【南アルプス】農鳥岳・間ノ岳・塩見岳・蝙蝠岳|65.1kmで歩く仙塩尾根と白峰南嶺の大縦走
静かな稜線を歩く時間が好きです。
南アルプスの奥深くを、3日間かけて歩いてきました。
農鳥岳から間ノ岳、熊ノ平小屋、塩見岳、蝙蝠岳、そして白峰南嶺の笹山へ。
歩いた距離は65.1km、累積標高は6,389m。
予定どおり歩けるか不安を抱えながらスタートした山旅でしたが、その時々の判断を積み重ねたことで、忘れられない3日間になりました。
はじめに
今回歩いたのは、奈良田を起点に農鳥岳・間ノ岳・塩見岳・蝙蝠岳を経由し、白峰南嶺の笹山までつなぐ2泊3日の縦走です。
以前から歩いてみたいと思っていたルートでしたが、二軒小屋が営業休止となり、なかなか実現できませんでした。
今回はテント泊装備で計画を組み直し、熊ノ平小屋で一泊。その後は二軒小屋を経由して伝付峠方面へ進み、林道でテント泊。最終日に笹山から奈良田へ下山しました。
この記事では、
コース状況
注意点
テント泊で感じた難しさ
南アルプス深部ならではの魅力
を実体験をもとに紹介します。
農鳥岳・間ノ岳・塩見岳・蝙蝠岳とは
今回歩いたルートは、南アルプスを代表する名峰と静かな稜線を一度に楽しめる贅沢な縦走コースです。
間ノ岳(3,190m)は日本第3位の高峰で、日本百名山にも選ばれています。農鳥岳や塩見岳も百名山として人気があり、雄大な展望が魅力です。
一方で蝙蝠岳や白峰南嶺は登山者が少なく、南アルプスらしい静かな時間を味わえるエリアです。
今回歩いた仙塩尾根は、仙丈ヶ岳から塩見岳へ続く長大な稜線。その途中から眺める間ノ岳や北岳、荒川三山など、南アルプスの名峰を一望できる景色は何度歩いても飽きません。
華やかな北アルプスとは違う、奥深く静かな山旅を楽しめるルートだと感じています。
山行概要
山名:農鳥岳・間ノ岳・塩見岳・蝙蝠岳・笹山
山域:南アルプス
日付:2026年7月31日〜8月2日
天候:3日間とも概ね晴れ
コース
奈良田→大門沢→農鳥岳→間ノ岳→熊ノ平小屋(テント泊)
熊ノ平小屋→塩見岳→蝙蝠岳→二軒小屋→伝付峠方面(テント泊)
伝付峠→奈良田越→白剥山→笹山→奈良田
行動データ
距離:65.1km
累積標高:6,389m
行動時間:28時間11分
標準CT:37時間36分
体力度:★★★★★
テント泊装備で歩く場合は、体力・経験ともに十分な準備が必要です。
おすすめ度
★★★★★
おすすめしたい人
南アルプスをじっくり歩きたい方
長距離縦走が好きな方
静かな稜線を楽しみたい方
コース全体図

奈良田から反時計回りに歩き、南アルプス南部の名峰をつなぐ約65kmの周回ルートです。
この山を選んだ理由
最近は北アルプスを歩くことが多く、久しぶりに南アルプスを歩きたいと思っていました。
ちょうど2泊3日確保できそうで、天気予報も南アルプスの方が安定していました。
以前から考えていたこのルートは、本来なら二軒小屋に宿泊して3分割する予定でした。
しかし現在は営業休止中。
計画を変更し、伝付峠方面でテント泊する形に組み直しました。
本当に歩き切れるのか。
最初はその不安が一番大きかった山行でした。
コースの様子と感想
奈良田〜農鳥岳〜間ノ岳
月明かりの奈良田を出発。
まずは標高差約2,200mの大門沢を登ります。
この区間を予定どおり歩けるかが、今回最大のポイントでした。
大門沢下降点へ予定どおり到着。

そこで「このまま計画どおり進もう」と決心できました。
時間にも余裕があったため、巻き道を予定していた間ノ岳と三峰岳にも登頂。
標高日本第3位の山らしい存在感を楽しめました。

熊ノ平小屋では、宿泊者それぞれが個性的なルートを歩いていて、山談義も楽しい時間でした。
熊ノ平小屋〜塩見岳〜蝙蝠岳〜二軒小屋
朝4時前に出発。
森林限界を越える頃には朝日が昇り、塩見岳が美しく染まります。
巻く予定だった塩見岳ですが、この景色を前にすると登らずにはいられませんでした。

蝙蝠岳から見る南アルプスの景色は、何度訪れても特別です。

貸切だった山頂で、静かな時間を満喫できました。
長い蝙蝠尾根を下り二軒小屋へ。
ここから標高差約650mの伝付峠への登り返しは、この山行最大の試練でした。
伝付峠〜笹山〜奈良田
翌日は午後から積雲が発達する予報。
少しでも行程を短くするため、林道をさらに進んでテントを張ることにしました。
結果的にこの判断が正解でした。
3日目は崩落した林道を慎重に歩き、奈良田越から白剥山、笹山へ。
最後に立ち寄った笹山北峰では、この3日間歩いてきた塩見岳や蝙蝠岳、仙塩尾根が一望できました。
歩いてきた道を振り返る時間は、何度味わっても特別です。

コース状況・注意点
大門沢は標高差約2,200mの急登
三峰岳周辺は岩場あり
塩見岳直下は巻き道が整備済み
蝙蝠岳分岐付近は岩場あり
蝙蝠尾根は破線ルートですが踏み跡明瞭
東俣林道への下降点は以前よりマーキング増加
林道は数か所崩落あり
白剥山周辺はやや荒れ気味
笹山直下のハイマツはきれいに刈り払われ歩きやすい
奈良田駐車場
約100台
トイレあり
平日深夜でもほぼ満車
コース状況まとめ
道迷いリスク
★★★☆☆
体力必要度
★★★★★
危険箇所
★★★☆☆
眺望
★★★★★
静けさ
★★★★★
おすすめ季節
7〜10月
※2026年8月時点
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振り返り
今回の山旅で一番印象に残ったのは、「判断」の連続だったことです。
予定どおり進むのか。
巻くのか、登るのか。
どこで泊まるのか。
天気予報や体力、その時の状況を見ながら、一つずつ選択を重ねて歩きました。
山では、完璧な計画よりも、その場で考え続けることの方が大切なのかもしれません。
静かな南アルプスの稜線を歩きながら、そんなことを何度も感じた3日間でした。
また季節を変えて、この稜線を歩いてみたいと思います。
おわりに
静岡の山を中心に、
毎週末、稜線を歩いています。
派手な山よりも、
静かな山・深い山・条件を読む山行が好きです。
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