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【#RealVoice2025】「感動」2年・秋山虎之亮

「なぜプロサッカー選手を目指すのか?」

この問いに対してどう答えるだろうか。

答えはプロサッカー選手を目指す人の数だけある。その答えこそがその人を突き動かす原動力となるのではないか。



このように考える私の答えはこれだ。

1.サッカーが大好きだから

2.人に感動を与えたいから



1つ目についてこれはプロサッカー選手を目指す多くの人が思っていることだと思う。
なぜならサッカーが大好きで心から楽しめなければ、きつい練習、身体管理、プレッシャーに打ち勝つことはできない。これらに打ち勝つことができるのは本当にサッカーが大好きな人だけだと思う。
そういう人しかプロサッカー選手にはなれないし、プロサッカー選手になりたいと口に出すことはできないだろう。また、大好きなことを職業にできることは当たり前ではないと思う。そういう意味では私にとってプロサッカー選手は最高の職業だと思う。


ただこれはプロサッカー選手を目指す多くの人が思っているよく聞く答えだ。では2つ目はどうだろうか。


「人に感動を与えたい」。
これも多くの人が口にするよく聞く答え。普通。

なんだ、せっかくブログに書くのに普通のこと書くのか、と思ったそこのあなた。是非とも最後まで読んでもらいたい。


よく聞く「人に感動を与えたい」という言葉。ただ漠然とイメージだけで言っている人もいるのではないだろうか。しかし、私には心の底から人に感動を与えたいという明確な意志がある。だからこの言葉を聞くたびにどれくらいの想いがその一言に詰まっているのだろうと興味が湧く。


なので今回は「人に感動を与えたい」という言葉に込められた私の想いを綴りたいと思う。




私は何に対して感動するのだろう。

人を感動させるものは世の中にたくさんある。例えば、自然の景色や映画、アニメ、芸術、自身または他者の成長など。もちろん私もこれらのことから感動を与えてもらったことはある。映画やアニメはよく観るし、1人で映画館に行くほどだ。(一緒に行く人がいないだけっしょって思った同期、お前らの顔はなんとなく頭に浮かんでるぞ笑)


ただこれらのことから与えてもらう感動は一瞬で終わることが多い。映画やアニメなどで泣いたことも一度もない。実話は別として心のどこかで創作物だからという現実的な思考が働いているのだろう。つまり、私の現実的な性格、また、趣味趣向から上記のことからは心の底から突き動かされることがほとんどない。


しかし、そんな私にも唯一、全身に鳥肌が立ち、心の底から感情が溢れる、そんな感動を与えてくれるものがある。

それがスポーツだ。

小さい頃からスポーツは好きだった。実際に競技としてやったことがあるのはサッカーだけだがテレビでオリンピック、世界選手権、日本選手権、どの種目でも放送されていれば夢中になって観てきた。
フィギュアスケートの大会が頻繁に行われていてテレビでたくさん放送されていた時期には助走でジャンプを見分けることができる、なんてこともあった。今でもサッカーはもちろん、MLBの日本人選手、NBAの八村選手の活躍など定期的に様々なスポーツの情報をチェックしている。


もちろんスポーツが好きで面白いから観ている、というのもあるが1番の理由はこれである。


勝った時、記録を出した時、ここぞという場面で最大限の力を発揮した時、いつも自分は鳥肌が立ち、身震いが起こる。これは単にすごいという感情からくるものでもあるが、最大の要因はこれまでの選手たちの努力が凄まじいものだったということが伝わってきて、それを想像すると心が動かされるからだ。もっと自分もやらなければいけないと思わせてくれる。


私はこのような感動をスポーツからたくさん与えてもらってきた。遡ると数え切れないほどあるが今年だけでも多くの感動を与えてもらった。


9月、世界陸上
多くの日本人選手の活躍があり、中島選手のラストの追い上げ、村竹選手の涙など多くの感動を与えてもらった。その中で私は棒高跳び、デュプランティス選手の最後の跳躍が忘れられない。すでに優勝は決まっていて世界記録との戦い。他の種目は全て終了しており会場にいる5万人越えの全ての観客がデュプランティス選手に注目している。その中でデュプランティス選手は自分自身の最高の跳躍をこの場面でやり遂げ世界記録を更新した。勝負強さ、集中力、メンタリティー、とてつもなかった。信じられないほどの興奮と感動を与えてもらった。


MLBポストシーズン
優勝したドジャースの日本人3選手。1試合3本塁打、10奪三振、無失点という意味のわからない漫画でも描けないような結果を残す大谷選手。延長18回まで続いた試合で2日前に完投勝利していたにもかかわらず自ら投球準備を買って出てチームのエースとしての覚悟を示し、また前日6回まで投げきり、次の日、9回から抑えとして11回まで投げ、ワールドシリーズの胴上げ投手になってしまう山本選手。レギュラーシーズンでは苦しんだがポストシーズンでは今までの役割とは違うクローザーとして覚醒し、ここぞの場面でチームを救った佐々木選手。日本人がアメリカナンバーワン、つまり世界最高のチームでここまで戦えるということを世界に証明してくれた。信じられないくらいの感動を与えてもらった。


ここで書くまでもないがサッカー日本対ブラジル。
前半0-2からの大逆転。南野選手のハーフタイムの言葉、そして日本代表選手のメンタリティーは全スポーツ選手が持つべきものだと思った。日本サッカー界に立ちはだかる壁をまた1つ壊し新たな可能性を与えてくれた。



他にもたくさんあるが書き切れないので印象に残ったものを挙げさせてもらった。

ここで私に「人に感動を与えたい」と本気で思わせてくれた試合を紹介する。


2019年5月17日 J1リーグ 第12節 湘南ベルマーレvs浦和レッズ
前半30分までに浦和レッズに2点を先行され湘南としては苦しい状況。ここで杉岡選手のスーパーミドル。ボールはポストを弾きサイドネットに突き刺さった。1点差に追いついた。誰もがそう思った。ネットから跳ね返ったボールを相手キーパーが投げ、キックオフを促した。
しかし、次の瞬間、主審はインプレーのジェスチャー。
あっという間に相手FWとキーパーの1対1の状況。
その場はなんとかしのいだがその試合を観ていた人のほとんどがその状況を理解できなかった。審判の角度や見え方により判断が難しいことはある。しかし、VARがない時代だから映像で見返すことはできないし判定が変わることもない。もちろん選手たちは激しく抗議したが覆らない。
そのままハーフタイムに入った。ここで当時、湘南の監督であった曺貴裁監督は選手たちに「やるか、やめるか」と問うた。
選手たちは「やる。逆転してから言おう」と答えた。

そこからは圧巻だった。後半から入った菊地選手が後半47分、79分にゴールを奪い2-2。そして迎えた後半90+4分、アディショナルタイム、ラストプレー。ウイングバックの山根選手が中央でボールを受けるとドリブルで持ち運び迷わずシュート。ゴール。しかも相手のディフェンダーに当たってディフレクションしたゴール。

全ての湘南の選手、スタッフ、ファン、サポーターの想い、願いが1つになった瞬間だった。試合終了の笛が鳴った時、言葉が出ず放心状態だったのを覚えている。こんな感覚になったのは初めてだった。私が観てきた中で間違いなく最高の試合。誤審どうこうではなく選手の想い、メンタリティー、熱量、全てが私自身を圧倒した。私もプロサッカー選手になってこんな感動を多くの人に与えたい。中学2年生ながらそう思った。



これが私の原点かもしれない。

ただア式に来てこれまでの私の考えが少し変わった。


今まではプロになることで人に感動を与えることができると考えていたがプロじゃなくても感動を与えることはできるということ。サッカー、スポーツにはプロ、アマチュア問わず人に感動を与えることができる力がある。もちろんプロになればより多くの人が観てくれるため多くの人に感動を与えることができるがスポーツをやっている以上カテゴリー問わず自分、チーム次第では感動を与えることができる。

そう思わせてくれたのが去年の早慶戦。

試合に絡めなかったのは悔しかった。でも初めての早慶戦がどのようなものなのか少しワクワクしていた。そしてその日はたくさんの感動を与えてもらった。学生主体で作り上げ、そして国立競技場という大舞台をこんなにも多くの人たちで埋めることができるのか、選手たちに対してこんなにも大きな声援が起こるのか、試合前から涙が出そうになった。試合が始まってからもいつも一緒に練習しているメンバーが躍動している姿、バースデーボーイ林のゴール(笑)などみんなの頑張りを見てきたからこそ感じるものがあった。


また先日、兵藤監督が川淵三郎さんのところへ1部昇格の報告に行った際、こんな言葉をいただいたとおっしゃっていた。「1部昇格が今年で1番嬉しかった」。数多くの功績を残してきた偉大な方からこのようなとても誇らしい言葉をいただけたこと、また私たちの1年間の頑張りが川淵三郎さんの心を少しでも動かせていたこと、私自身がその一員として少しでも貢献できたこと。おこがましいかもしれないが少なからず感動を与えることができたのではないかと思えた。また川淵三郎さんからは今年で1番嬉しいというありがたい言葉をいただいたが今年じゃなくて今月で1番嬉しかっただっていい、今週だって、今日だっていい。どんな小さな感動でも人に与えられることは素晴らしいこと。それが私の原動力になる。そう強く感じた。


ア式に入って「人に感動を与える」ことはプロサッカー選手になる理由だけではなく人生の目標になった。


しかし、「人のため」、それが今の自分の弱さにも繋がっているかもしれない。先日、1部昇格が決まった後、小学校、中学校、高校とずっと私を育ててくれた湘南ユースの監督から連絡をもらった。
その際、私は「チームを勝たせられる選手になります」と返信した。いかにも私が言いそうなことである。これに対して「勝ち負けよりも個を伸ばせ」というメッセージをいただいた。これは私のことを知り尽くしているからこそのメッセージだった。勝ち負け、チームはどうでもいいということではなく、勝ち負け、チームのために戦おうとしているのはわかっている、それを踏まえた上で個人にもっと向き合って成長しないとプロにはなれないぞという意図があったと思う。


今の私にすごく響いた。


個人を磨かないと周りになんて影響を与えられるわけがない。日々を100%で頑張れないやつが人に感動を与えられるわけがない。


だから私は1日1日を誰よりも全力で、そして今日からより個人に向き合って成長し、多くの人に感動を与えられるプロサッカー選手になります。


長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。






次回の部員ブログはひいろ君(3年/柏木陽良・鹿島アントラーズユース)です。
ピッチ外ではアニメや漫画のネタバレをついしてしまいそうになる危なっかしい一面がありますがピッチ内では誰よりも勝利に貪欲でとにかく熱い漢です。左右両足から放たれるシュートは強烈で誰も止められません。
そんなひいろ君が最終学年としてどのような想いを綴るのか。楽しみです!


◇秋山虎之亮(あきやまとらのすけ)◇
学年:2年
学部:法学部
前所属チーム:湘南ベルマーレU-18


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