低気圧の眠気に我が人生を振り返る
台風が近づいてきています。
こんな時は気圧が変化するので、頭痛や関節痛など体に変調をきたす人が多いですね。
私はこういう時、ものすごく眠たくなります。
もうどこでもうたた寝してしまう。
うたた寝につきものなのは、なんでしょう?
そう、よだれです。
ちょっと今回汚い話になってしまいますが、すみません。
さかのぼれば赤ちゃんの頃から、私は滝のようによだれを流していたそうです。
幼稚園の年長さんでバイオリンを始めたときも、夢中になるとバイオリンの上によだれを垂らしていました。
口元がゆるいんですね。
このよだれが、うたた寝をすると結構な確率で出てしまう。
電車に乗って中学に通うようになると、試験期間などは午前中で学校が終わるので、空いている電車に揺られてうとうとしながら帰ることもありました。
中学1年生の定期試験の帰り、温かい車内でうたた寝をしていると、いきなり知らないおばさんに起こされました。
「ちょっと、あなた!よだれ出てるわよ!」
ハッと目覚めふと下を見ると、セーラー服のリボンがよだれに染まり、びしょびしょになっています。
「私、あなたの学校の卒業生なのよ。ちょっとしっかりしてちょうだいね」
そう言っておばさんは電車を降りていきました。
顔から火が出るほど恥ずかしい思いをして、それからは眠くなったら口を閉じて眠れるように努力するようになりました。
それから月日が流れ、うたた寝してもよだれは流さなくなっていました。
流さなくなったはずだったのですが....。
ロンドンの音大でちょうど座学の授業を受けていた時のこと。
そのころは英語がほとんどわからず、つい先生の声が子守唄になってしまいました。
うっかりうたた寝をしてしまい、隣の人に起こされてハッと気づくと、あろうことかよだれを一滴ぽとっと落としてしまいました。
周りを見回すと、なぜか全員が私を見ています。
授業はディスカッションもできるよう、大きなテーブルを囲んで10人ぐらいが座っていたのでお互いの姿が見えるようになっていました。
状況から考えるに誰かが「ケイが寝てるよ」と指摘し、隣の人が代表で起こしてくれた瞬間だったようです。
声を出して笑う人、クスクスしてる人、笑いたいけど遠慮して変な顔になっちゃってる人、とにかく起きた瞬間によだれを垂らす東洋人に皆笑いが止まらなかったようでした。
もう、本当に恥ずかしかった。
笑ってごまかすしかなかったです。
その後、授業もそうですがロンドンの地下鉄でうたた寝をしている人はいないなと気づきました。
日本の電車のように、寝ている人が少ないのは、電車内が安心な場所ではないという意識と、第一に寝不足じゃないからだと教えてくれた人がいました。
なるほど。
そして、さらに月日は流れ、50代になった私、今日は美容院でうたた寝をしていました。
ハッと気づくとまたよだれが垂れた跡がありましたが、もうよだれのプロなので、
「あ、ごめんなさい。よだれ垂れちゃった」
「全然いいですよー」
なんて会話し、もうほとんど動じなくなっています。
だって、台風が来るから眠いんだもん。
よだれは垂れちゃうんだもん。
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは、練習音にうんざりしている家族への賄賂、バイオリンと人生の復活費に使わせていただきます。よろしくお願いします。