夏休みに聴くピアノ
夏休みが始まりましたね。
子供たちが小さかった頃は、夏休みが始まるころになると毎年ママ友の間で「夏休み始まっちゃうね…」という憂鬱なざわめきが起きました。
一日中食事を作って、どこかに連れて行って夏休みの宿題まで協力するという大変さを思うだけで、寿命が縮む思い。
まったくよく頑張ってきました。
あれは若くないと無理です。
子供たちも大きくなり、すこし余裕が出てきた今日この頃、最近夏休みが始まると楽しみにしているイベントがあります。
ママ友であり、ピアニストであり、チェリストのSさんが働く小学校に、ピアノが超上手な男の先生Bさんがいます。
Bさんは幼少よりピアノを弾いてきて、今は小学校の先生として働いています。
子供の好きな曲を弾いたり、学校行事で弾いたりして人気だそうです。
小学校の先生は勤務時間が長く、超ハードな仕事だとよく聞きますが、Bさんは徹底して体のトレーニングとピアノの練習を続けていて、学校の休みがあればいろんなコンサートで弾いています。
そのBさんが毎年夏休みに入るとすぐピアノリサイタルをするのです。
小さいサロンで、昔の教え子や知り合いが中心に集まってのカジュアルなコンサート。
Bさんは明るく普段のように話しながら、誰でも聞いたことがある、でもしっかりクラシックな名曲をどんどん弾いていってくれます。
今年はベートーヴェンのソナタからの楽章の抜粋や、ノクターンや英雄ポロネーズなどのショパンの名曲の数々。
「だって、昨日は終業式だったから!ガハハハッ!」
と練習があまりできなかったと言い訳しながらも、軽々と聴かせてくれました。
この人の演奏は、本職ではないからこその気楽さと、プロのクオリティーを両方持ち合わせていて、本当にすごいなあと思います。
愛される音楽って、こういうものをいうのじゃないかな。
もちろん大きなホールで聴く有名なピアニストの、ほどよい緊張感と高尚な演奏も素敵です。
日常とはまったく違う世界に連れて行ってくれる音楽を聴く感動は、格別です。
でもそれとは別に、音楽室でふいに聴かせてくれるような、カジュアルで自然な音楽は、心地よく心を緩めてくれます。
いつでもどこにでも生の演奏が心地よく響く、そんな世界がいいな、なんて。
そして私もそんな演奏をしたいな。
などと感じた夏の日の午後でした。
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