見出し画像

【若者用語解説】「ドパ中」って知っていますか?── 強すぎる刺激の時代に生まれた、Z世代の「クリエイティブ瞑想」ブーム

「ドパ中」という言葉を聞いたことはありますか?ー「ドーパミン中毒」という言葉から生まれたZ世代のスラング

※「ドパ中」は医学用語ではなく、SNS上で使われている若者スラングです。 本記事では、脳科学的な説明するものではなく、生活実感としての現象を扱っています。

最近、Z世代のSNSでよく見かける言葉に「ドパ中」があります。

これは「ドーパミン中毒」を略したスラングで、
「集中できない」「何もしていないのに疲れる」といった状態を自嘲気味に表す言葉
です。

TikTokやXでは、
「自分ドパ中すぎて10分も集中できない」
「ドパ中だから長い動画見れない」
といった投稿が多く見られます。

要するに、強い刺激に慣れすぎた結果、日常の「地味な時間」が極端に退屈に感じられる——そんな感覚をまとめた言葉です。

なぜ「ドパ中」になるのか

Z世代の日常は、強烈な刺激の連続です。

  • 無限スクロール

  • 数秒で完結するショート動画

  • 即リアクションの設計

  • 常に「次」が用意されているコンテンツ体験

こうした環境で暮らすうちに、脳は「刺激がすぐ来る世界」を前提に動くようになります。
その結果、変化が少ない・結果がすぐ出ない・じわじわ進むような時間に、身体が“のらない”感覚が生まれるのです。

Z世代の言う「ドパ中」とは、この感覚そのものを言語化した現象だと言えます。

世代によって異なる「ドパ中」の感じ方

  • 10代後半〜20代後半:状態+言葉として「ドパ中」をそのまま使う

  • 30代:同じ感覚を「集中力の低下」「スマホ疲れ」として表現

  • 40代以上:加齢や忙しさによる問題として受け止める

つまり「ドパ中」は若者特有の症状ではなく、変化した環境に最も早く適応し、それを言語化したのがZ世代なのです。

「ドパ中」からの向き合い方 — 刺激の“選び直し”

多くのZ世代は「ドパ中を治す」よりも、「刺激の向きを変える」ことで自分を調整しています。大きく分けて、2つのタイプが見られます。

① 感覚を整えるタイプ(刺激を下げる)

  • 編み物・刺繍・クラフト:単調な動作と進捗の可視化で安心感

  • ジェルネイル:手元集中+完成が手に残る、スマホから離れる時間

  • キャンドル・お香:低刺激の心地よさで時間感覚をリセット

共通するのは、「強刺激を避ける」よりも、「自分の感覚を丁寧に整える」姿勢です。

@1000er8

たまごっちのニット帽編んだ 色々被ってみた動画#編み物#たまごっち

♬ オリジナル楽曲 - まめ - まめ

② 没入と構造を求めるタイプ(深く集中する)

  • レザークラフト・DIY:明確な工程と成果物で達成感

  • コーヒーやガジェット:微調整を楽しみながら集中を構築

  • 釣り・模型・プラモデル:待ち時間や失敗を含めたプロセス体験

こちらは“即刺激”ではなく、“構造化された集中”を楽しむスタイルです。

「クリエイティブ」がZ世代のリハビリになる理由

Z世代の「逃避先」が運動や読書ではなく“クリエイティブ活動”なのは必然です。それらは、ドパ中環境の真逆の構造を持つからです。

  • 手を動かす

  • 進捗が見える

  • 終わりを自分で決められる

  • 成果物が残る

スクロールは終わらないけれど、クラフトは終えられる。
この完結性が、“時間感覚のリハビリ機能”として働いています。

「ドパ中」はZ世代の弱さではなく、環境適応の証

「集中力が落ちた」「依存している」と捉えられがちな“ドパ中”ですが、
実際はこう言い換えられます。

  • 環境が変わった

  • 脳が適応した

  • その副作用を自分たちで言語化した

  • さらに対処法まで生み出している

つまり「ドパ中」とは、変化した刺激環境に対する新しい集中文化の名前なのかもしれません。
Z世代は今、脳の使い方を再設計している最中なのです。

あわせて読みたい

若者研究サービスに関するお問い合わせはこちらから

若者の研究所ではZ世代・α世代に特化したマーケティングリサーチ(定量調査・定性調査)をおこなっています。以下よりご相談を承っております。

若者の研究所について

若者の研究所は、株式会社バイデンハウスが運営する若者で構成されたコミュニティであり、若者特化のマーケティングリサーチユニットです。Z世代・α世代特化のマーケティングリサーチを提供しています。

Z世代の価値観をZ世代が深掘り。“ディープ”な調査レポートを毎月発行

高校生・大学生による若者シンクタンクコミュニティである「若者の研究所」では、毎月様々なテーマに対し、Z世代の思考・価値観・行動の傾向に迫る定性分析を行い、調査レポートを発行しています。Z世代は1996~2010年生まれ(現在13〜27歳)の若者を指し、日本の総人口の約14%、世界では人口の約32%を占め、Y世代人口を上回っています。現代社会において、Z世代調査などZ世代に関する情報は溢れています。しかし、価値観が多様化する中で「Z世代は〇〇である」と一括りに理解することが難しいのが事実です。「若者の研究所」は、そんな多様な彼らの行動や価値観をより深く掘り下げた独自調査を、Z世代の当事者の目線から発信していきます。

この記事の監修者

石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス マネージング・ディレクター
若者の研究所 研究員。外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。アドタイにてZ世代の誤解とリアル。「ビーリアルな、密着エスノ記」連載中。

この記事を書いた人

三上広葉 | 株式会社バイデンハウス マネージング・ディレクター
若者の研究所 所長。新卒でバイデンハウスに入社。Weiden HausのFood & Beverage、Beauty & Cosmetics、Social mediaのリーダーシップ。 Z世代、サブカルチャー、海外トレンドへの幅広い知見を強みにZ世代マーケティングの支援を得意とする。2025年より株式会社バイデンハウス取締役

内容が気に入りましたら投げ銭をお願いします。

ここから先は

0字

¥ 300

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?