いくつかカウンター席もあった。

店員さんに案内されて、入り口側の席に座る。
モーニングメニューは大きく2種類。オムレツ、ソーセージ、サラダ、バケットにドリンクがつくオーソドックスなものか、フレンチトーストとサラダにドリンクがつくものか選ぶことができた。

フレンチトーストが大好きな私は、迷わずそちらを選んだ。
開店直後だったので、お客さんはまばらだった。海外から来られた旅行客のようで、英語で楽しそうに話していた。

フレンチ小町

ほどなくしてテーブルに注文したモーニングが運ばれてきた。厚切りのバケットにしっかりと卵液が染みたフレンチトーストに、地元野菜のサラダ、ブルーベリージャムのかかったプレーンヨーグルト。ドリンクはいつもならコーヒーを頼むのだが、今日は気分を変えて紅茶を頼んだ。

フレンチトースト自体は思ったよりも甘くなく、メープルシロップを掛けてちょうどよい。柔らかい食感と、じゅわりと香る卵の風味。高級ホテルで食べるような贅沢なフレンチトーストだ。

紅茶は茶葉の種類は明記されてなかったが、アッサムのような味だった。料理の邪魔をしない、食事と一緒に飲むのにちょうど良い味だ。思ったよりボリュームがあったが、最後のヨーグルトまでしっかり食べて大満足の朝食だった。

朝からこんな贅沢していいのかな、と思ってしまうがお値段はそれほど高くはない。ランチで訪れるとそれなりの価格のお店だが、モーニングはサービスの意味合いなのか、お手頃価格だ。ケーキやパフェも人気のお店なので、次回はカフェタイムに訪れたい。


別府でいろいろと用事を済ませると、ちょうどお昼になった。しっかり目の朝食だったので、まだそれほどお腹は空いていない。どうしたものかと思ったが、ふと美味しい紅茶が飲みたいと思い、以前から行ってみたかったお店に立ち寄った。

お店の外観

国道からだいぶ山側に入った、住宅街の中にお店はあった。
お店の駐車場が満車だったので、近くの公園の駐車場に車を停めて歩いてお店へ。

おしゃれな看板

外観はイギリスの街並みにありそうな、西洋風の佇まいで、ハリーポッター映画のワンシーンに出てきそうだ。

重厚なドアを開けて店内に入ると、日本からイギリスへと世界が変わった。お店はそれほど広くはないが、テーブル席とカウンター席がぎゅっと詰まったように並んでいる。

カウンターの奥には、色鮮やかな色彩のカップやティーポットが並び、カウンターの上のテーブルには、手作りのスコーンやケーキがガラスの大皿の上にのせられ、いい匂いが漂ってくる。

すでにほとんどの席は埋まっており、空いている席もリザーブの札があった。満席かと少しがっかりしつつ、時間をずらしてまた来ようと思った矢先、女性のオーナーさんが、予約時間までまだ余裕があるので、カウンター席へどうぞと案内してくれた。

席に着いてメニューを受け取る。専門店だとは聞いていたが、取り揃えている茶葉が豊富で、しかもかなり詳しく解説が書かれている。

紅茶初心者の私が少し途方にくれていると、オーナーさんが声をかけてくれた。私は、初めてきたので飲みなれたダージリンがいいんですが、と答えると、それならとオススメの茶葉を用意してくれた。

『ダージリン ファーストフラッシュ』
ダージリンは季節によって3種類ある。ファーストフラッシュは、春に収穫された若い茶葉で、ストレートで飲むのにちょうど良いそうだ。

紅茶が決まったので、せっかくならとスコーンも2種類ほど選んで注文した。

スコーンと紅茶のセット

しばらくすると、ユニークな絵柄のお皿に二つのスコーンと、アプリコットジャムとクワテッドクリームが乗せられてテーブルに並んだ。イギリスの伝統的なスタイルだ。

紅茶は銀のポットに入れられ、テーブルに砂時計が置かれた。砂がすべて落ちたら飲んでくださいと言われ、待つ時間さえも楽しませる演出に、このお店の人気の高さを感じた。

砂時計が落ちて紅茶ができあがり、ティーストレーナーで茶葉をこしながら、カップにダージリンをそそぐ。紅茶らしい赤みがかった色と、カップに注いだ瞬間立ち上る香りが素晴らしい。

普段からコーヒーも紅茶もストレートで飲むので、今回も砂糖やミルクは入れずに飲んだ。いつも飲んでいる市販のダージリンの味も好きだったが、高級な茶葉はやはり味の深みが違う。とても美味しい。

スコーンを半分に割り、一つはジャム、一つはクリームをたっぷり塗った。外はサクサクした歯ざわりだが、中はしっとりと柔らかく、口に運ぶとほろりとほどけた。
これが本場イギリスの味なのか、としみじみ感じた。

よくイギリスはごはんが美味しくない、という話があるが、紅茶やお茶菓子に関しては、レベルが段違いだと思う。

あまりの美味しさに声が出そうになると、カウンターの中のオーナーさんがそれを見て笑った。紅茶が好きそうな方だとは思ったけれど、そんなにおいしそうに飲んでくれて嬉しいわ、と。私は少し恥ずかしくなったが、本当に美味しかったのでしょうがない。

それから、作業の手が空いた時間は、オーナーさんから紅茶についての話や、イギリス旅行の話を聞いた。
私は海外旅行へ行ったことがなく、外国へとても憧れがある。とくにイギリスは、一度は訪れてみたい国だった。

あっと言う間に時間が過ぎて、予約のお客さんが来る時間が迫ってきたので、お会計をして店を出た。

今回はケーキが食べられなかったので、次回行くときは絶対にケーキを食べたい。イギリスの伝統的なケーキなんて、そうそう食べられないからとても興味がある。

朝から夕方まで、別府で楽しい時間を過ごした。
こんな素敵な町に、いつでも気軽に来られるなんて幸せだ。
季節はそろそろ冬に向かっていく頃だったが、紅茶を飲んで体がぽかぽかになった私は、上着も着ないまま公園まで歩いた。

日常の中にある、少し外れた非日常の世界で、私の心は癒され温もりを取り戻していた。


※過去のおすすめ記事はこちら

いいなと思ったら応援しよう!