積木の必要条件
素材の白木は、いのちのぬくもり
私は、童具の素材には、一部の部品を除き、すべて白木を使っています。
木は生きています。呼吸しています。白木のぬくもりは生命のぬくもり。使い込むほどに手になじみ、自分の手垢や汗に染まるほどに子どもは積木との絆を強めていきます。成長と共に別の童具を買い足していっても無駄になるものはなく、愛着を持って長く大切に使い続けることができるようにつくられています。子どもからまたその子へと、長く長く使い続けることができます。
また、無垢の積木は高く積み上げようとしても崩れにくいだけでなく、同質のものであれば、大きいものは重い、小さいものは軽いという自然界の偽りのない事実を示すこともできています。
積木は、あえて角を丸く処理しない
私には積木によって形の世界をしっかり子どもにつかみとらせるという願いがあります。角がシャープゆえに集合体にした時にピタッと決まるし、四角や三角といった「形」を明瞭に手で感じることを大切にできるからです。
例えば、立方体を二つ合わせた時、子どもによってはその合わせ目の線の部分を、何度も確かめるように指でなぞります。二つのものがぴったり合ってひとつになったことを確かめているのです。これがもし、角を丸めた積木だと合わせ目には溝ができ、ひとつになった、つながったというイメージがもてません。
角がとがっていて、小さな子には危険なのでは、と心配する人もいます。しかし、遊びの中で、角は痛い、平らな部分は痛くない、ということを少しずつ身をもって知り、それに対応していく知恵を身につけることの方が大切だと私は思っています。無菌状態の環境は子どもの生命力を弱めてしまいます。
スケールの大きい遊びも小さな遊びも楽しめます
ピースの数が多くなれば、ダイナミックで複雑な自分の背丈よりも高い塔や、富士山や恐竜、かと思うと数個のピースで『白雪姫と7人の小人』のベッドや椅子まで、子どもの心のおもむくままに遊びは広がっていきます。自ずと遊ぶ時間は長くなり、集中力が身につきます。
童具のデザインの最終クリエイターは子どもです
おもちゃ売場にある、動くおもちゃ、仕掛けおもちゃは、それ自体ですでに完成して創造の余地がほとんどありませんが、私の童具の最終のクリエイター(創作者)は子どもたちです。
子どもたちが何かを創造することで、はじめて童具のデザインは完成します。しかも、一つの答えだけでなく百、いえ、それ以上の答えを導くことができます。そのために材質や形、秩序性などに徹底的にこだわります。
