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1時間の会議に10人集まると、10時間が消えます

うちには、定例会議が5つありました。

  • ケアマネ情報共有会議 毎週水曜 9時から1時間

  • サービス提供責任者会議 毎週水曜 12時半から1時間

  • 経営会議 毎月1回 1時間

  • 全体会議 毎月1回 1時間

  • デイのミーティング 毎月1回 1時間

全部、1時間です。きれいに1時間で終わったことは、たぶん一度もありません。

いまは、この5つとも、集まってやることをやめました。

1時間の会議は、1時間ではありません

やめようと思った理由は、単純な計算でした。

1時間の会議に10人が参加すると、その会議は10時間です。

そこに移動時間が乗ります。訪問系の事業所なので、会議のために事務所へ戻ってくる人がいます。行って、座って、帰る。実際には1人あたり2時間近く使っています。

それを毎週やっていました。

さらに厄介なのは、その時間に訪問がある人は参加できないことです。参加できなかった人には、後で誰かが伝えます。伝わり方は、伝える人によって変わります。

つまり会議は、

  • 時間を大量に使い

  • 一番忙しい人ほど参加できず

  • 情報の伝わり方が人によってばらつく

という仕組みでした。集まることに、それだけの価値があるのか。何度考えても、答えは出ませんでした。

一斉にはやめませんでした

ここは、我ながら正解だったと思っています。

令和7年12月に、まず経営会議をやめました。 報告は管理者のチャットに移し、全体会議も、集まる形からオンラインと動画の共有に切り替えました。

そこから半年以上かけて、令和8年の夏に残りも含めて全面的にやめました。

もし最初から「明日から全部やめます」と宣言していたら、たぶん失敗していたと思います。1つやめてみて、それで回ることが分かってから次に進む。 この順番でないと、現場は不安になります。

全員に合わせようとしませんでした

もうひとつ、決めていたことがあります。

新しいやり方を、全員が使えるようになるまで待たない。

いわゆる2:6:2の考え方です。どんな組織にも、新しいことに前向きな2割、様子を見る6割、乗り気でない2割がいます。

この前向きな2割に合わせて進めました。

乗り気でない2割に基準を合わせると、いつまでも始まりません。逆に、前向きな2割が普通に使っている状態を作ると、6割は自然についてきます。「みんなやっているみたいだから」という理由で。

取り組まない人に合わせない。 冷たいようですが、これは実際に効きました。

会議の代わりにやったこと

やめただけでは、情報が止まります。代わりを用意しました。

ひとつは、動画です。

管理者が作った資料をもとに、私が読み上げる動画を撮ってYouTubeで配信します。研修も、通達も、全体会議も、この形です。

これまでに7本以上作りました。1本の長さは、テーマの解説なら15〜20分、研修や全体会議のアーカイブなら40〜55分ほどです。

訪問の合間や、移動の待ち時間に見てもらえます。 集まる必要がありません。倍速でも構いません。

もうひとつは、チャットです。

動画への質問や意見は、Googleチャットのスレッドで受け付けます。議論もそのスレッドの中で完結させます。

これが会議より優れている点が、ひとつあります。発言の機会が公平になることです。

会議では、声の大きい人と、その場にいた人しか発言できません。チャットなら、訪問から戻った夜でも、休みの日の頭が冴えているときでも書けます。忙しい人ほど、会議では黙るしかなかったわけです。

うまくいかなかったこと

正直に書きます。動画にすれば伝わる、というわけではありませんでした。

配信した動画や資料について、「内容が分かりにくかった」という反応がありました。結局、追加で個別に時間を取って、補足の説明をすることになりました。

これは会議をやめたことの失敗ではなく、私の説明が下手だったという話です。集まって話していたときは、相手の顔を見ながら言い方を変えられていました。その調整が、動画ではできません。

一方通行の伝達は、対面より難しい。 ここは今も課題として残っています。

動画を短く区切る、資料をもっと絵にする、要点を先に言う。このあたりは、まだ試している最中です。

会議はやめても、対話はやめません

誤解のないように書いておきたいのですが、話す場そのものをなくしたわけではありません。

1対1の面談は、むしろ増やす方向で考えています。ただし、こういうルールにしました。

  • 1対1であること

  • 15分以内

  • カレンダーで予約する

  • 事前にアンケートに答えてもらう

3人以上集まると、雑談になります。 これは何度も経験しました。悪いことではありませんが、生産性は確実に落ちます。

そして15分という上限は、事前に何を話すか決めてこないと成立しません。 そこに意味があります。だらだら1時間話すより、準備してきた15分のほうが、本音が出ます。

この形はまだ始めたばかりです。 定着したかどうかは、もう少し様子を見ないと分かりません。

報告の道筋も引き直しました

会議をやめると、情報がどこに向かうか分からなくなります。

そこで、報告と相談のラインを組織図どおりに引き直しました。一般スタッフは主任へ、主任は管理者へ、管理者は本部長へ、本部長から私へ。

チャットは全員に届けられる分、全部が私のところに直接来ると回らなくなります。 便利な道具ほど、道筋を決めておく必要がありました。

同じことを考えている方へ

まず、自分の事業所の会議を1つ選んで、コストを計算してみてください。

参加人数 × 所要時間。それに、移動時間を足す。

うちの場合、それだけで「これは続けられない」と分かりました。議論の前に、数字を出すのが早いです。

そして、やめるなら1つずつ。 全部いっぺんにやめると、現場が不安になります。1つやめて、回ることを確認して、次に進む。

最後にひとつ。やめるだけでは、必ず失敗します。 情報が止まって、「前のほうが良かった」という話になります。

会議をやめるというのは、別の伝え方に置き換えるということです。 そして、その置き換えは、たぶん最初はうまくいきません。うちもそうでした。

それでも、戻すつもりはありません。


介護の現場は、記録も請求も労務も、書類に時間を取られすぎています。ここを軽くしないと、本来やるべき仕事の時間が出てきません。

うちで実際にやったことを、失敗も含めて書いています。

千葉県柏市・我孫子市で介護事業をやっています。

https://note.com/wakiaiai_kaigo

※本noteは個人の発信であり、所属法人の公式見解ではありません。

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