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【福祉LTV論(顧客)第3回】「自立支援」という名の突き放しを止めろ。「親切」こそが最強の生存戦略(LTV戦略)である理由。

「支援員さんが手伝いすぎると、本人のためになりませんよ」 「自分やらせないと、自立できません」

福祉の現場で、耳にタコができるほど繰り返される言葉です。 新人支援員だった頃、私もそう教わりました。しかし、13年間のビジネス経験を経て、本部管理職として現場に戻った今、私は断言します。

その「自立支援」、ただの「ネグレクト(育児放棄)」になっていませんか?

今日は、私が「LTV(定着率)1.5倍」という数字を叩き出している裏側にある、「戦略的な親切」「正しい依存」の話をします。

これは精神論ではありません。あなたの事業所と、利用者を守るための冷徹な「生存戦略」です。

1. 診断:それは「支援」か、それとも「言い訳」か

多くの現場で、「見守り」という言葉が都合よく使われています。 役所の手続き、病院への同行、複雑な書類作成。「本人の練習になるから」と、不安で震えている利用者を一人で送り出す。失敗して戻ってきたら「良い経験だったね」と慰める。

私はこれを、「構造的な虐待」だと診断します。

骨折している人に「リハビリだから」と言って、松葉杖なしで歩かせる医者がいるでしょうか? 精神的な不調や、社会的な障壁(バリア)で傷ついている人に対し、「自分でやるのが自立だ」と突き放すのは、支援者の怠慢を正当化する「言い訳」に過ぎません。

2. 批判:「スイッチング・コスト」を泥臭く高めよ

ビジネスの世界には「スイッチング・コスト」という概念があります。 「他のサービスに乗り換えるのが面倒だ、損失が大きい」と感じさせる心理的・物理的な壁のことです。

私は、福祉事業所におけるスイッチング・コストを意図的に高めています。 それは、「契約書」や「違約金」で縛ることではありません。「面倒なこと」を徹底的に引き受けることで実現します。

• 年金事務所への同行と申請書類の代筆

• 主治医との調整と情報提供書の依頼

• 生活保護課との折衝

• 家族間の感情的な交通整理

これら「支援の隙間」にある泥臭い業務を、私が(あるいは組織が)巻き取ります。 するとどうなるか。利用者にとって、この事業所を離れることは「生活のインフラ(基盤)を失うこと」と同義になります。

「あそこに行けば、面倒な手続きを全部整理してくれる」 この安心感こそが、LTV(顧客生涯価値)を高め、定着率1.5倍を実現する最大の要因です。

3. 深掘り:「ポジティブな依存」が自立の土台を作る

「そんなことをしたら、依存してしまう」と批判されるかもしれません。 その通りです。私は意図的に「ポジティブな依存(Positive Dependency)」を作り出しています。

航空機が飛び立つには、頑丈な滑走路が必要です。 沼地の上から飛び立てるパイロットはいません。

私たちの仕事は、利用者を「飛ばす」ことではなく、まず「滑走路(生活基盤)を舗装する」ことです。 役所の手続きや金銭管理といった「生存の不安」を、支援者に依存させて解消する。足場が固まって初めて、人は「就労」という空へ目を向けることができます。

不安でグラグラの状態の人に「自立しろ」と叫ぶのは、沼地でアクセルを吹かせと言っているようなものです。それは支援ではなく、拷問です。

4. 処方箋:インフラを握る「設計士」になれ

今日から、「支援員」という意識を捨て、「設計士(Architect)」として振る舞ってください。

あなたの目の前にいる利用者が、何に躓いているのか。 もしそれが「役所の書類」なら、あなたが書いてください。 もしそれが「医師への説明」なら、あなたが同行して代弁してください。

「過保護」だと笑う外野の声は無視して構いません。 生活のインフラを握ること。 それが、利用者を離脱させず、結果として最短距離で社会復帰させるための、最も科学的なアプローチです。

親切とは、優しさではありません。 それは、私たちと利用者が共に生き残るための、最強の「武器」なのです。


▼ 合わせて読みたい「生存戦略の裏付け」
なぜ今、これほどまでに「LTV(定着)」が重要なのか?
それは、福祉業界の「椅子取りゲーム(新規参入)」が終わりを迎えたからです。
「親切」という戦術が、市場を制する最強の武器になる「マクロな理由」を解説しました。

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(執筆者紹介)
Welfare Growth Architect(福祉事業成長設計士)

経歴: 精神保健福祉士・社会福祉士。元・理系専門商社営業(13年)× 現・福祉系企業本部管理職。

実績: インテーク成約率66%(業界平均の2〜3倍)、LTV(定着率)1.5倍。開設5ヶ月で満員を実現。

Style: 「マニュアルを作らない」を信条とし、臨床的対話と科学的営業を融合させた独自の支援を行う。Neuro-Strategic Advisorとして、個と組織の「真の生存戦略」を設計する。

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