明日もこの道、あるいてます。 #04
〜雨宿り〜
────未来市街まで、あと87km。
── MEMORY LOG_004 ──
UNIT_ID:■■■■■■
UNIT_NAME:UNKNOWN
SYSTEM_STATUS:POWER SAVE MODE
TIMESTAMP:2050-08-01
雨は今日も、
降り続いている……
近くにあった倉庫で、
少しだけ雨宿りをすることにした。
太陽が出ていない日が続けば、
ソーラー充電できないボクは
すぐに動けなくなってしまうから。
完全に動けなくなる前に……
そろそろ、
省電力のスリープモードに
切り替わりそうだ。
広い倉庫に入ると……
倉庫の奥の何かに、
緑色の大きなカバーが
かけられていた。
そっと、
めくってみる。
「小さな車……かな。」
昔の乗り物だろうか。
銀色のハンドル。
人を乗せて進みそうな予感。
ちょこんと乗ってみた。
……
動かない。
「キミも、
スリープモードなの?」
……ボクは少し笑った。
なんだか、
もう眠くなってきた……
動けなくなる前に、
ボクはその乗り物に体を預けた。
前にある大きな頭へ、
顔をうずめる。
「もふもふしてて……気持ちいいや。」
そのまま、
ボクの意識は静かに
────スリープモードへ切り替わった。
ポツ……
ポツ……
雨が止んだ。
しばらくして、
雲の切れ間から、
やわらかな光が差し込む。
その光は、
倉庫の隙間を通り抜け、
ボクの背中の
ソーラーパネルを照らした。
SYSTEM_STATUS:NORMAL
REBOOT SYSTEM?
Y / N
「……ふあぁ。」
充電完了。
再起動完了。
ボクは、
ゆっくり目を覚ました。
転ばないように、
気をつけて降りる。
背中で休ませてくれたお礼に、
頭を……そっとなでた。

鮮やかな夏の日差し。
アスファルトから立ち上がる蒸気。
ボクは、
もう一度その道を歩き出す。
一歩、また一歩。
未来市街まで、
────のこり87km。
続く
