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息子の将来の夢を、はじめて知った日

この前、息子の連絡帳を見たら、
宿題のところに「作文」と書いてありました。

しかも、その横には「1200字以内」の文字。

「え、今日中に書くん?」

思わず声が出ました。

小学2年生に1200字。

正直なところ、これは親の宿題では……?
と思ってしまいました。


息子に聞くと、原稿用紙を出してきました。

どれどれ、と見てみると、
名前と最初の一文だけ書かれています。

そして、その一文を見て、
わたしはびっくりしました。

「どうぶつえんのしいくいんになりたい」

そう書かれていたのです。

連絡帳には、

「しょうらいのゆめ」
「おともだちのこと」
「かぞくのこと」

この中からひとつ選んで書くとありました。

息子が選んだのは、「しょうらいのゆめ」。

でも、動物園の飼育員になりたいなんて、
わたしは初めて聞きました。

「え、しいくいんになりたいん?」

そう聞くと、

「そうよ」

と、少し照れくさそうに答えた息子。

その表情がなんとも可愛らしくて。

そういえば、今まで将来の夢なんて聞いたことがなかったなと思いました。

毎日一緒にいるのに、
知らないことってまだまだあるんですね。

考えてみれば最近の息子は、
動物のことをよく調べています。

図鑑を見たり、動画を見たり。

わたしにも、動物についていろいろ質問してきます。

動物園にも何度か行ったことがあります。

家族で行ったこともあるし、
遠足で行ったこともありました。

きっと、そんな経験の中で動物への興味がどんどん大きくなっていったのでしょう。


そしてそこから、作文作りが始まりました。

これがまた大変で。

「なんで飼育員になりたいん?」

「どんな動物が好きなん?」

「飼育員さんはどんな仕事をするんかな?」

ひとつ聞いては考え、
また聞いては考え。

わたしも一緒になって作文の内容を考えました。

でも、不思議だったのが息子の様子です。

普段の宿題も、もちろんちゃんとやります。

なぜなら、宿題が終わらないとテレビが見られないからです。

ただ、それは「早く終わらせたい」という感じ。

楽しそうに字を書いている姿は、
あまり見たことがありません。

でも、この日は違いました。

わたしの質問に、にこにこしながら答えてくれるんです。

そして、その話したことを原稿用紙に楽しそうに書いていく。

そんな姿を見ながら、

あぁ、この子は本当に動物が好きなんだなぁと思いました。

もしかしたら、動物のことを考えるのが楽しかっただけじゃなくて、
わたしと一緒に話しながら作文を書いていく時間そのものも、
楽しかったのかなぁと思ったりしました。

作文を書くというより、
自分の好きなことや夢を話している時間。

そんなふうに見えました。


1200字の作文は大変だったけれど、

あの時間がなかったら、息子の夢をこんなふうに聞くこともなかったかもしれません。


原稿用紙に書かれていたのは、
作文の書き出しの一文。

「どうぶつえんのしいくいんになりたい」

でも、わたしにとっては、

息子の将来の夢を初めて知った一文でした。

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