1-1-2 古生代(カンブリア紀~デボン紀)
約5億4100万年前:顕生代が始まり、古生代が始まる。古生代の中でも最初の時代はカンブリア紀と呼ばれる

上図:カンブリア紀の大陸配置。パンサラッサ海は古太平洋ともよばれる
約5億4100万年前:カンブリア大爆発(~約5億2000万年前)。生物の種類がおよそ8000種にまで増大し、現在知られている生物の祖先の多くが出現。硬い殻をもつ生物や眼をもつ生物や大型動物が現れる
<詳説>
この時期の生物は、骨格をもつことで、筋肉の活動能力が増し、海中をより速く泳ぎ回ることができるようになった。他にも脊椎動物(背骨をもつ)の祖とされる脊索動物コノドントが出現した。
また、眼の獲得によって、弱肉強食の世界が始まり、脳の機能の進化を促したとも。また、こうした世界を生き残るために移動手段として脚やヒレなども発達。
脊索動物は背側に神経索が存在し(背側神経管)、この背側神経管が後に脳となり、脊索は脊椎骨となる。脊索動物や節足動物は酸素を取り入れるためにエラを持っていた。

上図:オルドビス紀のコノドントの復元図
約5億2400万年前:中国で澄江動物群が出現
約5億500万年前:バージェス動物群が出現。当時は全長1m以上のアノマロカリスが最強の捕食者であった

上図:バージェス動物群の復元図。軟体質の生物を捕食して絶滅に追いやったという。ハルキゲニアは背中にトゲを多く持つ、カンブリア紀の代表的な生物の一つである

上図:アノマロカリスの化石

上図:アノマロカリスの復元図

上図:ウィワクシアの復元模型。ウィワクシアはウロコのような硬い殻を持っていた
約5億年前:顎をもつ有顎類と、顎をもたない無顎類が分岐したか
約5億年前:生物の遺伝子多様化が進む(~約4億年前)
約4億8500万年前:オルドビス紀が始まる。この時期、生物は更に多様化(オルドビス紀の生物大放散事変)。この頃の海ではオウムガイ類(頭足動物)が覇者であった

上図:オウムガイ類のオロソセラスの復元図。この時期には他にも全長11mをこえるオウムガイの仲間もおり、海水を噴射することでの高速移動が強みであった
約4億8500万年前:植物(ゼニゴケの仲間とも)が上陸を始める。植物は後に水分の蒸発を防ぐクチクラ層を発達させる
<詳説>
陸上植物は緑色の原始的な藻類(緑藻類)、シャジクモ藻類の中から進化したか。
約4億8000万年前:燐酸カルシウムの骨をもち、鱗をもつ最古の魚類(無顎類)アランダスピスが出現。また、脊椎動物固有の高度なヘモグロビンは酸素の運搬効率が高かった

上図:アランダスピスの復元図。当時の魚類は主に無顎類で、泥を吸い込むことで栄養を補給していた
約4億8000万年前:小惑星帯(火星の公転軌道と木星の公転軌道の間に位置する地帯)にて大規模な天体衝突事件が発生。巨大な小惑星が砕け散ったことによって生まれた破片が地球に降り注いだ
約4億6000万年前:ウミサソリが出現。海の支配者に

上図:ウミサソリの復元図。体長2.5mのものもいたという
約4億5000万年前:超大陸ゴンドワナが分裂を開始
約4億5000万年前:生物にとって紫外線の影響がないレベルにまでオゾン層が厚くなる
約4億4370万年前:オルドビス紀氷河時代が始まる。同時期には海棲生物の多くが大量絶滅(O/S境界大量絶滅)
<詳説>
この大量絶滅によって、頭足類のオウムガイ、腕足動物などの多くが絶滅した。三葉虫の種は半減する。この後、気候の寒冷化に伴いヒルナンシア動物群が繁栄するも、氷河時代の終焉とともに絶滅した。
約4億4370万年前:シルル紀が始まる
約4億3000万年前:緑藻類から進化したクックソニアが出現。胞子嚢(空気中での繁殖が可能に)や茎をもつ。また水分の蒸発を防ぐクチクラ層をもっていた
<詳細>
他にもクックソニアは、不完全ではあったものの、水や養分を運ぶ通道組織をもっていた。

上図:クックソニアの復元図
約4億2000万年前:ローレンシア大陸とバルティカ大陸が衝突し、ユーラメリカ大陸(現在のヨーロッパと北米)が誕生
約4億2000万年前:甲冑魚(板皮類)が繁栄を開始。頭部を厚い骨で囲み、顎を最初に持った魚類と考えられている。顎を持ったことで甲冑魚は食物連鎖の頂点に立つことになる
約4億1900万年前:デボン紀が始まる。裸子植物や羽を持つ昆虫などが進化。デボン紀には、種子をもつシダ種子類が出現し(裸子植物)、やがて維管束植物に発展していく
<詳説>
シダ植物の中には仮道管をもつものが現れ、やがてこれが維管束(水とミネラル分、光合成で得た栄養分を体の隅々まで運ぶ)に発展していく(維管束植物)。土壌から水や養分を吸い上げる根を維管束植物は発達させていき、光合成を効率的に行う葉も備えていく。
海中ではオウムガイ類が魚類の台頭で衰退していく。魚類には棘魚類や軟骨魚類、条鰭類(硬骨魚類の大部分)が出現し、全ての魚類が出揃う。なお、デボン紀後期には甲冑魚ダンクルオステウスが海の覇者となる。一方、軟骨魚類は三半規管を獲得し、あらゆる方向の回転を判別できるようになった
デボン紀には羽を持った最初の昆虫が出現した。この昆虫はトンボやカゲロウの仲間と考えられている。

上図:アンモナイトの復元図。シルル紀末に出現した。オウムガイ類から進化したアンモナイトは殻を巻いて丸くすることで、捕食者から素早く逃げるように進化した

上図:甲冑魚ダンクルオステウスの復元図。最大全長10mにも達し、古生代最大級の魚類である
約4億年前:昆虫類が地上に進出(シルル紀から上陸していた可能性も)。昆虫類ではトビムシ類が最初か。なお、昆虫類より以前に、ダニなど小型の節足動物も上陸している
<詳説>
節足動物は水中の呼吸に用いていた気門を陸上での呼吸にも活用した。しかし、気門と気管を用いる方法では体の大きさに限界があった。なお、昆虫は成長が早いため、短期間で世代交代を行い進化速度も早かった。
約4億年前:魚類が進化。淡水域に進出するために、彼らは浸透圧(細胞の破裂を導く)を克服するのに必要な腎臓を発達させた
約4億年前:オウムガイに圧迫された魚類(硬骨魚類)が陸の河川に進入。魚類の中には頭を水面から出して肺呼吸を行うものも現れる

上図:ボスリオレピスの復元図。肺の原基(原始的な肺)をもつ最初の魚類。肺は食道の一部が膨らんだものであった
約4億年前:この頃、肉鰭《にくき》類が出現。肉鰭類は頑丈なヒレをもち、内陸の川沿いにある湿地帯に進出するものも
<詳説>
肉鰭類は、浅い水辺を移動するためにヒレを発達させたか。肉鰭類の頑丈なヒレの内部には硬い骨があり、周囲には筋肉をもつ。当時の海の支配者であったオウムガイなどの頭足類から逃げるためにもヒレや筋肉が必要であった。

上図:肉鰭類ユーステノプテロンの復元図
約4億年前:魚類(オステオレピス類か)から進化した両生類が出現。胸ビレと腹ビレを四肢に進化させていく。また、肋骨を発達させることで内臓の保護も実現

上図:オステオレピス類の復元図

上図:約3億7500万年ほど前に出現したティクターリク。ヒレが発達し、腕立て伏せのような体勢で浅瀬を泳いだ
約3億9000万年前:最初の四肢動物が陸地に上がる(ポーランドのザヘウミエ採石場に最初の足跡化石が残される)
約3億9000万年前:高木が誕生
約3億8000万年前:地球最初の森林が出現
約3億7500万年前:アケイディア造山運動が発生(~約3億2500万年前)。ユーラメリカ大陸にアボロニア大陸(現在のボストンやニューファンドランドの西部)が衝突し、アパラチア山脈を形成
約3億7000万年前:ゴンドワナ氷河時代が始まる(~約2億7000万年前)。氷期には海水面が低下
約3億6500万年前:アカントステガが上陸を開始。彼らが浅瀬へ進出し上陸を進めた背景には肉食魚類から逃げる必要があったか
<詳説>
両生類は幼体の時期には水中でエラ呼吸を、成体になってからは肺呼吸を行う。しかし、肺の能力が低いために皮膚呼吸への依存度が高く、厚く丈夫な皮膚にはできず。なお、両生類は発声する最初の動物であった。
両生類は乾燥に対してはそこまで強くないため、水辺を離れられなかった。また、天敵が嫌う物質や毒となる物質を含んだ粘液で体の表面を覆ったために、皮膚から水分を得る必要があったか。
なお、アカントステガの四肢は自重を支えられるほど強くなかった。一方で、同時期の両生類であるイクチオステガは陸を這うように移動していたと考えられている。

上図:ハイネリアの復元図。全長3~5mほどある獰猛な魚類

上図:アカントステガの復元図。肋骨は短く、陸上で内臓を保護できない

上図:イクチオステガの復元図。太くて長い肋骨が内臓を保護
約3億5920万年前:大規模な寒冷化の影響で海棲生物の7割が死滅(F/F境界大量絶滅)。2000万年もの長い期間に及ぶ大量絶滅であった。甲冑魚などの軟骨魚や硬骨魚が大量絶滅し、両生類も衰退
