組織とは そのあり方とは #10 組織戦略
人は一人で成せることには限界があります。
だからこそ、目的を共有する人たちと組織をつくります。
つまり、組織では、自身の弱みを、仲間の強みを補ってもらうこと。
そして、自身の強みで、仲間の弱みを補う相互依存の関係が大切になります。
そして、その関係は、決して、一人では生み出せないポジティブな相乗効果を生み出します。
よく組織と比較されるのが集団です。
その違いですが、共有の目的を持って集まった組織に対して、集団は目的を持たないか、目的が共有されない烏合の衆となります。
経済学者であり、自ら約20年間、電話会社を率いたチェスター・バーナード氏は、著書「経営者の役割」の中で、組織をシステムとして定義し、「意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステム」としました。
そして、その成立のための条件として組織の三要素を示しております。

1.共通目的
参画する個々が、目的を共有していること。
2.貢献意欲
参画する個々が、組織の目的を達成するために、貢献しようとする意欲を持つこと。
3.コミュニケーション
参画する個々が、目的は当然ながら、常に適正な価値観や情報を共有すべくコミュニケーションがとれていること。
また、マネジメントで著名な経営学者のドラッカー氏は、著書の中で、組織としての最小限持たなければならない条件として、明快さ、経済性、方向付けの容易さ、理解の容易さ、意思決定の容易さ、安定性と適応性、永続性と新陳代謝を示されています。
特に、組織の三要素に付け加えるのであれば、明快や容易ということがが多用されている通り、組織は、「意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステム」であり、そこからシナジーを生み出す必要があります。
シナジーとは、複数の要素が相互に作用し合うことで単体で得られる以上のプラスの効果を生み出すことです。
高い組織力とは、マネジメントを機能させて、組織を構成する個々の持ったパフォーマンスの総和よりも、大きなパフォーマンスを発揮することとなります。
組織とマネジメントの関係性は非常に強いものであると捉えております。
前出のドラッカー氏は、著書の中で、「組織が機能するには、マネジメントが成果をあげなければならない。組織がなければマネジメントもない。マネジメントがなければ組織もない。」と示しています。
つまり、組織は、組織で共有する目的を達成するために存在する手段でしかないということです。
そのため、目的を達成させるには、マネジメントを機能させなければなりません。
ドラッカー氏は、マネジメントに関して、この様に示しています。
「マネジメントとは、人にかかわるものである。その機能は人が恊働して成果を上げることを可能とし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。」
正に、これは、バードナーの組織の三要素に通じるものだと、あらためて思います。
また、2014年にフレデリック・ラルー氏が発表したティール組織があります。
その定義は、社長やマネジャーがマイクロマネジメントをしなくても、スタッフ個々が自分たちのルールや仕組みを理解して、目的のために独自に工夫し、意思決定することで組織の目的を果たせる組織といえます。
その特徴が、フラット形態であることです。
フラットであるが故に、経営トップと現場のメンバーやチームが信頼で結びつく必要があります。
信頼で結びつくことで、メンバーやチームが経営トップの意思を継いで、自律したマネジメントを行うこととなります。

組織の理想とは、ティール組織なのかもしれません。
しかし、企業によっては、外的要因も含め、まだまだ、ティール組織を構築するのは容易でないことが現実です。
組織形態をフラットにするのは、ある意味、簡単なことです。
しかし、フラットにしたからといって、経営トップとメンバーやチームが信頼で結びつくのかと言えば、そのように安易なものではありません。
そのため個人的には、組織形態は、従来のヒエラルキー形態で良いかと思っています。
メリットとしては、組織を機能別に縦割り組織にして、それぞれのマネジャーに任せることができることです。
そもそも組織は、共通の目的を持った人たちで構成されているものの、それぞれの人格や得意・不得意分野は違います。
それぞれが適した機能組織に属することで、より個人の能力を高めてくれる可能性が高まります。
しかし、機能別に縦割りすることで、互いの組織に無関心となり、結果、セクショナリズムやエゴイズムに陥るようなデメリットもあります。
そのために常に、組織間の連携を取るような取り組みが重要となります。

また、無用にマネジャーの数は増やすことも良しとは思いません。
概ね組織全体の10%、どんなに多くても20%かと考えます。
その上で、経営トップが、マネジャーにエンパワーメント(権限委譲)が出来るかです。
可能な限り頭数を絞ったマネジャー体制と、そこに権限を委ねたエンパワーメントが機能することで、ボトムアップも期待出来るかと思います。
つまり、ヒエラルキー(オレンジ)のトップダウンマネジメントと、フラット(ティール)のポトムアップマネジメントの良いところを融合させたグリーン組織が、まずは日本企業が目指すべき組織なのかと考えています。
