仁義なき空調戦争 〜暑がり女子vs寒がり女子のワンダーランド〜
夏がく~れば思い出す♪
セミの鳴き声、スイカ、花火。あ~どれも風流だ。
だが、私が思い出すのは「暑がり女子vs寒がり女子の熾烈な攻防戦」である。実に風情があって、私にとっての夏の風物詩の一つだ。
仕事をしていた時のことだ。冷房をつける時期になってくると、職場の空調管理で戦いの火ぶたが切って落とされる。
基本、私の中の女子のイメージは、寒がりでカーディガンは必須アイテム、という前提である。私は、こんなことをテーマにしている時点で、皆さん察しはつくと思うが、そう、「暑がり女子日本代表」である。
衣替えは早々に行い、その後は一切後戻りはしない。
暑がりな上に極度の汗っかきで、汗取りパッド付のインナーは各種所持で必須。ボトックスも検討したことはあるが、注射が怖い。
そんな私は、職場でも勝手に空調管理のチェックへの余念がなかった。
だが、ここで私の名誉のために言っておくが、決して周囲のことを考えずに勝手に空調を管理していたわけではない。
スタッフ全員が、暑がりor寒がりのどちらの体質か、を把握し、意見を聞きながら調整していた。
まだ梅雨から夏の初期は、冷房が体にこたえるスタッフも多いと思い、私はタオル持参で労働中に汗を拭いたり、着替えをしたりとなんとか工夫をしていた。さながら工事現場である。
だが問題は、ニュースでも熱中症の死者数が報じられ始める真夏である。
この時期になると、さすがの寒がり女子でも、ひどい暑さがしんどくなりはじめ、職場は冷房で涼しくなる。だが、極度の寒がり女子が、いつの間にか冷房をOFFにしてしまう瞬間を察知できるようになってしまった。おそらく私の皮膚センサーが発達しているせいだと思う。
「……消えたな(室温28度)」と、職人のような顔で壁のリモコンを睨みつける日々だった。
さすがに熱中症警報が出ている時期に、なおかつ病棟で動き回るとなると、もう耐えられない状態。衣服を脱ごうにも社会規範的に脱げない。
憲法や法律ではなく、「世間体」という名の見えない壁が私の行く手を阻む。いや、タンクトップ・短パンで看護をしてもいいのであれば全然したい。裸の大将スタイルでも全くかまわない。冬は君たちに合わせるから、夏は勘弁してくれ、もうこれ以上脱げないんだよ。
結局脱ぐことが無理な以上、この状態をどうにかせねば、私は再度こっそり空調をONにする。
後はこの繰り返しである。
辞める前に極度の寒がり女子と腹を割って、朝まで生テレビばりに話合う気は満々だったが、決着はつかなかった。
ちなみに今は自宅で完全に自分の好みの空調にできることに大満足している。外出中、汗でビチョビチョになった日には、用もないのにスーパーの冷凍コーナーに直行し、涼むのが至福の時だ。
冷凍うどんや冷凍チャーハンの棚の前で、あたかも「どれにしようかな〜」と真剣に悩んでいるフリをしながら、冷気を全身で浴びている不審者は私だ。
もう夏が始まっているような気候、まだまだ夏は長い。
ひそかにカーディガン女子に憧れる暑がり女子なのであった。
なんかかわいいんだよなあ。
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