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発表が終わって、呆けている——二週間ぶりの今週やったこと(2026/6/30–7/12)

口上

二週間ぶりです。お疲れ様です。
「聞き流す、人類学。」読書会の発表が終わりました。 ほっとしました。
正直、ここ二、三ヶ月、おかしかったかもしれない。 全てはこの発表会のためでした。 今、やっと落ち着いて呆けております。

発表を作る合間に観たもの、発表が終わってから観たもの。 並べてみると、この二週間は「終わりと始まり」のものばかり見ていたらしい。 写真家の再発見、YBAの再訪、ある時代の総括、原作への回帰。 まだ整理はしない。入り口だけ並べておきます。

要約

【事実】

  • 「聞き流す、人類学。」読書会の発表を終えた。

  • 発表の合間に、展示を観た。

    • もう一度、植田正治(新宿 北村写真機店)

    • ICC アニュアル 2026 遺す/残る/受けとめる(ICC)

    • 「50」森山大道写真展(ビームス ジャパン 新宿 B GALLERY)

    • テート美術館 ― YBA & BEYOND(京都市京セラ美術館、再訪)

    • Nerhol(伊勢丹新宿店)

    • まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険(ヒカリエホール)

  • 京都の帰りにお伊勢参りをした。

  • Netflix「ガス人間」を一気に観た。『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を観はじめた。

  • Tama Design University「AI特論 第1回 逆行する美学」(ゲスト講師:久保田晃弘)が抜群に面白かった。

  • 次は『プラスチックの木でなにが悪いのか――環境美学入門』を読む。

【解釈】

発表が終わって空いた場所に、展示と映像が流れ込んできた二週間。 どれも「もう一度」見直すこと、受けとめ直すことに関わっていた気がします。

もう一度、植田正治

発表を作る合間に、新宿 北村写真機店へ。 「もう一度、植田正治 -発掘されたカラー作品とオリジナルプリントから、植田正治を再発見する-」(B1F ベースメントギャラリー、7月1日〜7月31日、入場無料)。 生家から発掘された未公開のカラー作品に、砂丘シリーズのオリジナルプリント、愛用機材や絵コンテまで。 「植田調」を、カラーでもう一度発見し直す展示です。

ICC アニュアル 2026 遺す/残る/受けとめる

初台のICCでは、アニュアル2026「遺す/残る/受けとめる」(6月20日〜11月8日)。 生成AI以後、何が記録され、何が残るのかという枠組みそのものが揺らいでいる時代に、歴史・記憶とメディアの関係を問い直す展示。 「遺す」という能動と、「残る」という受動と、「受けとめる」という応答。この三つの動詞の並びだけで、すでに考えさせられます。

「50」森山大道写真展

新宿のビームス ジャパン 5F、B GALLERYでは「50」森山大道写真展(6月12日〜7月5日)。 ビームス創業50周年記念で、1970年代から2020年代までの作品を年代別に。 ビームスが原宿に店を構えてからの50年、その傍らで森山大道が目で見て切り取ってきたもの、という趣向でした。

京都市京セラ美術館にてYBAを再訪

「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」(新館 東山キューブ、6月3日〜9月6日)を再訪。
やっぱりサイモン・パターソンの、ロンドン地下鉄路線図の《大熊座》はいいなぁ。 ティルマンスのナイーブさをはらむ展示はいい。 シール・フロイヤーのレシートは、東山バージョンになってた。 今回は映像作品もゆっくり見られました。
YBAは同時代を生きてきたけれど、ヒッピームーブメントが「セックス・ドラッグ・レイブ」とまとめられちゃうのと同じような要約のされ方に、何があるのかなと、ちょっと思った。

京都の帰りにお伊勢参り。

新宿伊勢丹でNerhol

伊勢丹新宿店でNerholをやってた。 花の写真?彫刻?ドライフラワー?を展示している。 写真を積層して彫るNerholの手つきが、花というモチーフだと、また違って見える。 壁紙を剥がしっぱなしにしているところがネルホルらしい。

まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険

東急文化村の気合いがわかる展示。 「まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険」(Bunkamura ザ・ミュージアム企画、会場は渋谷ヒカリエ9F ヒカリエホール、7月4日〜8月26日)。 1950年代から現在までの日本女性写真家30名、約200点。教科書級の名作がどんどん観られる。日本の女性写真家は、ほぼ網羅されていたように思う。

蜷川実花がモノクロで海を撮った写真/映像が良かった。

2010年代の日本は、フェミニズム文脈の写真が多かったと思う(私見です)。 この展示は、その総括のようにも見えた。 そういう時代の終わりと、次の何かの始まりを感じさせる。 おすすめです。

観た映像作品

ガス人間

Netflix「ガス人間」を一気に見ちゃいました。 東宝とNetflixの初タッグで、1960年の特撮映画『ガス人間㐧一号』を原案にした全8話のシリーズ(7月2日から一挙配信、監督:片山慎三、出演:小栗旬、蒼井優、広瀬すずほか)。

攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL

『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を見る。 サイエンスSARU制作、7月7日からフジテレビ系で放送の新作で、士郎正宗の原作コミックを初めて再構築するシリーズ。 脚本、円城塔に気がついた。シリーズ構成・脚本です。

ナウシカもアキラも原作至上主義のおじじとしては、原作忠実脚本に非常に好感を持つ。 当然、現在や当時のコンプラによって改変されたセリフには敏感に反応してしまう(あの「自閉症モード」は無くなった)。 神林長平や『ニューロマンサー』と同じく、物語がAIの思い出として再現されていることが強調されている。 トグサの説教はなんだったんだろう。マンホールに草は噛んでなかった気がするし。

そして、なんといっても「逆行する美学」

そして、なんといっても、AI特論 第1回「逆行する美学」ゲスト講師:久保田晃弘〈前半〉(Tama Design University講義プログラム/多摩美術大学TUB)が抜群に面白じゃったです。

AIの前史として写真機の進化を置き直すこと、バウハウスの解体と再構成の思想、ロマン主義による「作家性」の発見。 正直、最近のどんな写真論や美術史よりも芯をくった、見る価値・紹介する価値を感じる講義でした。YouTubeで前半・後半とも公開されています。

この「逆行する美学」を引き受けて、もう一度、西村清和『プラスチックの木でなにが悪いのか――環境美学入門』(勁草書房)を読もうと思います。 1970年代アメリカの「プラスチックの木」論争から始まる環境美学の入門書。 発表が終わった今、ここが次の入り口になりそうです。

どっとはらい。

参考リンク

  • 聞き流す、人類学。読書会発表 https://youtu.be/hqiKJoe8wfc?si=QZWLCDCEY8lY8mRK

  • もう一度、植田正治(新宿 北村写真機店、7/1〜7/31) https://www.kitamuracamera.jp/ja/information/exhibition/open6th_shojiueda/

  • ICC アニュアル 2026 遺す/残る/受けとめる(ICC、6/20〜11/8) https://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2026/icc-annual-2026/

  • 「50」森山大道写真展(ビームス ジャパン 新宿 5F B GALLERY、6/12〜7/5) https://www.beams.co.jp/special/beams_cultuart/miru/4487/

  • テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート(京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ、6/3〜9/6) https://www.ybabeyond.jp/

  • まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険(ヒカリエホール、7/4〜8/26) https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/26_kiseki/

  • Netflixシリーズ「ガス人間」(7/2〜一挙配信) https://www.netflix.com/title/81714240

  • 攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL(サイエンスSARU、7/7〜放送) https://www.ghostintheshell-sac2045.jp/news/?p=3204

  • AI特論 第1回「逆行する美学」久保田晃弘〈前半〉(Tama Design University) https://youtu.be/gmBo-C11we4?si=dCZ3gNcY3BpmVUP1

  • 西村清和『プラスチックの木でなにが悪いのか――環境美学入門』(勁草書房) https://www.keisoshobo.co.jp/book/b94906.html

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