見出し画像

🌟 なぜオアシス『Standing on the Shoulder of Giants』はUKロック史に残る名盤なのか? 🌟

🎧 まずはこの一曲!『Standing on the Shoulder of Giants』を象徴する、ドラム・ループとメロトロンのサイケデリックな邂逅 🎧

ジョニー・ジェンキンスの楽曲(「I Walk on Gilded Splinters」)からサンプリングされた太いドラム・ループに乗せて、アコースティック・ギターと分厚いベース、そしてメロトロンのサイケデリックな音色が鳴り響きます。これまでのオアシスの代名詞であった「ストレートなギター・ロック」から完全に脱却し、新たなサウンドスケープを提示した2000年代の幕開けを告げる名曲です。


「Go Let It Out」


オアシスとは?:メンバー脱退の危機を乗り越え、次なる次元へ向かったスタジアム・ロックの王者


オアシス(Oasis)は、ノエルとリアムのギャラガー兄弟を中心に結成された、UKロック史を代表するモンスター・バンドです。全世界で大ヒットを記録した3rdアルバム『Be Here Now』(1997年)の狂騒を経て、2000年にリリースされた第4作を取り上げます。本作の制作直前、結成からのオリジナル・メンバーであったボーンヘッド(ギター)とギグジー(ベース)が突如バンドを脱退するという最大の危機に見舞われます。結果として、本作のギター、ベース、キーボードの大半をノエル・ギャラガー一人が演奏(録音)するという、極めて特異な制作背景を持つアルバムとなりました。


1. プロデューサー交代と「脱・ブリットポップ」のサウンド


本作の最大の変化は、デビューから前作までオアシスのサウンドを決定づけていたプロデューサーのオーウェン・モリスから離れ、エレクトロニックなサウンド・メイクにも定評のあるマーク・“スパイク”・ステントを共同プロデューサーに迎えたことです。彼の起用により、これまでの「ギターの音の壁」は後退し、代わりにドラム・ループのサンプリング、メロトロンやシンセサイザーといった鍵盤楽器が大胆に導入されました。バンドのルーツであるビートルズのサイケデリック期(『Revolver』など)に肉薄する、実験的で重厚な音響空間が構築されています。


2. 興行的な失速とノエルの自己評価、そして現在の再評価


前作までの圧倒的なセールスと比較すると、本作は興行的に「失敗(失速)」の烙印を押される結果となりました。後年、ノエル自身もこの時期を振り返り、「インスピレーションが湧かず、ただ義務感でアルバムを作っていた」「良い曲が足りなかった」と本作に対して非常に厳しい評価を下しています。しかし、リリースから20年以上が経過した今、先入観を捨てて改めて聴き直すと、本作が全く駄作ではないことに気づかされます。リアム初の作曲ナンバー「Little James」の誕生に加え、バンドのダークで実験的な側面が結実した素晴らしい楽曲が数多く収録されており、オアシスのディスコグラフィーの中でも特有の鈍い輝きを放っているのです。


3. アルバム内の主要楽曲紹介


  • 「Go Let It Out」 前述の通り、ドラム・ループとメロトロンを主体としたサイケデリックなリード・シングル。ベースもノエル自身が弾いており、従来のバンド・アンサンブルとは異なるスタジオ構築的なアプローチで見事全英1位を獲得しました。

  • 「Who Feels Love?」 ビートルズの「レイン」やジョージ・ハリスンのインド音楽への傾倒を彷彿とさせる、極めてサイケデリックでスピリチュアルなナンバー。逆回転(リバース)させたギターやシンバル、タブラを思わせるパーカッションが幾重にも重なり合い、オアシスが到達した最も深遠な音響空間を作り出しています。本作の実験的な方向性を決定づけた第2弾シングルです。

  • 「Gas Panic!」 ノエル・ギャラガーが当時経験していた深刻なパニック発作とドラッグの離脱症状を赤裸々に綴った、アルバム屈指のダークでシリアスな名曲。アコースティック・ギターのストロークと、逆回転させたサウンド・エフェクトが不気味に交差する、今の耳で聴いても全く色褪せない隠れた最高傑作です。

  • 「Little James」 リアム・ギャラガーが当時の妻(パッツィ・ケンジット)の連れ子に向けて書いた、彼にとっての初のオフィシャルな作曲ナンバー。ビートルズの「Hey Jude」にも通じるような、温かいメロディとピアノが印象的なミドル・バラードです。


結論


『Standing on the Shoulder of Giants』は、90年代の「ブリットポップの王者」という重すぎる王冠を下ろし、新しいサウンドを模索する音楽家としてのノエルの苦悩が克明に刻まれたドキュメンタリーのような名盤です。リリース当時のセールスやノエル自身の辛口な評価によって過小評価されがちですが、「Gas Panic!」や「Who Feels Love?」など、今だからこそ真っ当に評価したい強力な楽曲が詰まっています。ストレートなロックンロールの爽快感とは一味違う、オアシスの「緻密でダークなサウンド・プロダクション」をじっくりと味わいたい時に、真っ先に聴くべきスリリングなマスターピースです。


本記事で紹介したアルバム

アーティスト名:オアシス(Oasis) /アルバム名: Standing on the Shoulder of Giants

🎧 スマホで高音質で聴く(無料体験)

Amazon Music Unlimitedなら、このアルバムをハイレゾ(CD以上の高音質)で楽しめます。 まずはお試し期間で、その違いを体感してみてください。

👇 まずはお試しで聴いてみる
https://www.amazon.co.jp/music/unlimited/?tag=ontaro2025was-22

▼他のオアシス作品も紹介しています!

▼他にもいろいろ紹介しています!

いいなと思ったら応援しよう!