日本人とは何か?③ 呪術と祝詞
先日、映画「からだ探し」を観ましたが、監督は羽住英一郎、主演は橋本環奈。千葉真一の息子である眞栄田郷敦がキーパーソンとして登場します。冒頭から「わかる人にはわかる不気味な『儀式』」からはじまるのですが、PG12指定とはいえかなりグロテスク。上映中のため詳細は割愛しますが、キーワードとして「7歳の少女」「血を欲しがる石」「生け贄」が物語の柱として散りばめられ、ふと、私の脳裏には諏訪大社の生き神「大祝」が浮かびました。

また、日本で起こる猟奇的な殺人事件にはときに不可解な死がつきものですが、真っ先に思い出したのは「告発の書」の内容(拙文、過去記事をご参照ください)。他、代表的なものは架橋で、橋を造る際の人柱伝説は長野県内にも言い伝えがあちこち残ります。
はるか昔、大地が引き裂かれることで誕生した巨大なくぼ地、諏訪盆地。ここでは古来、鹿を贄とする祭礼が行われてきた。それを伝えてきたのは全国に1万社ある諏訪神社の総本社、諏訪大社。この地域の人たちにとって、鹿とはどんな存在なのか?

古代においては祝詞と同様に、祈る行為そのものが呪術的な意味合いを含んでいました。「祝詞」(のりと)は、神職が神様に奏上する言葉で、神々への感謝や称賛を伝え、加護を祈願する神道における言葉の儀式。古代より言葉に宿ると信じられた「言霊思想」に基づき、清らかで美しい言葉を用いて神様に届けられ、祭事や祈願など様々な場面で朗誦されます。祝詞と呪術は古代の言葉が由来であり、祭祀で用いられる言葉や行為を指す点で共通する部分がありますが、「呪術」は呪いの実践や、神秘的な力を用いた行為を指すことが一般的です。
諏訪湖周辺には「八」(8)にまつわる名称や地名が多く、「八ケ岳」「八島ヶ原湿原」「八ケ野」「八ツ手」「八重」「八幡」と枚挙にいとまがありません。このあたりは御射山(みさやま/三才山)が土着の神、ミシャグチに繋がるとも言われ、縄文時代の遺跡や祭祀場、古墳も多数出土する土地柄。長野県全体では、「八坂」「八木沢」「八重河内」「八郡」などがあり、東京にも「八重洲」「八丁堀」「八幡山」「八雲」「八広」など、全国にも「八」がつく地名は多数あります。
ところで、イスラム教における「邪視(アール・ハサド)」とは、他者の所有物を羨み、その紛失や破壊を願う行為を指します。これは、他人の目や視線の力によるものではなく、羨望の念そのものが不運をもたらすという考え方です。他、「Jin(ジン)」と呼ばれる存在を特定の人に送り込むことで、悪夢を見させたり、精神的混乱を引き起こすとされています。
私は、イスラム教のミナレットを初めて目にしたとき、諏訪大社の4本の御柱との酷似性を考えました。

また、ヘブライ語の「ヘーレム」がギリシャ語で「アナテマ」となり、ユダヤ教では「強い呪い」や共同体からの追放、不心得者への罰などを意味しました。明けの明星をあらわすラテン語ルシファー(Lucifer)の形容詞は「光をもたらす」を意味することは、前回お伝えしたとおりです。

現在、長野県茅野市のビーナスラインには北八ヶ岳ロープウェイがあり、かつては「ピラタスロープウェイ」との名称でした。この「ピラタス」の原語は「ピラト」、つまり、イエス・キリストの十字架刑を執行したユダヤ総督ポンティオ・ピラトにつながります(他にイエスを裏切ったのは、イスカリオテのユダ、イエスに敵対したユダヤ教指導者たち/祭司長や長老)。その近くには、トヨタ自動車の神谷正太郎氏を中心として創建した「聖光寺」があり、本州でもっとも遅いソメイヨシノが見られる交通安全祈願のお寺として有名です。この「聖なる光」という名称も実に興味深いのです。

余談ですが、当初の計画ではビーナスラインは旧御射山神社(もとみさやま)など古代日本と深くかかわる遺跡群を破壊するルートでした。『霧の子孫たち』著者 新田次郎(新装版 文春文庫)に詳細が書かれていますが、私たちが考える以上に地名などの名称は大切で、それは音として呪術的影響をその地や人々におよぼすからではないでしょうか?

日本の傀儡国家、満洲のハルピン(新京は現中国東北部、長春)には関東軍防疫給水部、秘匿名、満洲第七三一部隊(通称731部隊)の研究機関がありました。石井四郎はこの部隊の創設者(石井の指示者は別の機会に取り上げます)とされ、別名、加茂部隊の由来は出身地の千葉県山武郡千代田村大里加茂(現・芝山町)から。この地は、成田空港反対運動の地としてご存じの方も多いと思います。
731部隊展の資料をご参照ください。
※有史以来から日本の歴史をわかりやすく説明されています。
私はこの研究機関の建屋設計図を見たとき、「なぜ、人体実験を八角堂で行うのか?」と不思議に思いました。というのは、八角堂は、平面が八角形の仏堂を指す総称で、法隆寺夢殿(聖徳太子)や興福寺南円堂などが代表的です。木造建築が中心の日本では方形の平面が一般的、六角や八角の堂はとても珍しく、特別な意味合いを持つことが多いとされます。また、八角堂は阿弥陀如来や八幡神とのつながりがあり、ユダヤ教における唯一絶対の神、天地万物の創造主、立法者、守護者を想起させるのです。
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