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vol.598「それ、やばいかも。パワハラ・グレーゾーン3選」(2025年8月1日配信)


パワハラのグレーゾーンを避ける3つのポイント

シリーズでお伝えしている管理職研修の鉄板質問の第3回。今回は… 「どこまでがパワハラで、どこからそうでないのか?境目を教えてください」です。

特に40〜50代の管理職にとっては、20〜30代の頃、当たり前と思っていた上司の言い方が、自分は管理職になった途端に「それ、パワハラだからNGで」と言われるわけです。

そこで、暴言や中傷など明らかなパワハラではなく、使い方次第でパワハラと受け取られかねないグレーゾーンの言葉を3つ紹介したいと思います。

①「当たり前」の決めつけを「ありがとう」に変える

あなたはこんな言い方をしていませんか?

「こんなの入社三年目だから、できて当たり前だろ」 「自分でやると言ったから、やるのは当たり前だろ」 「こんな簡単なこと、できて当たり前だろ」

いかがでしょう?もしあなたがこう言われたらどうでしょうか?

「やって当たり前・できて当たり前」と決めつけられると、できていないときに劣等感に苛まれてしまいますね。ですから、この決め付けは出来るだけ避けましょう。

では、どうしたらいいでしょうか?

ここでクイズです。当たり前の反対語は何でしょうか?

正解は「有り難い」です。「当たり前」の反対が「ありがとう」です。

そのため、あなたが「あなたの当たり前のハードル」を下げると、あなたの口からたくさんの「ありがとう」が自然と出てきます。

「今日も出社してくれてありがとう」 「いつも元気な挨拶ありがとう」 「いつも掃除してくれてありがとう」 (失敗したら)「トライしてくれてありがとう。失敗の原因は何だと思う?」 (途中でも)「ここまでやってくれてありがとう。納期には間に合いそうかな?」

前回紹介したように、「ありがとう」は社員の幸福感を高める言葉です。上司が「ありがとう」を1日10回使えば、職場の雰囲気は必ず良くなります。

当たり前のハードルを下げて、「ありがとう」を増やしてくださいね。

②「なぜ?」の追及ではなく「未来志向」の質問を

あなたはこんな言い方をしていませんか?

「できると言ったじゃないか?なぜできないの?」 「できないのはお前だけだ。なぜできないんだ?」 「今日は大事な日だとわかってるだろう。なぜ遅刻したんだ」

「なんで?」「なぜ?」で責められると辛いですよね。ましてそれを繰り返されると、なお辛いです。

例えば「なぜ遅刻したんだ?」と問われた時に「寝坊しました。すみません」と答えると、上司が「なんでこんな大事な日に寝坊するんだ?」と問い詰める。これに対し「昨晩飲み過ぎまして…」と回答すると、さらに上司が「なんで大事な日前にそんなに飲むんだ?」。すると次はもう「私がバカです。ごめんなさい」としか答えられなくなります。

問題解決のためには「なぜ5回繰り返せ」と言われます。が、なぜを5回繰り返し使って良いのは、その対象がハードやシステムの時です。機械やシステムが壊れた時は、なぜ5回繰り返して真因を見つけ、そこを解消すれば問題は解決します。

しかし人が対象のときは、なぜは繰り返してはいけません。「なぜ」を人に使うと、「お前のせいだ!」「悪いのはお前だ!」の矢印を相手に強烈に向けてしまいます。これによりメンタルを病む人が出るかもしれません。

では、どうしたらよいのでしょう?

ちょっとした違いですが、「なぜ?」ではなく「原因は何だと思う?」と聞いてください。原因であれば、自分以外の何かを回答できるのです。

上司はその原因を聞いたら、「では同じミスを繰り返さないためには、どうしたらいいと思う?」と問いかけます。そして出てきた回答に対して「いいところに気がついたね!」とフィードバックします。そうしたら相手は自分から行動を改めるでしょう。

「なぜできなかったんだ!」と相手を問い詰めるのは「過去」のことを聞いています。一方「どうしたらいいと思う?」と尋ねるのは「未来」のことを聞いています。人は未来のことを考えるときに前向きになります。

「なぜ」の繰り返しで問い詰めるのではなく、未来について一緒に考えることに時間を使いましょう。

③高圧的な命令を疑問形の依頼に変える

あなたは、こんな言い方をしていませんか?

「もたもたしてんじゃねえ!とっととやれ!」 「お前がやるんだよ。何度も言わせんな!」

こんな言い方をされると、やらされ感一杯になりますよね。

そこでお勧めしたいのが、疑問形の活用です。上記の場合、こんな言い方はいかがでしょうか?

「これ、今すぐやってくれないかな?」 「これはあなたの担当だから、最後まで責任持ってやってくれないかな?」

疑問形投げかけると「やるか・やらないか」を相手が選択し自分で決めることができます。人は自分が出した答えには責任を持とうとします。そして責任を持った人は丁寧に仕事をします。

上記のような問いを投げると、多くの現場社員は「はい」と応えるでしょう。自分で選んだ行動です。責任をもって最後まで取り組んでくれるでしょう。

トップにも上司には命令する権限がありますが、命令せず依頼する。またはこのよう疑問形を用いて答えを選択してもらう。できるだけ相手が気持ちよく動きたくように接するのが上司の腕の見せ所です。

まとめ:理想の上司像に向けて言葉を磨く

以上、パワハラではないが、パワハラに近いグレーゾーンを3つご紹介しました。

どれか一つでも「こんな言い方をしているかも?」と思われた方は修正してみてください。意識して使っていれば、だんだん板に付いてきます。そしていつしかパワハラとは無縁な人になっていきます。

ぜひ、自分の理想とする上司像に近づくために、言葉も磨いていってくださいね。

実践に役立つ動画の解説

このメルマガを読んで、「自社でも取り組んでみたい」と思われた方は、以下のような疑問や質問に答えていますので、ぜひこちらの動画をご覧ください。

  1. 急にキャラを変えると変な空気になりそうですが、自然に変化するには?

  2. 高圧的な言葉遣いが職場で普通に使われている時、職場の言葉遣いを変えるべき?

  3. 自分の理想の上司像が今の時代の上司の理想像とずれていたら、見直すべき?

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