山形・河北町を訪れて─地方創生の現場から感じたこと
最近、地方創生に関わる仕事に携わる中で、「現場のリアルを自分の目で見てみたい」と感じるようになりました。
そんな折にご縁があり山形県を訪れる機会があり、ちょうど以下の記事を読んでいたことがきっかけで、河北町に足を運んでみることに。
山形県河北町に「Bed&Vegetable」コンセプトのホテル誕生へ(PR TIMES)
この記事では、河北町に新たにオープン予定のホテルを拠点に、地域の魅力を体験できる仕組みづくりが進んでいるとのこと。
「町まるごとホテル構想」ともいえるこの取り組みがどんな場所で始まろうとしているのか、自分の足で確かめてきました。
河北町ってどんな町?
山形県のほぼ中央に位置する河北町は、人口約1万6千人ほどの自然豊かな町です。
「べにばな(紅花)」の産地として全国的に知られており、江戸時代には紅花交易で栄えた歴史があります。近年では「イタリア野菜」の生産地としても注目されています。
主な特産品:紅花、イタリア野菜、冷たい肉そば(ご当地B級グルメ)
主な観光地:谷地八幡宮、河北町児童動物園、紅花資料館 など
地域課題:宿泊施設が2024年時点で1軒のみ(最大収容数20~30名ほど)
空き店舗が目立つ中央商店街など、観光の受け皿となる機能が限られている点が課題。
今回のプロジェクトでは、河北町の豊富な地域資源を生かし、町をまるごと楽しめる旅の拠点として、空き施設を活用した「Bed&Vegetable」をコンセプトとする宿泊施設が整備される予定で、以下の3つを柱にしています:
ホテルを地域体験のハブにする
神社や酒蔵など周辺観光へとつなげる
かほくの食材を通じてファンを増やす
実際に歩いて感じた河北町
山形駅から車でおよそ40分。広がる畑の風景の中、サクランボ農家のビニールハウスが多く見られました。
まずは河北町の中心、町役場周辺に車を止めて散策スタート。


訪れたスポット:
谷地城本丸跡地
谷地八幡宮
和田酒造(地元の老舗酒蔵)
地域交流センター「とんがホール」
新ホテル予定地(オープン前のため外観のみ)
紅花資料館
あいにくの雨模様でしたが、「とんがホール」では地元の方々が集まって談笑されており、地域の温かさを感じました。
谷地八幡宮の周辺にはスナックや居酒屋も点在しており、夜には地元の方で賑わいそうな雰囲気もありました。
少し車を走らせると、B級グルメ「冷たい肉そば」を提供するお店も点在しており、食の楽しみも。
少し離れた紅花資料館では、町の特産品である紅花に関する展示だけでなく、河北町の歴史や文化についても学ぶことができました。
全体として、車での移動は必須に感じましたが、観光スポットは比較的コンパクトにまとまっており、うまく導線を設計すれば、ホテルを起点に町全体を楽しめる構造になりそうだと感じました。
一方で、飲食店や商店の数は少なく、観光誘客を継続的に行うにはまだ課題が多そうです。
地方創生の視点で見た河北町
訪問前は、特産品など「資源の豊富さ」が印象的でしたが、現地で感じたのは、やはり【観光地としての“受け入れ基盤の不足”】です。
人通りも少なく、空き店舗が点在する中心街を見ると、観光客を呼び込む難しさを実感しました。
そんな中で、今回新しくオープンする予定のホテルは、「泊まる」だけで終わらない設計がされています。
地域サポーターの案内で農業体験や酒蔵見学ができたり、地元食材(特にイタリア野菜)を使った朝食を楽しめたりと、町そのものを体験する拠点としての役割を持つホテルになる予定とのことです。
こうしたホテルは、単なるインフラではなく、地域資源をつなぐ「エンジン」としての役割を担っており、地方創生において非常に重要な存在になると感じました。
これからに期待したいこと
観光資源は点在していても、観光導線が見えづらいというのが率直な印象です。
「一度来たら終わり」ではなく、「何度も訪れたくなる仕掛け」や「リピーターを育てる仕組み」が今後の鍵になりそうです。
また、ホテルと周辺施設がどう連携し、町を“体験の舞台”として見せていくかは、これからの運営に注目したいところ。
私自身も、ホテルがオープンしたらもう一度訪れて、実際に滞在者としてこの町を体験してみたいと思いました。
おわりに
今回の河北町訪問は、自分にとって「地方創生の実地体験」の第一歩でした。山形の自然の豊かさ、歴史・文化・そして町の静けさのなかに、これからの期待/可能性を感じました。
これからも、こうした地域を訪れ、自分の目で見て、考え、発信していくことで、何か一歩を踏み出せたらと思います。
執筆者プロフィール:株式会社wave タツ。国内証券会社でデジタルマーケティングの実務経験を積み、その後広告代理店にてプロジェクトをリード。現在は株式会社waveにて、生成AIを活用した業務改善や新たなビジネスアイデアの創出に挑戦し、多くの企業の成長を支援している。
