花よりワンコ。春の主役は、いつも足元
春になると、
世界は急にカラフルになる。
花が咲いて、光がやわらかくなって、
人の気持ちも少し前向きになる。
そんな中で、
私は気づいてしまった。
春をいちばん楽しんでいるのは、
花じゃなくて、ワンコだということ。
道ばたの草の匂い、
風に混ざる季節の気配、
いつもと違う人の足取り。
ワンコはそれを全部、
全身で受け取っている。
花を見る私より、
ワンコの方が、
ずっと春に近い場所にいる。
だから自然と、
視線は下がる。
桜を見上げるより、
ワンコの表情を確かめたくなる。
「きれいだね」より、
「気持ちいいね」を共有したい。
花は背景でいい。
主役は、隣を歩くこの子。
花よりワンコ。
それは、
春の価値観が変わった合図だった。
