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強みを活かせる市場設計「セグメンテーション」 #186

■ マスマーケティングの限界


かつては、大量生産・大量消費を前提に、マスメディアを活用した一斉広告(マスマーケティング)が機能していました。
しかし現在は、以下の変化により前提が崩れています。

• ニーズの多様化
• 情報過多による分散
• 競争の高度化と個別化

その結果、「全員に同じ価値を届ける戦略」は機能しづらくなっています。

■ 戦略の起点は環境分析・STP分析の役割


戦略はまず環境を正しく捉えることから始まります。
• 内部環境:自社の強み・弱み・リソース
• 外部環境:市場・競合・顧客・トレンド

重要なのは現状だけでなく、変化を含めて構造的に理解することです。
この前提がズレていると、戦略全体が機能しません。

STPは環境分析を戦略に変換するためのフレームです。

S(Segmentation)
市場を意味ある単位に分解する

T(Targeting)
狙うべき市場を選定する

P(Positioning)
競争上の立ち位置を定義する

このプロセスにより、「どこで戦うか」と「どう戦うか」が明確になります。

■ セグメンテーションとは


セグメンテーションとは、環境分析で得た情報から、曖昧だった市場や顧客層のニーズから読み解き分類することで、自社がターゲットとすべき市場や顧客層を決定することです。
ある意味、同じ市場、同じ顧客層であっても、条件を変えることで分類が変わる仲間探しゲームのようなものです。

例えば、下の一覧で考えた場合、野菜、くだもの、動物、空を飛べる、水の中で動ける、色など様々な条件によって、その分類は変わるはずです。

つまり、この条件がニーズあるいは、ニーズに結びつくものに該当するものとなります。

■ セグメント変数の3分類

セグメンテーションを行う上で様々な分類例があります。

① デモグラフィック変数
年齢・性別・職業・所得など
→ 数値化しやすく基礎軸として有効

② サイコグラフィック変数
価値観・ライフスタイル・趣味嗜好など
→ 精度は高いが定量化が難しい領域
(近年はSNSやMAなどによりデータ化が進展)

③ 行動変数
購買頻度・購入経路・タイミングなど
→ ECとリアルの融合により重要性が上昇

■ セグメンテーションの検討基準


セグメンテーションとは単なる分類ではなく、
顧客の中にある“異なる意思決定構造”を見つける作業です。

同じ市場でも、条件次第で顧客の行動は大きく変化します。
その違いを捉え、意味のあるグループとして再定義することが本質です。

そして、過度な細分化を防ぎ、実務性を担保する基準が4Rです。

1. Rank(優先順位)
戦略的重要度の高いセグメントであるか

2. Realistic(市場規模)
収益として成立する規模があるか

3. Response(測定可能性)
反応や行動が計測できるか

4. Reach(到達可能性)
実際に価値を届けられるか

この4条件を満たさないセグメントは、戦略として機能しないと捉えて良いのかと思います。

■ 市場選択の本質


参入市場の選定は、成長性や魅力ではなく
リスク構造の選択として捉える必要があります。

ブルーオーシャンは競争が少なく先行優位を取りやすい一方で、需要そのものを作る必要があり不確実性が高い領域です。
レッドオーシャンは競争が激しい一方で、既に需要が存在するため収益化の再現性が高い領域です。

ブルーオーシャン     レッドオーシャン

市場が同じでも、強みが構造に接続されていなければ成果は出ません。
逆に競争環境が厳しくても、強みが明確に設計されていればポジションは成立します。

つまり重要なのは「どちらが良いか」ではなく、自社の強みを活かしつつ、どのリスクを引き受けるかという意思決定です。
また、ブルーだ、レッドだと二極化するのではなく、双方の良いところ取りした、いわゆるバイオレットオーシャンを見つけ出すことが、最もリスクヘッジになるのだと考えます。

戦略的な市場選択の本質は、
自社の強みを理解し、環境を把握した上で、チャンスとリスクの構造を最適に設計すること
なのかと考えます。

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