1-1-3 古生代(石炭紀・ペルム紀)
約3億5920万年前:石炭紀が始まる
<詳説>
石炭紀には、全長70cmものメガネウラ(史上最大の昆虫)や10cmの大型ゴキブリなどが繁殖。なお、昆虫は現在地球上で最も繁栄した動物群となっている。一方の海中では軟骨魚類が君臨。この軟骨魚類が現在のサメにつながる。

上図:メガネウラの復元図。ハネを広げると70cm以上になった

上図:ヘリコプリオンの復元図。渦巻き状の歯が特徴的

上図:クラドセラケの復元図。現在のサメの形をほぼ完成させた。圧倒的な遊泳能力を有したか
約3億5000万年前:地球最初の大森林が誕生
約3億5000万年前:完全な陸上生活に移行する四肢動物が出現。陸棲への適応が進んだ四肢動物を有羊膜類という
<詳説>
有羊膜類は、胚を保護し乾燥から守るための膜を備えている有羊膜卵を備えていた。

上図:両生類のペデルペスの復元図。完全に陸上生活に移行した
約3億2500万年前:有羊膜類から単弓類と双弓類(爬虫類に進化)が枝分かれする。単弓類の一種である盤竜類のうち、最古のものはアーケオチリス
<詳説>
初期の単弓類の多くは夜行性であったか。

上図:最初期の単弓類アーケオチリスの復元図。哺乳類の特徴である犬歯の前兆のようなものがみられる

上図:最古の爬虫類の一種であるヒロノムスの復元図。爬虫類は単弓類より口を大きく開くことができた
約3億2300万年前:ユーラメリカ大陸とゴンドワナ大陸が衝突し、アパラチア山脈が巨大化(アルジェリア造山運動。ヨーロッパではバリスカン造山運動が起こる)。結果として超大陸パンゲアが誕生
約3億2000万年前:氷河期が始まる
約3億1500万年前:最古の植物食動物であるエオカセアが出現。植物食動物は多くの量を食べる必要がある

上図:エオカセアの復元図
約3億1300万年前:地磁気の逆転があまり見られない、磁場の安定した時代に突入(カイアマン逆磁極期)
約3億700万年前:石炭紀雨林崩壊(~約3億300万年前)。気候が乾燥化し、カラミテスやレピドデンドロンなどの高木は育ちにくくなり、植物の多くが絶滅に追いやられる
<詳説>
この絶滅によって、従来の高木に代わり針葉樹やソテツなどの乾燥に強い種子植物が繁栄した。また、四肢動物の多くも絶滅し、単弓類と双弓類が繁栄を開始。
レピドデンドロンやカラミテスなどの遺骸は当時、セルロースを分解する微生物がそこまで発達していなかったためにそのまま堆積し、地熱と地圧によって後に石炭となる。また、植物の遺骸のなかには、長い時間をかけて石油や天然ガスとなるものもあった。
約3億年前:単弓類が皮膚から乳様物質の分泌を開始(乳の出現)
約2億9900万年前:ペルム紀が始まる。盤竜類のディメトロドン(初めて陸上に現れた頂点捕食者)ら単弓類が繁栄。なお、この時代には、超大陸パンゲアにシベリア大陸が衝突し、全陸地が一つに結合

上図:超大陸パンゲアの復元図

上図:単弓類ディメトロドンの復元図。全長は最大で3.5mほど。ディメトロドンはペルム紀前期に生息し、陸棲生物の頂点にあった

上図:ディメトロドンの骨格標本
約2億7300万年前:盤竜類の多様性が大幅に低下。温暖化と乾燥化が極限に達したことが原因とも。以後、盤竜類に代わって、獣弓類が繁栄
<詳説>
当時の食物連鎖の頂点にはアンテオサウルス(現生哺乳類以前では史上最大級の肉食性単弓類)らが君臨していた。
獣弓類は代謝が向上し、体温の調節機能が上昇。その背景には従来の単弓類が行っていた待ち伏せ型の狩りから、探索して獲物を狩る方式に変更したことによるエネルギーの必要性があったと考えられている。
なお、獣弓類は体毛(熱を逃さないため)を持っていたという説もある。他にも汗腺を持ち、体表面からの放熱を可能とした。
代表的な獣弓類として、ディノケファルス類(一時期最も多い獣弓類となった)のモスコプスはおそらく異性や縄張りを巡って頭突き合いを行っていたという。
ペルム紀中期からはディキノドン類(植物食)が最多の獣弓類となり、肉食性の獣弓類ゴルゴノプス類は犬歯を発達させ(犬歯は折れてもまた生えてくる)、食物連鎖の頂点に君臨した。
そして、ペルム紀後期までには現生哺乳類の祖先であるキノドン類が出現。キノドン類は完全な内温性(体内の代謝で体温維持が可能)を持っていた(異論あり)。
一方で、哺乳類の祖先は優れた視覚を実質的に放棄し、嗅覚、触覚、聴覚に頼った生活に移行する。
なお、爬虫類でも低温ながら温度を保つ種類がいる(一方の哺乳類でも冬眠する種類はいる)。

上図:アンテオサウルスの復元図。全長5mほど

上図:ゴルゴノプス類の復元図。全長3.5mほど

上図:スミニアの復元図

上図:最古のキノドン類の一種カラッソグナトゥスの復元図。リスほどの大きさであった
約2億6300万年前:カイアマン逆磁極期が終焉し、磁場が頻繁に反転を繰り返すようになる(イラワラ事件)。結果、銀河宇宙放射線が地球内に流入し、雲が大量に発生。太陽光を遮って気温を低下させた
約2億6000万年前:G/L境界絶滅が発生。特に海底の無脊椎動物が大きな影響を受ける。サンゴや二枚貝などの生物は徐々に姿を消し、赤道付近の暖海に移動した。そしてこの後も徐々に生物が死滅していく
<詳説>
G/L境界絶滅は、大幅な気温低下や現在の中国での大噴火などが原因と考えられている。他にもこの頃には、全世界の海中で長期間にわたって酸素が欠乏し、一部では無酸素の状態となる(海洋無酸素事変。スーパーアノキシアとも)。
約2億5217万年前:超大陸パンゲアが分裂を開始し、超巨大噴火が発生。火山ガスを原因とする酸性雨も生態系に打撃を与えた。粉塵によって太陽光が遮られ、気温が急激に低下。こうした事態をプルームの冬という
<詳説>
この噴火には、じわじわと長い間溶岩を垂れ流す期間もあった。噴火は数十万年にも及んだという。また、気温の低下に関しては、地球の平均気温は数十度も低下したという。

上図:ローラシア大陸とゴンドワナ大陸
約2億5217万年前:シベリアの噴火を主原因としてP/T境界大量絶滅が発生(史上最大の大量絶滅)
<詳説>
激しい季節風の影響で植物も大きなダメージを受け、多様な森は崩壊、大量絶滅に見舞われた。この後、種子よりも生長の速い胞子を用いるシダなどが取って代わる。
この大量絶滅によって、光合成植物は死滅し、大気と海水中の酸素濃度は減少(海洋無酸素事変)。結果、海棲生物の96%が絶滅し、全生物種でも90~95%が絶滅した。
他にも、三葉虫は完全に絶滅。陸上では獣弓類なども大打撃を受ける。
しかし、生き残った獣弓類が哺乳類へと進化していく。また、動物たちのいくつかは地下に潜って生き延びたか。キノドン類のトリクソナドン(ペルム紀において熱帯域に生息し、あらかじめ干魃への耐性があったとする説も)は速い成長を特徴とし、一世代の寿命は短いが、驚異的な速度で繁殖することができた。他にも彼らが体温の調節機能を備えていたことが、絶滅を逃れた要因の一つとも。
