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新しい価値を創造するプロセス「プロダクトローンチ」#110

新規市場に参入するときや、新しい製品・サービスを開発するとき、多くの場合は手探りから始まります。
市場のニーズも完全には見えず、正解もまだ存在しません。

そのまま進めてしまうと、途中で方向性を見失い、開発が迷走してしまうこともあります。
だからこそ重要になるのが「コンセプト」です。

コンセプトとは、簡単に言えば物事の全体を貫く基本的な考え方です。

スポーツで例えると分かりやすいでしょう。
例えばチーム戦術にも、さまざまなコンセプトがあります。
• 攻撃型のチーム
• 守備を重視するチーム
• 個人の能力を最大限活かすチーム
• チーム全体の連携で戦うチーム

どれが正しいというわけではありません。
しかし、コンセプトが明確であるほど、戦い方は一貫します。

■ プロダクトローンチとは何か

これは製品やサービスの開発でも同じです。
コンセプトが曖昧なまま開発を進めると、最終的に「誰のための何なのか」が分からなくなってしまいます。

そこで有効なアプローチの一つがプロダクトローンチというマーケティング手法です。
プロダクトローンチとは、販売前から見込み顧客との関係性を築きながら製品やサービスを開発し、リリースしていくマーケティング手法です。

「ローンチ(launch)」は、打ち上げ・立ち上げという意味の言葉で、売り出す、公開する、発表する といったニュアンスで使われます。

つまりプロダクトローンチとは、
「顧客との対話を通じてコンセプトを磨きながら製品を市場に送り出すプロセス」
と言えるかと思います。

よく似た言葉にデマンドジェネレーションがあります。
販売開始前に「市場と一緒に製品を作るプロセス」であるプロダクトローンチに対して、デマンドジェネレーションは、販売開始後に「市場に製品を広げる活動」です。

■ プロダクトローンチの4つのステップ

プロダクトローンチは、主に次の4つのステップで進みます。

① プレローンチ
展示会やイベント、セミナーなどを通じて
見込み顧客を集める段階です。
まずは市場との接点を作ることが重要です。

② リレーションシップ
見込み顧客と継続的に情報交換を行いながら、
関係性を構築しつつ製品コンセプトを磨いていきます。

この段階では、社内連携も非常に重要です。
• 開発
• 設計
• 生産
• 販売
• マーケティング

これらが連携していなければ、量産の段階で設計が不適切だったという事態も起こりかねません。
結果、見込み顧客が求める機会を逃してしまったら、これまでの取り組みが水の泡です。

③ ローンチ
製品やサービスを正式にリリースし、販売を開始します。

④ ポストローンチ
販売後は顧客フォローを行いながら、製品の普及を促進していきます。
購入してくれた顧客は、将来的にインフルエンサーになる可能性があります。
そのため、丁寧なサポートと関係構築が重要になります。

■ メリットとデメリット

最大のメリットは、顧客ニーズとのズレが少ない製品を開発できることです。
開発段階から見込み顧客と対話を続けるため、
• 市場のリアルなニーズが見える
• コンセプトの精度が上がる
• 販売直後から売上につながりやすい
といった効果が期待できます。

一方で、もちろんデメリットもあります。
開発段階から社外の見込み顧客とやり取りするため、
• 時間がかかる
• コストがかかる
という点です。

もし販売後に売上が伸びなければ、結果としてコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスが悪いという評価にもなりかねません。

そのため、プロダクトローンチでは、適切なマネジメントが不可欠です。
特に注意すべきなのは、
• 販売タイミングの遅れによる機会損失
• 妥協による中途半端なコンセプト
です。

見込み顧客との関係性を保ちながら、開発スピードとコンセプトの完成度を両立する必要があります。

■ 顧客育成による普及活動

販売後の普及活動では、まだ購入していただけていない見込み顧客へのアプローチも重要です。

ここでは、情報を一度にすべて伝えて購入を促すのではなく、メルマガ、セミナー、イベント、コンテンツなどを通じて、少しずつ情報を提供していくことが重要です。

まずは、課題を知っていただくこと。
次に、その課題を解決する方法を理解していただくこと。
そして、自社の製品やサービスが、その解決策の一つであることを認めていただくことが大切です。

こうした段階的なコミュニケーションによって、見込み顧客との関係を育てていきます。
これは、マーケティングにおけるリードナーチャリング(見込み顧客の育成)にもつながる考え方です。

大切なのは、一度の情報発信で売ろうとするのではなく、継続的なコミュニケーションによって「選ばれる理由」を少しずつつくっていくことです。

■ プロダクトローンチは「未来への投資」

製品開発で大切なのは、「何をつくるか」だけではありません。

マーケティングにおいて、戦略を立案すること際の手順がとして
①何を→ ②誰に→ ③どうやって
があります。

その意味でも、顧客の声を聞く。
「なぜ、その製品が顧客に選ばれるのか」を考えることが大切です。
しかし、言われたことをそのまま実現するわけではありません。

顧客の不満や要望の背景にある、本当のニーズを探る。
そして、自社として提供する価値をコンセプトとして定める。
そのコンセプトを市場に問いかけ、反応を見ながら磨いていく。

この繰り返しによって、「売れる製品」をつくるのではなく、「売れる理由」をつくっていくのです。

プロダクトローンチとは、単なるマーケティング手法ではありません。
それは、未来の市場を見据えた取り組みです。
市場と対話しながら製品を育てていくという積み重ねが、成功するプロダクトを生み出します。
プロダクトローンチとは、未来のためにできることを、今から実践するプロセスであると言えます。

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