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深夜2時のポエム検閲官【ショートショート】

【まえがき】

お疲れさまです、Kaedeです。

皆さんもきっと
一度はあるんじゃないでしょうか。

夜中に突然、語りたくなってしまう
「自分の世界」

誰に言われたわけでもないのに、
スマホを握りしめながら
ポエムを書いてしまう、あの瞬間。

でももし、それを投稿する前に、
謎の“検閲官”が現れたら……?

そんな想像から生まれた、
ちょっと笑えてちょっと怖い(?)お話です。


夜2時3分。
ベッドの中で目が冴えて、スマホのメモ帳にぽつぽつと言葉を打ち込む。

「月が笑ってる夜に、私だけが泣いていた。」

……うん。なんか、いい気がする。
今日あったことが重なって、
ちょっと感傷的になってるだけだけど、
こういうときこそ言葉が冴えるんだよな。

タイムラインを見れば、
だれも起きてない。
今なら、誰にも邪魔されずに、
このポエムを放てる。

私はゆっくりと「投稿する」ボタンに
指を伸ばした。

──その瞬間、スマホの画面が凍りついた。

【投稿は一時保留されました】
【深夜ポエム検閲モード:起動】

「は?」

目の前に現れたのは、
スーツを着た中年の男。

顔は黒く塗りつぶされたまま、
声だけが淡々と響く。

「お客様、深夜2時〜3時の間における
“感情過多投稿”は、
AIポエム検閲法に基づき審査対象
となっております」

「え、誰?!」

「ポエム検閲官です。あなた、
今月だけで4回目の
“夜間自己陶酔ツイート未遂”ですね?」

彼は私の過去ログをスクロールしはじめた。
いや、やめて。それ読まないで。

「風に揺れるレースカーテンのように、不安定な私の気持ち。」
(1月21日 2:41AM)
「愛とは、飲みかけのコーヒーだと思う。」
(2月3日 2:12AM)
「好きって言わない優しさが、いちばんやさしくない。」
(2月17日 2:58AM)

「やめろーーーー!!!!」

私は叫んだ。
枕に顔を押し付けてジタバタする。

黒歴史どころの話じゃない。
もう火山級の恥ずかしさ。

「あなたの精神状態を考慮すると、
今回の投稿は“翌昼保存推奨”
判断されました。
日が昇った頃、
もう一度お読みになることを
おすすめします。」

画面には、「投稿 → 明日 12:00 に下書きとして保存しますか?」の表示。

震える指で、私は「はい」を押した。

***

翌朝。
私は恐る恐るスマホを開いた。
メモ帳に保存された
“昨日の自信作”を読み返す。

「月が笑ってる夜に、私だけが泣いていた。」

……うん、ナシだな。

私は黙って、そのままメモ帳を閉じた。

検閲官、ありがとう。

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