【アプリ化】 1440 ── 引くボタンのないタロットを作りました
タロットアプリを作りました。ただし、札を引くことはできません。
シャッフルもありません。引き直しもできません。「もう一度引く」ボタンも置いていません。
代わりに、時刻が札を決めます。
いま何時かによって、出ている札が決まっている。それだけのアプリです。
▼ 実際に開いてみてください(無料・登録なし)
まず、これは何をするアプリなのか
開くと、画面の真ん中に一枚の札が出ています。
その札は、あなたが選んだものではありません。 開いた時刻に、そこにあっただけです。
そして30分経つと、次の札に変わります。あなたが何をしていても、見ていなくても、勝手に変わります。
つまりこのアプリでユーザーができることは、ひとつだけです。
その時刻に、居合わせること。
引くのではなく、立ち会う。それがこのアプリのすべてです。
一日は1440分ある
1日 = 24時間 = 1440分。
この1440分を30分ずつ、48の枠に割りました。1440 ÷ 30 = 48。
そしてこの48枠に、48枚の札を並べています。
使ったのは、以前公開した 「都道府県タロット 北から読む日本」 の47枚です。北海道から沖縄まで、47都道府県を1枚ずつの札にしたデッキ。
ここで問題がありました。47は1440を割り切りません。
1440 ÷ 47 = 30.63...
割り切れない。30分の県と31分の県が混ざることになる。時刻表示も汚くなる。
なので、48枚目を描き下ろしました。
「日本」という札です。どの県でもない、列島そのものの札。これを00:00〜00:30に置きました。
47県 + 起点札「日本」= 48枚。1440 ÷ 48 = きっかり30分。
光が、一日かけて列島を降りる
札の並びは、原作と同じ北から南です。
00:00に「日本」から始まり、00:30に北海道。そこから県コード順に南下していき、23:30から沖縄で一日が終わる。
つまりこのアプリは、こう言い換えられます。
光が一日かけて、日本列島を北から南へ降りていく時計。
いま画面に出ている札は、「今日のあなたの運勢」ではありません。いま日本のどこにいるかです。
全48枠の時間割
自分の県が一日のどこにあるか、探してみてください。
私の住む○○県は、毎日11時から11時半。昼前のいちばん明るい時間帯でした。
画面の右端にある、縦の目盛
このアプリでいちばん見てほしいのは、実は札ではありません。
画面の右端に、細い縦の線が走っています。48本の目盛が刻まれた、列島の目盛です。
上が北、下が南。北海道が一番上、沖縄が一番下。
そして——あなたが立ち会った札の目盛だけが、金色に灯ります。
開いた時刻の目盛が灯る。別の時間に開けば、また別の目盛が灯る。使うほど、金の点が増えていきます。
このアプリの、本当の主題
48枚すべてを集めようとすると、あることに気づきます。
48枚は、一日では絶対に集まりません。
全部を灯すには、00:00から23:59まで、30分おきに欠かさず画面を開き続ける必要があります。24時間、一睡もせずに。
現実的には無理です。だから何ヶ月使っても、必ずどこかが灯らずに残ります。
⚠️「なお、30分睡眠のショートスリーパーなら理論上、一日で全国制覇できる。おすすめはしない。」
そして、しばらく使っていると、いつも灯らずに残る場所が出てきます。
どこが残るかは、人によって違います。
深夜に眠る人なら、東北から北関東あたりが暗いまま残るかもしれない。
夜型の人なら、別の場所が抜けるかもしれない。
夜勤の人なら、昼間の県がぽっかり空くかもしれません。
札は毎日、同じ時刻に同じ場所を通っています。
ただ、あなたがそこに立ち会っていない。
だから、長く使うほど浮かび上がってくるのは、全国共通の「睡眠時間」ではありません。
あなたが、この一日のどこにいなかったのか。
灯った部分があなたの一日で、灯らない部分があなたの不在です。
47都道府県の地図の上に、自分の生活時間が浮かび上がってくる。
作りながら、そこが一番面白いところだと思いました。
48枚目の札「日本」について
00:00〜00:30だけに出る札です。
まだどの県でもない三十分。北へ向かう前の、島全体の姿。
札に添えた一文は、こうしました。
一日は、まだどの土地にも属していない。
日付が変わってから最初の30分だけに現れて、00:30には北海道に譲ります。この札を見られるのは、深夜に起きている人だけです。
使い方
ありません。
開く。今の札を見る。閉じる。それだけです。
引くボタンも、質問を入力する欄も、スプレッドの選択肢もありません。次の札が見たければ、次の30分を待つしかない。
画面には、次の県までの秒読みが出ています。00秒ちょうどに札が変わるので、待っていればその瞬間に立ち会えます。
仕様
完全無料。登録なし、広告なし、課金なし
単一のHTMLファイル。GitHub Pagesで公開しています
サーバーなし。あなたが何を見たかは、どこにも送信されません
乱数を一切使っていません。札は時刻からの計算だけで決まります。同じ時刻には、世界中の誰が開いても同じ札が出ます
立ち会った記録は、お使いのブラウザの中だけに保存されます(記録を消すボタンもあります)
画面を開いている間だけ、記録されます。裏で開きっぱなしにしても増えません
「立ち会う」という言葉を仕様に落とすと、こうなりました。
リンク
▼ 1440(アプリ本体)
▼ 原作:都道府県タロット 北から読む日本
引けないタロットに意味があるのか、作る前は分かりませんでした。
でも、選べないからこそ「なぜ今これが出たのか」を考える時間が生まれる気がしています。選んでいないぶん、言い訳ができない。
深夜に開いた人には、北の札が出ます。
絵:Gemini / 文:Claude / 編:無限納豆
機械との共著
