【第11回】ビジネス書との出会い:哲学から実践へ。オグルヴィが「見せる」本当の広告『「売る」広告』
この**【ビジネス書との出会い】**シリーズでは、私が出会い、人生やビジネスの視点を変えるきっかけとなったビジネス書を、毎回1冊ずつレビュー形式でご紹介していきます。
書籍と著者
本日ご紹介する書籍は、前回に引き続き「広告の父」、ディヴィッド・オグルヴィ氏による**『「売る」広告』**(原題:Ogilvy on Advertising)です。
導入:哲学を「ビジュアル」で学ぶ教科書
前回、【第10回】の『ある広告人の告白』では、オグルヴィの厳格な**「哲学」**や「原則」を学びました。
しかし、こう思ったかもしれません。「その哲学を、どうやって実際の広告に落とし込むんだ?」と。
その答えが、この**『「売る」広告』**です。
『ある広告人の告白』がオグルヴィの「精神」を学ぶ哲学書なら、この本は、彼の哲学がどのようなビジュアルと言葉になったのかを、**豊富な図版(実際の広告)と共に学ぶ「美術教科書」**です。
本書の核:オグルヴィが「実証した」売るための科学
この本は、ただ美しい広告を並べた画集ではありません。オグルヴィが徹底したリサーチとテストによって導き出した、「売る」ための科学的な法則が詰まっています。
原則①:「ビジュアルとレイアウト」の黄金律
ポイント: オグルヴィは、広告のビジュアルとレイアウトに厳格なルールを設けていました。
教え: 写真は「物語」を語るものでなければならない。読者の視線はどこに集まるか?(有名な「ハサウェイ・シャツ」の片目の男や、「ロールス・ロイス」の広告など)
有名なオグルヴィ・レイアウト: **「ビジュアル(写真)が上、見出しがその下、そして本文(コピー)が続く」**という、今や当たり前となったこの型は、彼がリサーチで「最も読まれる」と突き止めた発明の一つです。
原則②:広告とは「科学」である(リサーチの鬼)
ポイント: オグルヴィは、広告代理店を始める前、リサーチ会社ギャラップ社で働いていました。彼は根っからの**「リサーチャー」**です。
教え: 「私は、効果のわからない広告は作らない」。彼は見出し、レイアウト、オファーなど、あらゆる要素を徹底的にテストしました。この本に書かれている法則は、すべて彼が**「テストして効果を実証したもの」**なのです。
原則③:「物語」は、長くても読まれる
ポイント: 前回学んだ「消費者をバカと思うな」という哲学が、ここで実践につながります。
教え: 「人々は長いコピーを読まない」というのは、広告業界の迷信である。もしそのコピーが「役立つ情報」や「面白い物語」で満ちているなら、読者は喜んで最後まで読む、とオグルヴィは実証しました。(特に、高価な商品や、説明が必要な商品ほど、長いコピーが効果的です)
まとめ:『告白』と『「売る」広告』はセットで読むべき
『ある広告人の告白』で彼の高潔な「哲学」に触れ、この『「売る」広告』で、その哲学がいかに科学的かつ戦略的に「実践」されたかを知る。
この2冊をセットで読むことで、初めてディヴィッド・オグルヴィという巨人の全貌が見えてきます。
『ある広告人の告白』 = 広告人の「精神」を学ぶ、哲学書
『「売る」広告』 = 広告の「技術」を学ぶ、実践教科書
あなたの本棚に、ぜひセットで揃えておくべき名著です。
▲前回は同じ著者の「ある広告人の告白」を紹介しました!
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