“変化の時代”のお金の価値、アップデートすべき「お金の使い方」とは?
みなさんにとって「お金」はどんな存在ですか? 「たくさん稼ぎたい」「生活に必要なものだからその分だけあればいい」「いいもの」「人を狂わせる悪いもの」など、とらえ方は人それぞれ、また場面や見方によってもいろいろな解釈があると思います。
日本では、お金を稼ぐこと、自分が持っているお金(資産)を増やそうとすることなど、お金の話をすること自体がタブーになっている傾向があります。
お金はないよりあった方がいい
個人的には少し極端だなぁ、もっとオープンにお金の話をすればいいのになと思っていますが、私にとってお金とは「ないよりあった方がいい」ものであることは間違いありません。
先立つものがあれば精神的な余裕が生まれるでしょうし、お金があればお金に縛られたり、お金のためだけに働いたりする必要もなくなります。
前回お話ししたように、お金は経験のための原資になるものですし、物を買う、何かを消費する際に対価としてお金を支払う行為は、必ずしも物欲や所有欲といった「欲」を満たすためだけのものではありません。
ちょっと話は逸れますが、私たちバリュエンスグループのメインの事業ドメインでもあるリユース業では、一般の小売業、一時流通の商品と比べてもより明確に需要と供給によって物の価値が決まります。
製品の質や原価率とはあまり関係なく、ほしい人がいれば値段が上がり、それが市場に出回っていなければ希少価値がつき、さらに値段が上昇します。
もちろん、この需要と供給のバランスは絶えず変化していて、人気があるものでも多く出回れば値段が下がってしまいます。
高級時計、ワイン、クラシックカーの市場価値が高い理由
価格が高止まりしていて、資産としても価値のある高級ブランド品の代表格といえば、時計の王様ROLEXの名前が真っ先に挙がるでしょう。
なぜ人気なのか? そのブランド力を保ち続けている理由については、たぶん一冊本が書けるくらい多くの要素がありますが、個人的には歴史や機構、機能、デザインの優位性はもちろん、供給をコントロールして、常に顧客がほしいと思って待っている状態、飢餓感をつくり出している点が、ROLEXの特に優れているところだと思います。
モデルによっては、正規店に行ってもまず売っていない。販売店の在庫をウォッチするコミュニティがあるくらいですから、「買えない」ことが、ますます需要を煽り、価値を高め、正規店で購入するより高価格で取り引きされる独自の市場をつくり出しているのです。
ROLEXに限らず高級時計は同じような構造で価格が高値で安定していますが、同様にリユース市場の優等生とされているのがワインとクラシックカーです。
リユース界の3大スター、高級時計、ワイン、クラシックカーの3つには共通する点があります。
それは、それぞれどんなに古いものでも、何年に、どれだけつくられたかという証拠が残っているという点です。これが、リユース市場での価値を確実なものにし、担保してくれているのです。
いわゆる“ニューリッチ”層は、新車で現行モデルの高級車を買い、デイトナの現モデルを買う傾向にあります。しかし、やがて希少性を求めてビンテージ、アンティークへと興味の範囲を移していくのです。
一般的にはドライで合理的、不動産や車の所有に興味を示さないとされる“ニューリッチ”ですが、こうしたものに興味がないわけでなく、いいものを一つだけ、投機対象にもなる市場価値が安定して高いものを少量だけ保有する。こうした傾向は、今後ますます強まっていくでしょう。
「何を買うか?」「何に使うか?」ではなく「お金を使って何に、どう影響を与えるのか?」
現金が何よりも重要視され、貯金することが美徳とされてきた日本では、自分の資産を運用し、利益を上げることを追求するのに謎の抵抗を感じている人が相当数います。
しかし、超低金利で預金が増えないどころか、キャッシュを銀行に預けるリスクを考えなければいけない時代。現金、預金神話に縛られ続けてきた日本でも、否応なしに実物資産、暗号資産が重視される世界がもうすでにやってきています。
私にとってお金は「ないよりあった方がいい」ものだということはすでにお話ししましたが、お金に対する考え方は、ここ数年でまた少し違う方向に変わってきています。
私は聖者でも仙人でもありませんから「物欲がなくなった」とはいいません。「これがほしい」という欲で買うことがまったくないとはいいませんが、以前と比べると「お金は欲を満たすためではなく、世の中のために使うべき」という考え方に変わってきています。
お金の使い道には、消費、浪費、投資の3つがあるといわれています。生活に必要な支出を指す消費、なくても生きていけるものにお金を使うことは浪費、投資については前回のnoteで詳しく書きました。
浪費は必ずしも無駄なものではなく、経験を得るための投資にもなり得るというのが私の考えですが、それとは別に「何のためにお金を使うのか?」を意識するようになりました。
ジャパンハート、吉岡医師との交流で気づきをもらった「世の中のために」という発想
世の中のためになるお金の使い方に思い至るようになったのは、自分で気づいたというよりお付き合いさせていただいている方々の姿勢や活動を見て気づきを与えていただいたというのが本当のところです。
中でも医療の届かないところへ医療を届けるジャパンハートの創設者であり最高顧問、ファウンダーの吉岡秀人さんの活動には、お金の使い方、価値観に大きな示唆を与えてもらっています。
ご存じの方も多いと思いますが、ジャパンハートは、保険や福祉の整っていない国や地域の人々に、高度な医療を届けるための活動です。医師である吉岡さん自ら現地に出向き、病気に苦しむ子どもたちを救うために奮闘、その行動が善意の輪となり、多くの命を救っています。
欲や名誉、自分のため、自分の周囲のためではなく、誰かのため、世の中をよりよくするために自分の持てる影響力を行使する。そんな吉岡さんとご縁をいただき、お話しさせていただいて、実際の行動、活動を知れば知るほど、自分のお金の使い方、そして自分が手がけるビジネスも世の中をよりよくするためにありたいと思うようになっていったのです。
