アノマロカリスとばったり会う。
私の人生、なんだかちょくちょくアノマロカリスとばったり会う。
アノマロカリス。多くの人が学生時代のどこかで耳にしたことがあるであろう、カンブリア紀の海で捕食者の頂点に君臨していたという古生物だ。
もちろん、現代で生体に会うことはない。
ではどうばったり会うのかと言えば、例えば、SNSをフォローしている雑貨屋さんが投稿した画像の中にぬいぐるみとしていたりとか、偶然目にした雑誌の新刊案内で表紙に描かれていたりとか。多い時は年に三回くらい遭遇している気がする。
年三回というのは、古生物学者でもなければ太古の時代に惹かれているわけでもないアラサー一般人の日常に現れる頻度としては、高い。仲のいい友人とだって、年に一回会えればいい方だというのに。
ちなみに「アノマロカリス」と何度も検索したとか、関連しそうなウェブサイトをよく見るとか、あるいは誰かとアノマロカリスについて話したとか、デジタルデバイスが学習し、アルゴリズムに反映されそうなことは全くしていない。
高校では地学を選択していて、地質時代と古生物に関しては年代ごとに結構細かな暗記を求められ、苦心惨憺した記憶はある。だったら、イクチオステガとかデスモスチルスとか、他にも謎に記憶に定着している古生物は何種かいるのに、ひょっこり現れるのはアノマロカリスだけなのである。
何か、私に訴えたいことでもあるのか……? 前世、いや、前前……前世あたりがアノマロカリスだったとか……?
そんな突飛なことを考えてみたりしているうちに、なんだか気になる存在になってしまった。おかしいな、10年以上も前に、受験勉強で暗記しなきゃいけない単語のひとつってだけだったはずなのにな。
人間、意識している物事の情報が入ってきやすくなるものである。アノマロカリスの発見頻度、やや上昇。
……恋かな???
節足動物はどちらかと言えば苦手だし、古生代の海で捕食者の頂点をほしいままにしていたというエピソードだって、共感もときめきもないんだけど、……なんだか気になっちゃうなぁ。
今年は今のところ遭遇していない。またどこかでばったり会うのだろうか。
そのうちグッズでも買ってしまいそうである。
