見出し画像

「続けるために何をするか?」が問われている。南葛SCと目指すプロスポーツクラブのサステナビリティとは?

先日行った南葛SCとの合同事業発表会は複数のメディアに取り上げていただいただけでなく、身近な経営者仲間からも多くの感想、反響をいただきました。関東二部リーグに所属するクラブとしては破格の扱い。J1から数えて6番目のリーグに属するサッカークラブがここまで大きな注目を集めていること自体、やはり南葛SCの伸びしろ、可能性は他に類を見ないのものだと確信しました。

前回は、南葛SCとバリュエンスグループが行う「まったく新しいクラブ経営」について、まだまださわりの部分ですがお話ししました。

南葛SCをJリーグに昇格させる、そのサポートをしていくだけなら従来のスポンサード、チーム強化の主に資金面のサポートをするということで何ら問題なかったはずです。それでも、私は資金面の援助をするスポンサーではなく、高橋陽一先生、岩本義弘GMと一緒に南葛SCに秘められたポテンシャルをどんどん引き出していくチャレンジをすることに決めました。

この意思決定には、私の経営哲学の中でも重要な位置を占める「サステナビリティ」が大きく関係しています。

ビジネス界のトレンドの一つ「サステナビリティ」とは?

サステナビリティ(sustainability)という言葉を耳にする機会が増えてきました。国連が発表している2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であるSDGsも、略さずいえば、Sustainable Development Goals。日本語に訳すと「持続可能な開発目標」となります。

サステナブル経営、循環型経済を表すサーキュラーエコノミーという言葉がまるでブームのようにビジネスの世界で広く使われるようになりました。いわゆる“流行言葉”のようなものになってしまっている側面もありますが、「持続可能性」を論じることは、経営にとってもとても重要なことだと私は思っています。

そもそもリユース業界の仕事は持続可能性を追求すること

このnoteでも何度かお話ししているように、私たちバリュエンスグループの出発点にして原点、現時点での主軸事業は「リユース事業」です。いままで活用されていなかった“不要品”の価値を再発見し、私たちが介在することでその価値をさらに磨き上げ、少し前まで価値がない、認められていなかったものを再び「誰かの必要」に変えていく

サステナビリティやSDGsに取り組むのは利潤を追求する企業の責任、あるいは“贖罪””のようなとらえ方をされる風潮もありますが、バリュエンスにとってはその事業内容からいっても、事業を続けること=サステナビリティの追求といっても過言ではないのです。

諸説ありますが、毎年数多ある新規開業する企業のうち、創業から1年後には約30%の企業が何らかの理由で廃業しているといいます。5年後には半分以上の企業がなくなり、10年後ともなると10%の企業しか生き残れないと言われているのです。

いま社会に広まりつつあるSDGsの文脈は、地球環境やそこに生活する人のための「持続可能性」を考えつつ開発を続けて行くためのものですが、企業側にとっても自社の持続可能性を追求することはとても重要です。

クラブの強化と同じくらい重要な持続し成長し続ける仕組みづくり

南葛SCとの新たな取り組みについても、サッカークラブ、プロスポーツクラブの持続可能性の追求という裏テーマがあります。

「スポーツの商業化」というと、今回のオリンピックでIOC(国際オリンピック委員会)のあり方が問われたように、ネガティブな要素でとらえられがちです。しかし、スポーツを産業にしていくこと、ビジネスとして成長させていくことは、悪いことではないどころか、社会にとっても有用なことです。

「スポーツは素晴らしい」から、そのときに勢いがある業種、余裕がある企業、個人が自分の思い、好みでお金を出してスポーツクラブを“支援する”。これも一つのあり方ですが、お金を出す側のスポンサー企業の業績が思わしくなく、余裕がなくなったときに真っ先に切られてしまうのは、残念ながらやはり業績に直接的な貢献をしないスポーツクラブへのスポンサーフィーということになります。

こうした関係が生み出す不幸な出来事は、企業スポーツだけでなくプロスポーツの世界でも幾度となく繰り返されてきました。

これはスポンサードを受けるクラブとしても「持続可能」な状態とはいえません。プロスポーツクラブのサステナビリティとは、まず存続すること、そしてクラブが掲げる目標に向かって適切な強化、環境の整備、クラブ自体の規模を成長させていくことにあると思っています。

南葛SCとバリュエンスが見据える世界73億人市場へのチャレンジ

南葛との取り組みには、2つの意味でクラブのサステナビリティを追求する仕掛けがあります。

一つ目は、南葛の持つ最大の資産である『キャプテン翼』のIP(知的財産)を使って、自走式でクラブが運営に必要な資金を獲得し、世界にその知名度を広げていく活動を行うことです。ここに世界主要都市に拠点を持つバリュエンスグループがジョインした意味や意義があるのですが、この取り組みはまさにサッカークラブのサステナブル経営と呼んでも差し支えないでしょう。

二つ目は、南葛SCが当面の目標であるJリーグだけでなく、「世界」を目指したクラブ経営を、発足当初から見据えていることです。

これについては、バリュエンスが3年前に一念発起してグローバル戦略を本格化させたこととも通じるところがあります。

日本国内だけでビジネスを行っていると、マーケットの最大顧客は1億2千万人ということになります。購買意欲、能力のある層はもっと少ないですが、まぁざっくり1億2千万人を相手にビジネスを行うのと、世界73億人を相手にビジネスを行うのとではまったく規模が違うのは誰の目にも明らかです。

南葛SCのグローバル市場での価値を高め世界中にサポーターを増やす

もちろん日本市場は、世界のどこの国にもない魅力を持った市場であり私たちリユース業界にとっては「宝の山」でもあります。というのも、日本で買い取りされるリユースの商品は、ブランド品であれ、高級時計であれ、「素性がたしか」で、「丁寧に扱われている」と、世界のリユース市場から引っ張りだこ「Used in Japan」として、高く評価されているのです。なので、日本市場を軽視して海外進出! ということではなく、海外のリユース業界にこれまでなかった価値を再定義をした上で、日本のリユース品、我々のブランドを強みとして海外市場に存在感を示すことこそが、バリュエンスが世界に打って出る大きな武器となるのです。

南葛SCも同様です。共同発表会で岩本GMからもお話がありましたが、通常インタビューのオファー、パブリシティのお願いをしてもかなりタフな交渉を強いられる(というかほとんど断られる)アンドレス・イニエスタ、フランスのキリアン・エンバッペなどの世界のスーパースターたちが、「翼のためなら」と、タイトなスケジュールでも我々のオファーなら受けてくれるのです。

こうした、世界における『キャプテン翼』の影響力、知名度を、作品から誕生した南葛SCのグローバル市場での価値に還元していく。世界中にサポーターを獲得していくことだって夢ではありません。

モノをたくさんつくって、大量に売る。大量生産、大量消費の時代はいずれ必ず終わりを告げます。エシカル消費、サステナビリティを意識した消費者の購入行動など、すでにその兆候は見えはじめていますが、企業も、サッカークラブも、世の中のすべてのことは、持続可能性を意識して行わなければいけない時代がやってきていると感じています。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集