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【南アルプスフロントトレイル】源氏山〜富士見山|33km縦走で見えたもう一本の南アルプス

静かな稜線を歩く時間が好きです。

今回歩いたのは、まだあまり知られていない「南アルプスフロントトレイル」の一部区間。

櫛形山の池の茶屋から源氏山、倉尾山、御殿山、富士見山をつなぎ、最後は七面山の麓まで歩く33kmの縦走です。

歩く前は名前しか知りませんでした。
けれど地図を広げた瞬間、心を掴まれました。

南アルプス主稜線。
白峰南嶺。
そしてその手前を並走する南アルプスフロントトレイル。

3本の長い稜線が並んでいる。
その姿を想像しただけで、歩いてみたくなったのです。


はじめに

南アルプスフロントトレイルは、夜叉神峠から七面山周辺を経由し、安倍川東山稜へとつながるロングトレイル構想です。

知名度はまだ高くありませんが、歩いてみると整備状況は良好。

展望地も多く、南アルプスを眺めながら静かな稜線歩きを楽しめます。

この記事では、

・源氏山〜富士見山区間の様子
・ルートの分かりやすさ
・歩いて感じた魅力と課題

をまとめています。


山行概要

山名:源氏山・富士見山
山域:山梨県南巨摩郡周辺
日程:2021年5月23日
天候:晴れ時々曇り

コース:
池の茶屋登山口→池の茶屋峠→大峠山→源氏山→足馴峠→岡松山→倉尾山→十谷峠→御殿山→富士見山→大天上→南アルプスプラザ

行動データ

距離:33.9km
累積登り:1,945m
累積下り:3,489m
行動時間:9時間34分

体力度:★★★★☆(ロングコース経験者向け)


コース全体図

YAMAPより抜粋

池の茶屋登山口から源氏山、富士見山を経由して南アルプスプラザへ下山。


このルートを歩こうと思った理由

このコースを知ったのは、お誘いをいただいたことがきっかけでした。

名前を聞いた瞬間に地図を開きます。

すると見えてきたのは、南アルプス主稜線と白峰南嶺、そのさらに手前を走るもう一本の長い稜線。

歩いてきた山々が一本の線でつながる感覚。
それがたまらなく魅力的でした。

山頂を増やすのではなく、山と山の間をつなぐ。
そんな歩き方が好きな人には、きっと刺さるルートだと思います。


池の茶屋から眺める白峰の山々

スタートは櫛形山の池の茶屋登山口。
まずは逆方向にある北岳展望地へ向かいました。

展望地に立つと、目の前には北岳。

目の前には北岳

名前の通りの景色です。

さらに鳳凰三山。
白峰三山。
笹山。
農鳥岳。
そして白峰南嶺。

白峰南嶺と鳳凰三山

これから歩くルートとは別の稜線ですが、静岡側から何度も眺めてきた山々です。

遠くから見ていた線を、今度はこちら側から眺めている。
そんな不思議な感覚がありました。


源氏山と大峠山

池の茶屋峠から林道を進み、源氏山登山口へ。
ここから先はよく整備された登山道になります。

途中で立ち寄った大峠山は一等三角点の山。
派手さはありませんが、静かな雰囲気が心地よいピークでした。

そして源氏山へ。

遠くから見ると美しい三角形ですが、近づけば近づくほど急登になります。
山頂に着く頃にはしっかり汗をかいていました。
山梨百名山のひとつでもあります。

尖った源氏山

足馴峠から倉尾山へ

源氏山を過ぎると、雰囲気はさらに良くなります。

歩きやすい稜線。
広葉樹の森。
静かな空気。

この区間は特に印象に残りました。
まだ利用者は多くないようで、明瞭な踏み跡はありません。
それでも稜線をたどるだけなので方向を見失うことは少ないと思います。

倉尾山は両側が開けた気持ちの良いピーク。
展望にも恵まれていました。

広葉樹の森、静かな空気

十谷峠までの核心部

倉尾山から先は激下りになります。

ロープが継続的に設置されており、整備されていることがよく分かります。
ただし急斜面が続くため慎重な歩行が必要です。

急斜面が続く

そして気付いたことがひとつ。

源氏山から十谷峠までの間には、ほぼエスケープルートがありません。
調子が悪くなっても簡単には下れない。
ロングコースらしい区間でした。


御殿山と富士見山

十谷峠を越えると雰囲気は変わります。
一般登山道となり歩きやすくなります。

御殿山には甲斐百山の標識。

富士見山には展望台。

要所ごとに「南アルプスフロントトレイル」の案内板も設置されていました。

知名度こそ高くありませんが、整備への熱意は十分に伝わってきます。
富士見山から先は再び静かな世界。
歩く人が少ないこともあり、森の雰囲気を色濃く感じられました。

ときどき展望が開ける

七面山へ続く線

大天上を過ぎて林道へ下りると、長かった縦走も終盤です。
最後に見えたのは七面山。

静岡駅から自分の足でつないできた軌跡。

そして七面山へ続く道。

地図上では一本の線ですが、実際に歩いてみると、その一本一本に景色や記憶があります。

だからこそ、次もまた歩きたくなるのだと思います。

大きな七面山

コース状況・注意点

大峠山周辺

崩壊気味の箇所がありました。
赤テープを確認しながら進みたい区間です。

源氏山〜十谷峠

エスケープルートがほぼありません。
水や行動食は余裕を持って準備したいところです。

富士見山以降

踏み跡は薄くなります。
赤テープや標識の確認が必要です。

向いている人

・静かな縦走路が好きな方
・南アルプス展望を楽しみたい方
・ロングトレイルに興味がある方

※2021年5月時点の情報です。


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振り返り

歩く前は、ただのマイナールートだと思っていました。
けれど実際に歩いてみると、その印象は大きく変わります。

南アルプスを眺めるための稜線。
白峰南嶺を見渡す稜線。
そして七面山へ続く稜線。

まだ知名度は高くありません。
だからこそ静かで、だからこそ面白い。

多くの人が歩く人気ルートではありませんが、山と山を線でつなぐことが好きな人には魅力的な道だと思います。

いつか夜叉神峠から七面山まで、そしてその先まで。
南アルプスフロントトレイル全線を歩いてみたいと思いました。


おわりに

静岡の山を中心に、
毎週末、稜線を歩いています。

派手な山よりも、
静かな山・深い山・条件を読む山行が好きです。

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