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堀河百首 恨の心を読む

もともとFacebookグループとアメブロに掲載していた「堀河百首」各題の心を読む連載ですが、
Facebookグループの閉鎖に伴い、noteに集約することにしました。

今回のテーマは「恨」です。




堀河百首 うらみの心を読む

「恨」をめぐって

「恨む」はもともと上二段活用ですので、

「うらみず/うらみて/うらむ/うらむるとき/うらむれば/うらみよ」

となります。
四段活用で「うらまず」とか「うらめば」とかになるのは近世以降。

実はもとは上一段活用だったそうですが、はるか奈良時代の話なので、
基本的に中古(平安時代)の詞で詠む前提の和歌において「恨む」の上一段活用は考えなくてよいでしょう。


相手の仕打ちに不満を持ちながら、表立ってやり返せず、いつまでも執着して、じっと相手の本心や出方をうかがっている意。
転じて、その心を行為に表す意。

『岩波古語辞典』

不当な扱いを受けて、不満や不快感を抱きつつも、それに対してやり返したり、事態を変えたりすることができず、しかもずっとそのことにこだわり続け、こういうことをする相手の本心は何なのだろうとじっと思いつめること。

『古典基礎語辞典』

前者は大野晋先生が編者のおひとり、後者は大野先生が編者です。


きちんと調べたわけではないのですが、恋の題で「恨」というと、
結ばれたのち別れたり、間遠になったりした男性の恋人に対し、女性が「恨む」歌の多いイメージです。

別れた女性に対して男性が「恨む」設定や、逢ってくれない片想いの相手を男性が「恨む」設定の「恨」題の歌は、あまり記憶にありません。

実際のところ、どうなのでしょうね。

付き合って別れたならともかく、勝手に片想いして応えてくれない相手について、不当な扱いを受け・・・・・・・・(by 『古典基礎語辞典』)たとして「恨む」となると、ずいぶん自己中心的な発想だなあと思われてなりません。
そういう自己中心性は男歌(作中主体が男性である恋歌)の片想いの歌によく見られるものですが、
それはそれとして、「恨」「恨恋」などの歌は、せめて捨てられた女性の歌であってほしい、などと思ったりします。


音が「うらみ」なので「浦」が掛けられやすく、海辺の歌枕や語との相性が良さそう。
そこからの縁語で「ながれ(流れ)=なかれ(泣かれ)」「かひ(貝)=かひ(甲斐)」「なぎさ(渚)=なき(無き)」もいけますね。
「堀河百首」での16首にも海辺の語を用いた歌がいくつかありました。


梶間和歌の「恨」詠

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