泊まりたいホテルがないならつくればいい? プライベートカンパニーでホテルを建ててみた
みなさんはホテルに何を求めますか?
ラグジュアリーな非日常体験、くつろげる環境、交通の便や観光地へのアクセス。ビジネス用途なら、もっと実用的な要素が上がるでしょう。
今日は、「自分が泊まりたいと思える理想のホテルをつくってみた」お話です。
プライベートカンパニーでホテルを建ててみた
構想から約2年。自身のプライベートカンパニーで企画したホテル「CINQS HOTEL(サンクスホテル)」が4月にOPENしました!
私の個人資産管理会社では、以前から不動産投資を行っています。
発端は、なんば駅から徒歩3分という好立地に土地を取得できたこと。
「ただ持っていても仕方ないから何か新しいこと、面白いことをやりたい」
そんな直感と
「いつか自分が泊まりたいと思えるホテルをつくりたい」
という想いが結びついて、
「じゃあホテルを建ててしまおう」
というプロジェクトがスタートしたのです。
自分が泊まりたいホテルがない!
国内外の出張でも旅行でも、私は普段、いわゆるいかにも「5つ星です!」という高級ホテルに泊まることはありません。
国によっては必要最低限を求めると高級ホテルになってしまうこともありますが、国内ならビジネスホテルに宿泊することもめずらしくありません。
私がホテル経営に乗り出したきっかけは、
「自分が泊まりたいと思えるホテルがない」
というシンプルな動機でした。
今回のプロジェクトを始めるに当たって、私がホテルに求めているものを改めて考えてみました。真っ先に思い浮かんだのが清潔感でした。
海外では、ラグジュアリーなホテルでも、清潔感という面では多少の不安が付きまといます。歴史と伝統と言えば聞こえは良いのですが、建物自体や設備に経年劣化というか、古さからくる清潔感の欠如が見られることも少なくありません。
ビジネスホテルの進化と課題
それを考えると、日本のホテルはかなり優秀です。チェーン経営のビジネスホテルでも、清潔感は担保されています。
ただ、多くのビジネスホテルは「寝るだけ」を重視しているため、どうしても設備が簡素になりがちです。ビジネス用途では「寝に帰るだけ」という割り切りも必要ですが、旅行でこうしたホテルに泊まると、部屋が狭く、圧迫感があり、新しい建物でも隣の部屋の音が丸聞こえで、「せっかくの旅行なのに、ホテルでリラックスできない」という不満が生じます。
つまり、非日常体験のための超高級ホテルと、実用性のみを追求したビジネスホテルの中間の宿泊施設が圧倒的に不足していると感じていたのです。
「寝に帰る」だけでいいのか?
もちろん、ビジネスホテル側の事情も理解できます。人口が集中し、インバウンドでは、オーバーツーリズムが問題視されるほど東京や京都、観光資源がある都市にニーズが集中してしまうため効率性を追求せざるを得ません。
そもそもこうした都市には土地も少なく、地価も高いのが当たり前です。ビジネス用途で「寝に帰る」ことに割り切って、ベッドが部屋を埋め尽くすようなつくりの部屋を量産し、需要に対して室数を増やすことで対応するしかないのでしょう。
しかし、顧客視点に立てば、もう少し快適な空間があっても良いのではないか?
そう考えたのが、ホテルをつくってみようと思い立ったきっかけです。
大阪のインバウンド需要とホテル不足
もう一つ、今回取得した土地が、私の地元・大阪の難波駅近くという好立地だったこともプロジェクトを後押ししました。
ご存じの通り、大阪は訪日外国人旅行客が非常に多い都市であり、ホテル供給が需要に追いついていない状況にあります。
特に先日開幕した大阪万博の開催も追い風となり、さらなるインバウンド増加が見込まれています。
このような状況下でホテルをつくることがビジネス的な勝算、必然性につながった側面ももちろんあります。
「CINQS HOTEL」に込めた想い
では、どんなホテルになったのか?
これについては、ホテルの名前やコンセプトをご紹介することで説明できると思います。
「CINQS HOTEL」というホテル名には、2つの意味が込められています。
フランス語で「5」を意味する「Cinq」
感謝を表す「Thanks」
この2つの言葉を組み合わせることで、5つ星ホテルに匹敵する質の高いサービスを提供し、ホテル全体が感謝の言葉で満たされるような場所にしたいという想いを込めました。
CINQSでサンクスと読みにくいのが唯一の懸念点なのですが(笑)、語感と響き、そして意味合いを重視してこの名前を採用しました。
それぞれの頭文字は、
C Connect 繋がり
I Integrity 誠実
N Neat〔室内・場所などが〕整頓された
Q Quality 質の高い、優れた
S Sincerity 誠実さ、真心
をあらわしています。
快適さと居心地の良さで「上質な宿泊体験」を演出
「清潔さ」「立地の利便性」「価格」など満足を提供した上で、旅の疲れを癒し、特別な体験を与えてくれる場所をつくりたい。
私が考える良いホテルとは、単に寝るだけの場所ではなく、宿泊客に快適な空間を提供することです。ラグジュアリーホテルとビジネスホテルの間のニーズに応えるホテルが私の泊まりたかったホテルというわけです。
「CINQS HOTEL」は、客室タイプには、
・シングルルームからダブル・ツインルームなど8タイプを用意したAUTHENTIC ROOMS
・ツインタイプでこだわりのプライベートサウナを備えたSIGNATURE SAUNA ROOMS
があります。
全42室を含むホテルの内装、使う家具については、もちろん私が中心になってコンセプトを練り、デザイナーに情報を共有し、かなり正確に私のイメージ通りのものができました。この点もこだわりまくりましたが、最上階の2部屋、SIGNATURE SAUNA ROOMSは、完全に趣味の領域で、違う意味のこだわりが発揮されています。
ホテルづくりは、何もかも初めてづくしで大変ではありましたが、パートナーに恵まれて、大阪万博開幕のベストタイミングに間に合わせることができました。
ここから一つずつ、積み重ねて大規模ホテルチェーンへ! と言いたいところですが、会社のスタンスと同じで「唯一無二のホテル」「どこにもないけど、ここにあってほしいホテル」を目指していければと思っています。
ホテルをつくるってそんなにあっさり? と思う方もいるでしょう。次回は、ホテルのオペレーションはどうしているのか? ホスピタリティにかかわるスタッフのこと、ホテルのこだわりや、サウナに対するこだわり(笑)についてもう少しお話ししようと思います。
