#創作大賞感想 イセハラノモトニ/コニシ木の子氏
私小説なのかしら……?
そんな気持ちで拝読した。
コニシ木の子氏をある程度知る方ならば、ヨッキがあの人で、セイセイがあの人……と当てはめて読んでしまうはず。
冒頭は、作家が生まれる厚焼き玉子の美味しい喫茶店「モトニ」の読書会から始まる。その読書会の常連のナオミちゃんは、伊勢原を愛し文学を愛するお婆ちゃん。でも、ヨッキはお婆ちゃんとは呼ばない。文学を通じた「友だち」だからだ。
年齢で人を区分するのはナンセンスだ。共通の話題があって、好きなものが同じで、一緒の時を楽しく過ごせるのならば、その人はもはや「気の合う友だち」なのだ。
そんなナオミちゃんが大好きな地元を離れると知り、ヨッキは最高の思い出をプレゼントすることを思い立つ。そこには、様々なキャラの濃い仲間たちが加わり、全員が全力で「(仲間である)ナオミちゃん」を喜ばせることに奔走する。そして、その一人一人にそれぞれの「強み」があり、誰もが主役で、脇役が存在しない。全員がそのプロジェクトの一員であり、誰が欠けても成立しない、全員の想いをのせたプロジェクトが始動する。
ナオミちゃんのために始めたプロジェクトだけれど、みんな自分がやりたくてやっている。面白がっている。
そしてみんな知っている。
「人を喜ばせる」ことが「自分の歓び」になるということも。
このお話を読むと、同じ時代に偶然にも出会い、同じ場所に存在できた「ご縁のある人」を愛しみ、大切にしたくなる。
せっかく出会ったのだから、いつの日か「別れ」が来るまで、最大限一緒の時間を楽しもうよと。
この作品は「コニシ木の子」氏そのものだ。
女性が大好きで、格好つけてるのにカッコつかなくて、モテなくて?、ちょっぴりM。結構頑張っているのに、いつも友だちに美味しいところを持っていかれる。でもみんなに必要とされていて、みんなに愛されていて、みんなが助けてくれる。そしてそんな自分のことを好きだし(オイシイと思っているし笑)、誇りに思っている気がする。しらんけど。
「限りある時間」を大切にし、出会いを楽しみ、いい事も嫌なことも、全てのことを面白がる。実にシンプルな生き方だ。
好きなものはたくさんあるけれど、そこに執着はなく、「出会いも別れも必然」と言わんばかりに「そのまま」を受け入れる。
(いや、出会いも別れも同等に面白がっているのかもしれない)
楽しいも、悲しいも、辛いも、怒りも
「その瞬間」を全力で味わい
次の瞬間に「手放す」。
淡白にも感じるけれど、そこに確かに存在する温かみや人情、恩や義は絶対に忘れない。
コニシ木の子氏は、色々な種類の様々な形の「愛」を持っている人なのかもしれない。全てのことを肯定して受け入れられる「器」を持っている人だ。
一緒に楽しむ仲間になる条件はただ一つ「モトニ」。
リアルに、私のいまだ続いている仲間も「モトニ」だったりする。
面白いね(笑)
地元愛、仲間愛、文学愛、「夢」と「楽しい」を具現化する過程を表現した作品。優しさもズルさも面白さも切なさもギュギュっと詰まった一作。
なんのはなしですか?
ステキなお話でした。
まだの方はぜひ♪
【お知らせとお願い】
※私は読むのも感想を書くのも苦手です。解釈が間違っていたり、ネタバレになったりして、作者や作品にご迷惑がかかることを恐れております。何か不都合がありましたら、教えてください。取り下げます。
※なお、自分の創作もあるため、残念ながら限られた時間の中で、多くの作品を読むことが出来ません。自分の作品の感想を記事に書いて下さった方を優先的に読むようにしております。なかなか皆さんの作品を読みに行くことが出来ず、ごめんなさい🙇
さらに、私は読むのが遅く、時間がかかるため、長編は読むことが出来ません(´;ω;`)ウッ…。ご了承ください🙇
【いしもともりの作品紹介】
創作大賞2025#ホラー小説部門
『歪な渇愛』
Talesにて掲載中♪ 応援感謝♪
