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【#RealVoice2025】「ラストダンス」新4年・髙木風ナシーム

これは引退ツアーじゃない。
これは勝利の余韻じゃない。
これは清算。
これが正直さ。



僕は4歳の頃からサッカーをしてきた。
18年間、ボールを追い、感覚を追い、自分自身のなりたかった姿を追い続けてきた。
でもその姿を、僕はまだ完全には掴めていない。
そして今、僕は最後のシーズンの縁に立っている。
それは大学サッカーの最後というだけではなく、
これまでの人生で知ってきたサッカーそのものの終わりでもある。
僕は今、自分のラストダンスに向き合っている。


この18年間は、決して一直線じゃなかった。
ダンスは、いろいろな形で踊られてきた。

僕はいつもサッカーを最優先にしていたわけじゃない。
長い間、僕は分散していた。
バスケットボールも、バレーボールも。
競技として飛び込めるものには、全部飛び込んだ。

スポーツが好きだった。
勝つのが好きだった。
競い合うのが好きだった。
頼られるのが好きだった。

サッカーはいつもそばにあったけど、すべてではなかった。
週末のものだった。週1回の練習、週1回の試合。軽く蹴る場所。
運動能力があるからそれなりにできたけど、人生を賭ける対象ではなかった。

高校で日本に来て、すべてが変わった。
週5日の練習。毎週の試合。
隠れ場所はない。流すこともできない。言い訳も通用しない。
準備不足なら、すぐにバレる。
怠ければ、すぐに露呈する。

その時、ずっと分かっていたことを本当の意味で理解した。
これが「本気」なんだ。
これが「プロを目指す」ということなんだ。
努力が選択肢じゃなく、基準が自分の都合で曲がらない世界。
そして、もっと大事なことにも気づいた。

話すのは簡単だ。夢を見るのも簡単だ。
行動するのは難しい。
不快になっても居続けるのは難しい。
規律と覚悟を選び続けるのは難しい。


そして今、僕はラストダンスに向き合っている。
「ラストダンス」と聞くと、祝福だと思う人もいるだろう。


笑顔。
綺麗にまとめられた思い出。
静かなフェードアウト。


でも、僕にとっては違う。
僕のラストダンスは、正直さだ。


今の自分と、なりたかった自分との間にある距離を直視し、
その空間でどれだけ本気で戦う覚悟があるのかを問うこと。
「次」がない時間の中で、残された時間をどう使うのかを自分に問い続けること。

正直に言うと、今の自分のレベルには満足していない。
その事実は、痛い。すごく痛い。
なぜなら、心の奥に4歳の自分がまだ生きているからだ。
可能性も現実も知らず、ただ信じていた子ども。
プロになるのは「どうやって」ではなく「いつか」の問題だと思っていた子。
その子は、長い間、僕を支えてくれた。
でも、もう背負わせ続けるわけにはいかない。
彼にこんなことは言いたくない。
まだ辿り着けていなくてごめん。
夢が綺麗に進まなくてごめん。
想像よりも重く、泥臭く、孤独な道になってごめん。
でも、続けてきたことは後悔していない。踊ってきたことも後悔していない。

センターフォワードとしての役割は、ずっとシンプルだ。
ゴールを決めること。
試合を決めること。
うまくいかない時に責任を背負うこと。
結果が出ない時、このポジションに逃げ場はない。
戦術や言い訳の裏に隠れることはできない。
期待の下で生きる。
視線の下で生きる。
沈黙の中で生きる。
昨シーズン、僕はそれをすべて感じた。
外した決定機。
負けた試合。
「もっとやってくれ」という無言の視線。
僕自身も、もっと自分に期待していた。
怪我も重なった。
ピッチに立たず、外から試合を見る時間は、人を一気に裸にする。
代わりがいることを知る。遅れていると感じる。
身体より速く時計が進んでいる気がする。
「強くなって戻る」と言う。
「結果を変える」と言う。
正しい言葉を並べる。笑顔を作る。
でも、その下には静かな恐怖がある。
「もし、戻れなかったら?」
「もし、変えられなかったら?」
疑いは、そこから生まれる。
自分は、何のために戦っているのか。
プロになれないなら、なぜ続けるのか。
今さら、ここまで追い込む意味は何なのか。

そして、シーズンは終わった。チームは降格した。
僕は、それを変えられなかった。それは、ずっと残る。
どれだけ要因があったかなんて関係ない。
結果を変えるためのポジションで、僕は変えられなかった。
その責任は、僕が今背負う。これからも、背負う。

でも、これだけはしないと決めている。
未完成のまま、立ち去ること。
このラストシーズンは、別人になるためのものじゃない。
まだなれる「すべての自分」になるためのものだ。

自分の天井にどこまで近づけるのかを確かめるために。
これまでやり切れなかったことを、今やるために。
楽な方ではなく、強度を選ぶために。
これは、僕が決めたラストダンスだ。
「もしも」を抱えたまま終わりたくないから。
この章を、自分のやり方で終わらせたいから。

得点を期待される重圧の中で踊る。
怪我の中で踊る。
自己疑念の中で踊る。
届かなかった重さを抱えながら踊る。
美しくなくていい。
楽じゃなくていい。
ただ、執拗に。

プロにならなくても、夢は裏切らない。
プロにならなくても、望んだ踊り方はできる。
必要なのは、
自分がなれる限りで、最も強く、最も正直な自分になること。
音楽が止まるまで、僕は全力で踊る。
届く限界まで。
何一つ残さず。
何も置いていかない。
それが、僕のラストダンスだ。
すべてを賭ける。




次は久保寿輝(早稲田佐賀高等学校)です。
彼は、僕が知っている中で唯一、同じ地元出身の人です。
同じ地元の人間として、地元の食べ物や場所、そして実家の家族のことなどを話しながら、よく懐かしんでいます。彼はマネージャーで、僕は選手ですが、練習後に一緒にボールを蹴り合うことで、自然と仲良くなりました。選手として当たり前のように過ごしている裏で、マネージャーが担ってくれているさまざまな仕事に対して、心から感謝しています。
これからもマネージャーとして変わらぬサポートをお願いするとともに、彼のブログを読むのを楽しみにしています。



◇髙木風ナシーム(たかきかぜなしーむ)◇
学年:新4年
学部:政治経済学部
出身チーム:西南FC


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