見出し画像

どこかにあるはずRPG


〜はじめの物語〜



スタートボタンを押して数秒後、
僕は街から追い出された。

いきなり、なんなんだよぅ。。


何をするのかも、
どこへ行けばいいのかも
わからないまま。

とりあえず、

自分のステータスを
確認してみることにした。

《no+e界・初期ステータス》

肩書き:特になし
著名人:ではない
SNS援軍:なし
創作歴:ほぼここから
発信ジャンル:定まらない
攻略法:知らない

武器:木のぼう
防具:お鍋のふた

……。

だいぶ、心細い。

そっと、
ステータス画面を閉じた。




地図はない。

目的地もない。

もちろん、
仲間もいない。

それでも、
この街ではないどこかで、
僕を待ってくれている人がいるような気がした。


だから────

僕は、歩き始めた。



最初に見つけたのは、
小さな宿屋だった。

うそでしょっ!?

異世界の安宿。
いろんな人がやってきた。

少し話して、
笑って、
また、それぞれの場所へ帰っていった。

串……


僕もまた、歩き出す。

ある日。

誰かが、
僕の書いたものを読んでくれた。
そして、
言葉を残してくれた。


《はじめてのコメントを てにいれた!》


うれしくて、
何度も読み返した。
返事を書いた。

あの日があったから、
今もここにいると思う時がある。


気がつくと、
僕はまた歩いていた。



しばらくすると、
海に出た。


どうやって海を渡ったのか、
泳いでいったのか、

そのあたりは
よく覚えていない。

気がつけば、無人島にいた。

う、動けない……

ゴリラがいた。
犬もいた。
洞窟もあった。
光る不思議なものも見つけた。

転んだ。
それでも、歩いた。

歩いていると、また誰かに会った。

その人のところへ
遊びに行った。

面白い話を読んだ。
笑った。
話しかけた。

すると、
また別の誰かが、
僕のところへ遊びに来た。


《なかまが ふえた!》



一人。また一人……

すごい昔な気がする……

名前を覚えてくれる人が、
少しずつ増えていった。

「こんにちは」
「また来ました」
「続き、楽しみにしてます」

僕も、
いろんな街へ
遊びに行くようになった。

面白いものを見つけたら、
立ち止まった。

話しかけたくなったら、
話しかけた。

そうしているうちに、

歩いているのが、
ひとりじゃなくなっていた。



そのうち、
不思議な店を見つけた。

はぁ〜……ムニャムニャ。。

店主はどこかへ行ってしまった……

置き手紙だけがあった。

「店を頼むよ。」

仕方がないので、
店を開けた。

カランコロン♪

いろんな人が来た。

旅人。
おばあさん。
女の子。
羊。
犬。
何だかわからないものも見つけた。

店の奥には、
開かない扉があった。


僕には開けられなかった。
でも、
誰かが来ると、たまに開いた。

うぁああっ!?

ガチャ。バタン。

扉の向こうに
何があるのか。

今でも、
よくわからない。



《なぞが ふえた!》


……。

減らない。

むしろ、増えている。



店を開けながら、
別の道も歩いてみた。


そこでは、
まんまるの誰かが
歩いていた。

今年の花火は、どうでした?

僕も一緒に歩いた。

何があるのかは、
やっぱりよくわからなかった。

ほかにも、
思いついたことをいろいろやった。

書いてみたり。
描いてみたり。
途中でやめたり。
また始めたり。

面白そうなら、
とりあえずやってみた。


《できることが ふえた!》


たぶん。
よくわからないけど。

気がつけば、

ずいぶん遠くまで歩いてきていた……



でも、
何かすごい装備を手に入れたわけじゃない。

相変わらず、
右手には木のぼう。
左手には、お鍋のふた。

途中、
もっと強そうな武器を見かけることもあった。
効率よく進める地図もあった。
近道を教えてくれる人もいた。

でも、
どういうわけか……

このお鍋のふたが、

一番手に馴染む。

だから、今もそのまま。



────ふと、後ろを振り返る。



最初の街は、もう見えなくなっていた。

代わりに、
これまで歩いてきた道がある。


途中で出会った人も、
ずいぶん増えた。

笑ったり。
驚いたり。
時々、ちょっと泣いたり。
いろんなことがあった。

それでも、
どこへ向かっているのかは、
今もよくわからない。

そもそも、
何を探していたんだっけ。

う〜ん。……まあ、いっか笑




顔を上げる。
遠くには、
まだ行ったことのない街が見える。

知らない道もある。
変な扉もある。
たぶん、
まだ会ったことのない人もいる。

僕は、
使い慣れたお鍋のふたを持ち直す。

木のぼうも、まだ使えそうだ。

よし。
もう少し歩いてみようかな。


《ぼうけんは まだ おわらない》


▶ はなす
▶ みる
▶ よむ
▶ かく
▷ なんかやる




つづく