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経営とは決断である「嫌われる勇気」 #135

人は一人で成せることには限りがあります。
だからこそ、より大きな目的を実現するために、目的を共有できる人たちと組織をつくります。
企業とは、その代表的なカタチです。

しかし、同じ目的を掲げていたとしても、そこに属する個々の価値観、経験、能力、そして方法論は決して同じではありません。
むしろ異なることが組織である意義を高めます。

また、違いがあるからこそ、常に組織では意見の衝突や方向性の揺らぎが生まれます。

■ 組織は選択の連続で動く


組織運営において誤解されやすいのは、「全員の納得を得た状態が最適解である」という前提です。

しかし現実の経営では、全員の意見が一致することはほとんどありません。
むしろ、意思決定の局面では対立や不一致が常に存在します。

* 現場と経営の視点の違い
* 短期と長期の優先順位の違い
* 個人最適と全体最適の衝突

これらは避けることのできない構造です。

その中で経営者やマネジャーに求められるのは、完璧や調和ではありません。
立場上、成さねばならない使命と期限がある以上、どこかで線を引くことが、その職務であるとも言えます。

■ 中庸では組織は前に進まない


一見すると、多様な意見を偏りがなく調和を取って中庸的にまとめることは、公平で安全な方法に見えます。

しかし、すべての意見を均等に取り扱おうとすると、意思決定は遅れ、組織は停滞します。
結果として、誰も責任を取らない状態に陥ることすらあります。

明らかに誤った考えを排除することは簡単です。
しかし、経営とは本質的に、「どちらも正しい可能性がある中で、どちらかを選ぶ行為」です。

つまり、それは合意形成ではなく選択であり、時に対立を引き受ける行為でもあります。

■ 孤立を伴う決断の価値

重要な意思決定ほど、全員から支持されるとは限りません。

むしろ、短期的には多数派に反対されることもあります。
場合によっては、意思決定者が孤立することさえあります。

それでも決断が求められるのは、その選択の結果を最終的に引き受ける責任が、経営者にあるからです。

ここで必要になるのは、嫌われる勇気であり、表層の人気ではなく、深層にある責任です。

■ 決断とは責任を背負うこと


経営判断において重要なのは、それが絶対的に正しいかどうかではありません。

むしろ問われるのは、その決断を引き受けたうえで、結果に責任を持てるかどうかです。

情報は常に不完全であり、未来は不確実です。その中で最適解を探すのではなく、「どの不確実性を受け入れるか」を選ぶのが意思決定です。

こうした意思決定を行うためには、組織における対立構造を理解しておく必要があります。

意思決定の現場では常に、
* 現場の実行可能性
* 経営の方向性
* ステークホルダーの期待
が交差しています。

この複雑さをすべて解消することはできません。
だからこそ、どこかで「決める」という行為が必要となります。
時に、その判断を独裁と勘違いする人もいます。
しかし、ある意味、先頭に立って責任を負うことの姿勢であるとも言えます。

■ 経営とは嫌われる勇気を持つこと


経営とは、全員を納得させる仕事ではありません。
むしろ、納得が揃わない状況の中で、それでも進む方向を決める仕事です。

その決断が孤立を伴うこともあります。

合意ではなく決断。
調和ではなく選択。
その嫌われる勇気。

孤立を引き受けることも経営であり、その積み重ねの先にしか、組織の前進はありません。

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