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採用面接で会社の説明をやめたら、聞ける話が変わりました

採用の面接で、こんな時間の使い方をしていました。

前半は、私が会社の説明をする。理念、事業の内容、部門の紹介、働く環境。ひととおり話し終えると、それなりの時間が経っています。

そして後半、ようやく相手の話を聞く。

順番が逆でした。

面接で本当にやるべきなのは、目の前の人がどんな人かを知ることです。会社の説明は、私が毎回同じ話を繰り返しているだけでした。

そこで、会社の説明を動画にして、面接の前に見てもらうことにしました。

何が変わったか

面接が始まった時点で、相手はもう会社のことを知っています。

だから、いきなり中身に入れます。面接の時間を、説明ではなく「相手を知る時間」に丸ごと使えるようになりました。

質問の質も変わりました。動画を見てきた方は、こちらが説明していない部分を聞いてきます。「動画で言っていた◯◯というのは、具体的にはどうなんですか」という聞き方になる。

これは、説明を聞いた直後には出てこない質問です。一度持ち帰って考えた人だけが持ってくる問いです。

聞かれるほうとしても、その質問が来た時点で「この人は真剣に考えてきたな」と分かります。

動画に「難しいところ」も入れた

ここが一番の判断でした。

会社紹介の動画は、普通いいことしか言いません。私も最初はそう作ろうとしました。

でも、やめました。動画の冒頭で、はっきりこう言っています。

こういうところは働きやすいですよ、というところも、逆にこういうところは難しいですよ、というところも、しっかりメリット・デメリット伝えさせていただきます。

理由は単純です。

いいことばかり言って採用するのは簡単です。 でもその結果、入ってから「思っていた会社と違うな」となって早期に辞めることになれば、その人自身の負担になります。会社にとってもいいことではありません。

介護業界は人が足りません。だからこそ、目の前の応募者を逃したくない気持ちは常にあります。

それでも、説明を盛って入ってもらうのは、結局どちらの得にもならないという結論になりました。

デメリットを聞いた上で「それでも入りたい」と言ってくれた人は、辞めません。当たり前ですが、そこを飛ばして採用してきたのがこれまででした。

動画に何を入れたか

13分ほどの動画です。中身はこうしました。

① なぜこの動画を見てもらうのか(メリットもデメリットも伝える、という宣言)

② 法人の考え方

うちはあえて営利法人ではなく、NPO法人という形をとっています。地域貢献が目的の法人格です。

では何が地域貢献かというと、優秀なスタッフが、在宅で暮らしたい利用者さんの生活を支えることだと考えています。そのためには、いいスタッフに長く働いてもらう必要があります。

だから、給与の改善はもちろん、休みやすい環境を作り、事務員を多く配置して専門職が専門性を発揮できるようにしています。

③ 理念(三方良し)を、きれいごとにしない

私が介護の事業に入った頃、スタッフはかなり疲弊して働いていました。利用者さんのために無理をして、しかも給料は高くない。

これでは業界も法人も続きません。

利用者さんの生活の質が上がることはもちろん大事です。でも同時に、スタッフの生活の質も上げなければならない。だから、無理な依頼は法人としてお断りして、スタッフを守ります。

いいスタッフが長く続けば法人が成長し、成長すればスタッフに還元でき、より多くの利用者さんに質の高いケアを届けられる。この循環を「三方良し」と呼んでいます。

④ 各部門の紹介

訪問看護・リハビリ、訪問介護、定期巡回、夜間対応、デイサービス、ケアマネジャー、福祉用具、訪問入浴。それぞれ簡単に。

⑤ うちがやらないこと

サービスはすべて在宅系です。ショートステイやお泊まり型のデイサービスなど、自宅から離れる必要があるサービスはやっていません。

「やらないこと」を明示するのは大事だと思っています。施設で働きたい人には、うちは合いません。それが動画を見た時点で分かるほうが、お互いのためです。

説明は、人がやらなくていい

実は同じ考え方を、別のところでも使っています。

契約時の重要事項説明です。こちらも動画にしました。7分ほどのものを見ていただき、スタッフは質問に答えることに専念します。

説明の内容は毎回同じです。同じ話を、人が毎回口頭で繰り返す必要はありません。

一方で、質問に答えることは人にしかできません。 相手の表情を見て、言葉を選んで、その人の状況に合わせて答える。ここに人の時間を集中させる。

面接も、契約説明も、構造は同じでした。

「毎回同じ話」は動画に。「その人だけの話」に人が向き合う。

作ってみて分かったこと

難しい撮影はしていません。スライドを画面に映して、話しているだけです。

つまずいたのは、話す内容を決めることのほうでした。

いざ台本を書こうとすると、「うちの働きにくいところって何だろう」で手が止まります。ここを言語化する作業自体が、経営の棚卸しになりました。

もうひとつ気づいたのは、動画は作り直せるということです。

口頭の説明は、話すたびに内容がぶれます。忙しい日は短くなり、気分が乗れば長くなる。動画なら、全員がまったく同じ説明を受けられます。そして、伝え方が悪ければ撮り直せばいい。

同じことを試すなら

自分が今週、同じ話を2回以上した場面を思い出してください。

それが動画にできる候補です。採用の説明、契約の説明、新人研修、機器の使い方。介護の現場には、驚くほどたくさんあります。

いきなり完璧なものを作らなくて大丈夫です。スライドを映して話すだけで十分でした。

人の時間は、毎回違う話にだけ使う。 そのために機械や動画に任せられるものは、任せていいと思っています。


介護の現場は、記録も請求も労務も、書類に時間を取られすぎています。ここを軽くしないと、本来やるべき仕事の時間が出てきません。

うちで実際にやったことを、失敗も含めて書いています。

千葉県柏市・我孫子市で介護事業をやっています。

https://note.com/wakiaiai_kaigo

※本noteは個人の発信であり、所属法人の公式見解ではありません。

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