【#Real Voice 2024】 「ヒューマニティ」 2年・小笠原幹太
11月2日土曜日。
あれは凄まじい1日だった。
私が愛してやまないアルビレックス新潟がルヴァンカップの決勝を戦った日。
私は3階のゴール裏から少しだけ外れたところで観ていた。
本来なら座ってゆっくり見たい人たちが座る席なのに、そうとは思えないくらいみんなめちゃくちゃ応援していた。
国立競技場を埋め尽くす62,517人の観客。
両サポーターが作り出すあの異様な熱気。
20分以上歌い続けたアイシテルニイガタ。
「ここでやりてえ」と心から思った。
サッカーの力だけでここまで人を集め、熱狂させられるのか。
ワンプレーでここまで人の気持ちを動かすことができるのか。
キーパーというポジションがどれほど輝かしく、同時に難しく、孤独なポジションなのか。
サッカーっていいな。キーパーっていいな。と改めて思った1日だった。

大学生活2年目がもう終わろうとしているのかと思うと本当に早いなと実感している。
早稲田大学に入学して、そしてア式蹴球部という組織に所属して、様々な場面で考えることが多くなったように思う。
存在意義
人間関係
将来
政治
経済
社会
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などなど色々なところで頭を使うことが多くなったと感じる。
先日とある授業で興味深い言葉を耳にした。
「『日本の学生は18歳になると一斉に大学に進学し、22歳で一斉に就職をする』この現状はおかしいと思わないのか。日本の入学・入社の早さの現状は世界を見ても極めて異例だ。」
講義内で示された資料には、各国の大学に進学する平均年齢が示されているのだが、日本は一番低い値だった。
先生は年齢に捉われ、凝り固まった生き方をするのではなく、自分の思うように生きて、何か専門的に学びたいと思ったタイミングで大学に行くべきだと主張されていた。
授業が終わり、先生の言葉を自分なりに考えた。
その結果「なぜ今大学にいるのか考えなさい」という意味なのではないかと思った。
今私がなぜ早稲田大学にいるのか。
それは「文武両道を高いレベルでやりたい」なんて薄っぺらいものじゃない。
「セカンドキャリアの選択肢を広げられてかつプロサッカー選手を目指せる環境があるから」
これに尽きる。
4年間レベルの高い環境でサッカーの技術を向上できる点。
今までよりも何倍もの人間関係を構築でき自分を律することができる点。
引退後のキャリアに繋がる授業や研究室が多くある点。
挙げ出したらキリがないが、大きくこの3つが私が早稲田大学に進学した理由であり、ア式蹴球部に所属している理由だ。
筑波じゃなく、明治でもなく、法政でもない。
この素晴らしい環境を活かして飛躍するのか、早稲田という勝ち組のハコに留まり何も行動を起こさないのか、それはすべて自分次第。
私は決して後者にはなりたくない。
素晴らしい環境を活かして飛躍したい。
飛躍とはどういった意味だろうか。
それはスーパープレーで観客を沸かせることか?
プロになることか?
もちろんそれも含まれるが本質ではない。
よくユースの監督に「上手いやつなんていくらでもいる。上手いだけじゃ活躍できない。」と言われてきた。
それを聞いていた当時はその言葉の深さを理解しきれていなかった。
しかし大学生になって多くの選手と対戦して思った。
「上手い選手はいくらでもいる」と。
上手いだけじゃない何かプラスアルファの部分がないと選手としての価値は「上手いやつ」で留まってしまうし、社会に出た後もサッカーしかしてこなかった人なんだなという印象になってしまう。
私が考える飛躍とは、
「選手/人としての価値を高める『プラスアルファ』を体現できるような人間になること」
だと考える。
そのような人間になるためにはチームのために考え動く姿勢が不可欠だ。
それを北村公平(4年)という漢から教わった。
圧倒的に自分には足りていない部分を。
入学当初、本当に技術がなく下手くそだった。
その自分をなかなか認められず、自分を知ることから始めた去年。
試合を重ねて、自分が成長していく実感を得て、どうやったら自分が上手くなるかを考え続けた今年。
本当に自分のことで精一杯で周りを気にする余裕は正直なかった。
けどもう立派な大人だ。
自分とチームの両輪を回していける大人にならないといけない。
それがプロになった後も、社会に出た後も求められる「人間としての価値」になる。
キーパーなら尚更その価値が大切になる。
我々がボールに触る正味の時間は90分の内30秒くらいだ。
残りの89分30秒チームを鼓舞し続けないといけない。
それがキーパーというポジション。
キーパーの人間性が一番大事と言われるのはそこからだろう。
キーパーがチームのことを考えられなくて誰が考えるんだと気付けた。
勝敗に直結する役割を全うできる楽しさに気付けた。
それくらいキーパーというポジションは素晴らしいし絶対になくてはならないポジションなのだと気付けた。
その気付きを後は行動に移すだけ。
行動に移す作業が一番難しいことくらい分かっている。
自分が将来的に本当の意味で飛躍している姿を想像して、そこから逆算した振る舞いをしていきたい。
その覚悟を示し続けて後2年間ア式のために奔走したいと思う。
りゅうじ(2年・青柳龍次郎)も言っていたように謙虚に、愚直に、泥臭く行動するのが早稲田。
それが100年続いた歴史と伝統であり、先輩方が紡いでくれたもの。
私の信条に合っていなくても遂行しないといけない大事な哲学だ。
愚直に、泥臭く、そして謙虚にチームに対して行動できる
そういうものに私はなりたい。
いや必ずなってみせる。

明日は金指功汰くん(早稲田実業学校高等部)の番です。
生粋の努力家で、生粋のサッカー小僧です。いつも寮外(紺碧寮に住んでいない部員の呼称)のみんなからいじられている彼ですが、Iリーグカテゴリーで出場時間が少なかった去年とは打って変わって、今年はFCカテゴリーの主力に急成長。この1年でどのような心境の変化があったのか気になります。大真面目の金指くんのブログぜひお楽しみに!
◇小笠原幹太(おがさわらかんた)◇
学年:2年
学部:人間科学部
前所属チーム:アスルクラロ沼津 U-18
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