PERとEV/EBITDAの使い分け(CCIR・KYIV)

企業価値を測るもの

企業の割安・割高を測る代表的な指標に「PER」と「EV/EBITDA」があります。使う目的やシーンは異なります

2025年8月、ウクライナ最大の通信会社Kyivstarが、VEONから切り出される形で米国SPAC「Cohen Circle」と合併し、NASDAQに KYIV として上場しました。

PERとは?(株主目線)

  • 計算式:株価 ÷ EPS(1株当たり利益)

  • 株主が「何年分の利益を払って株を買うか」を示す

  • シンプルで直感的なため、株式市場や上場時の評価で多用される。

例:PER 10倍 → その企業の株は「利益の10年分の価格」で買われている。

EV/EBITDAとは?(株主+債権者目線)

  • 計算式:EV(企業価値) ÷ EBITDA(本業の稼ぐ力)

  • Kyivstarのように、新興国市場に上場する企業は、税制・会計処理・借入金の水準が他国企業と大きく異なります。

  • 税率や減価償却の差を受けにくい EV/EBITDA(例:7〜8倍水準) が投資家にとっての判断基準として重視されます。

→企業全体が「年間の稼ぐ力の7~8年分」で評価されている


使い分けのポイント

  • PER

    • 株主目線の利益ベース評価

    • 上場時の株価レンジの妥当性説明に有効

    • 投資家に直感的に伝わりやすい

  • EV/EBITDA

    • 企業全体のキャッシュ創出力に基づく評価

    • 新興国企業間の比較に有効(税制や会計基準の違いを超えて分析できる)

    • SPACやM&Aの取引価格算定で必須

まとめ

  • PERは「株主が得られる利益ベース」、EV/EBITDAは「企業全体の稼ぐ力ベース」。

  • 上場時はPERが投資家への説明に便利だが、新興国比較やSPAC/M&AではEV/EBITDAが重視される。