韓国のデジタル大学
私は韓国のデジタル大学卒で、理学士(bachelor of science)を取得した。日本で社会学士取得済みなので、韓国の大学には三年次編入(教養課程は履修済み扱い)した。もともと安い学費なのに2年分だけで学位ゲットである(当時のレートで2年間の学費総額は30万円位だった)。めっちゃ良い。しかも内容が実に面白かった。
面白すぎて、卒業を先延ばしにして(制度としてある)色々な授業を受けていたのだが、とうとう最後に大学から直接電話があって「今学期で卒業っちゅうことでいい?もういいよね。もう十分勉強されたでしょ!」と圧力をかけられて、望まぬ卒業をしてしまった(汗)。それくらい授業が面白くてもっと履修したいと思ったのだ!!!
ちなみに韓国でもデジタル大学の卒業率は低いので、学校側としては少しでも卒業率を上げたかったらしい。
私が卒業した大学は、円光デジタル大学というところである。円光大学は仏教系の大学で、そのオンライン大学版である。ちなみにすべてを調べたわけではないが、韓国の多くの大学でオンライン課程がある。
入学には、Webの募集案内を見て、その通りに資料を集めて送って、形だけのオンライン試験を受ける。この試験は、知識を問うものではなくて、自分の志望動機や学習計画などをつらつらと打ち込めば良いので、特に難しく考えずに作文と同じレベルで全く問題はない。ちなみに外国人に対して、特に韓国語能力は問われないのだが、私は個人的にTOPIK6級合格証も送った。
ちなみに編入するためには、日本の大学の卒業証明と履修証明を出さなければならないのだが、英語版を送るのではなく、公証つきで韓国語に翻訳を依頼する必要があるので、それがコストといえばコストである。ちなみにそれも業者さんにコンタクトをとって、スキャンした書類をメール添付して、費用を銀行振り込みすると、すぐに郵便で送り返してもらえたので、2010年末の出願当時から韓国のデジタル化は相当進んでいたと思う。
さて、私が卒業したのが2013年だったのだが、韓国のオンライン教育は、当時ですでに完成形を見せていたので、日本は韓国よりもリアルに10年以上遅れてると言わざるを得ない。
ちなみに当時、中央大学法学部の科目履修も同時にしたのだが、数冊の本と課題と答案用の冊子がおくられて来ただけで、オンライン授業がゼロだった。とりあえず自分で本を読み学習を進めようとは思ったが、あまりにも面白くなくて途中でギブアップした。当時は日本の通信教育に対して憎しみすら湧いていたように思う。
「は?日本の大学って殿様商売やってんじゃねーよ」
と思ったよ。
さて。
私は、韓方健康学科という学科に進学することにした。
韓国の漢方(韓方:はんばん)に興味があって、韓方医にもよく出入りしていたので、それを勉強したくてたまらなかったのだ。なので大学に行きたかったわけではなく、それを体系的に勉強するにはどうすればいいのかを考えると、その選択肢が最短であっただけだ。薬膳メニューを開発できる薬膳師を養成するというその学科の内容が、自分には丁度いいと思ったのだ。ちなみに公的な国際薬膳師の資格を得られるわけではない。
さて、授業形態であるが、Zoom等のオンライン双方向の授業というスタイルではない。日本の塾の衛星授業に近いと思うのだが、先生が事前に収録していた動画が、毎週一つずつ視聴可能になって、その週の間に視聴しておけば出席扱いとなる。もちろん公開された授業は、その学期末まで何度でもいつでも再視聴可能である。質問などは、文字ベースのコミュニティ(掲示板)があり、直接教授から24時間以内に返信が頂けるし、他学生が返信することもできる。それだけではなく、授業のまとめを作ってそれをアップロードして全員にシェアするようなこともできる。私もそういうボランティア学生さんのまとめをダウンロードして、大いに活用させてもらった。
ネット配信授業の利点をあげる。
1、何度でも授業を繰り返し聞けるし、再生スピードも変更できる(外国人にとっては非常にありがたい)。
2、時間と場所に関係なく(国外からでも)、単位と学位が取得できる。
3、安い!!!!!!(調べてみたら、今学期の入学金が67,000ウォン、学費は当時120万ウォンだったのが少し上がって1学期144万ウォン、年額288万ウォン、約26万円くらい。外国人向けの奨学金もあって授業料が減額されたりする。私もその恩恵にあずかった。)
特に私が勉強したのは、韓医学と薬膳学で、モノの考え方を学ぶというよりも、とにかく大量の知識のインプットが必要な学科であった。その場合には、繰り返し授業を見返せるというのは圧倒的な優位性がある。しかも、動画だけではなく、mp3音声もダウンロードできるので、私はこれをすべてiPhoneに入れて、運転中によく聞いていた。
さらに韓国のネット配信教育における、優位点をあげる。
1、スクーリングなどの設計が秀逸。
オンラインで授業を履修してテストを受けるだけでも卒業できるが、単発のスクーリングやイベント、関連資格の取得向けの集中講座など、多彩なオンサイト授業が提供されていて、そこでリアル友達ができる。
2、デジタルコミュニティが機能していて、教授に直接質問して、24時間以内に直接返信がもらえる。
最もびっくりしたのはこれで、運営上の問題はスタッフが、授業の内容については、必ず教授が直接、しかも割とすぐに返信をくれる。
3、学習を促す仕組みが練られている。
バッチ処理で一気に授業をまとめて見ることもできるのだが、その週の間に見れば出席、それ以降は遅刻扱いになるなど、とりあえず少しずつでも消化させようという仕組みができている。出席点の割合は高くはないが、成績を重視する韓国人にとっては無視できない点数設計になっている。
また勉強が進んでいない人には、スタッフが個別で電話をかけていたみたいだ。びっくりなのだが、某女性教授のスマホから私に直接電話がかかってきたことがあった。内容は「外国人の方が履修されていて、困ったことがないかと思って心配で。もし何か授業とは関係のないことでも、何かあったらいつでも私のところに電話をかけてきてね」と言われて、携帯電話番号を教えて頂いたことが。ちなみに韓国の先生は、自分の携帯番号やカカオトークのアドレスを生徒に教えるし、生徒も気軽にカカオで連絡をする(汗)。
4、オープンブック試験における、カンニング対策が進んでいる。
過去にカンニング(テストにおける不正行為)が頻繁にあったそうで、その対策にめちゃくちゃ力を入れている。私が入学した段階で、テスト時の画面では、スクショ撮影機能、コピペ機能、他のウィンドウを起動させる機能が無効化されていた。それでもスマホで撮影して友人にシェアする人はいたみたいで、すぐにテストの問題が個人によって変わる方式になった。問題プールが大量にあって、難易度と分野毎にグループ化されていて、その範囲内からランダム出題となっていたらしい。
オンライン試験というのは、オープンブック(持ち込み可)試験と同じ扱いなので、簡単に調べて答えられるような問題は出ない。少なくとも事前に内容をすべて理解しておき、自分でまとめを作ったり、索引やラベルをつけたりと準備しておかないと解けないような問題を出してくる。
たとえば、ある生薬について記述された長めの文章がABCDEと5つ出てきて、しかもその5つは完全に独立した文章(分野も違うし、関連性はない)であるにもかかわらず、解答欄が、
1、A、B、Dは正しい
2、Eのみ正しい
3、B、C、D、Eは正しい
4、CとEは正しい
5、正しいものはない
の5択だったりする。ふわっと理解しているだけではなくて、5つの文章について正しく精査しないと答えられないような問題が大量に出てくる。つまりその問題を都度テキストで調べて検証していると、圧倒的に時間がなくなってしまうような、憎い問題を出してくるのである。
さらに、円光デジタル大学の場合は、他の学科の授業もとり放題である。私の場合は、韓方美容学科(リフレクソロジーやクリニカルマッサージなど)とヨガ学科(ヨガとアーユルベーダ系)の授業もとったし、仏教系だけあって精進料理の授業もあり、もちろん履修した。顔経営学科というものもあり、要するに印象行動学なのであるが、外見を重視する韓国ならではの授業もあり、実にユニークであった。
以前、香港から韓国に行く飛行機の中で、たまたま隣に座った男の子が韓国の人で色々話したのだが、彼はソウルデジタル大学に通いながらワーホリで豪州に行っていたそうだ。デジタル大学はコスパ良すぎるし何の問題もないと言っていた。その後無事卒業して、就職せずにゲーム翻訳の会社を自分で立ち上げて問題なく生活している。たくましい。借金をせずに大学を卒業し、ワーホリで英語も習得して、在宅でずっと仕事ができているので、頭は使うに限るなと思ったな。
さて。
外国語の習得方法でオススメなのは、延々と語学学習をするのではなく、その言語を使って何かを学ぶということである。まず最初は、現地のカルチャースクールに通ってみるのが良いと思う。料理教室でも良い。
こういう授業も、手元にテキストがあって単語の意味を調べておけば、意外と理解できるので、ちょっと見てみるといいかも。
自分の興味のある分野の単語は覚えるのも早いから語彙力も一気に増える。だから、ある程度のレベルになったら、語学自体を極めることを諦めて、実際に使える言語の習得を実地でやるのが良いと思う。
ちなみに韓国語の中級以上の方には、こういう教材がいいよ。私はほとんどのセリフを覚えちゃったよw
今見たら、かなり古くなっているので、こちらの方が良いかも。KBSシリーズ、おすすめです。
ちなみにTOPIK5級、6級(同じ日に受験したよw)の対策として使った本は以下の2冊。韓国の新村にあるハングルパークで買ったもの。
ハングルパーク
https://hangeulpark.com/
韓国語文法練習 한국어 문법 연습
韓国語語彙練習 한국어 어휘 연습
この2冊を完璧にして、ライティングについては、分かち書きのルールをマスターした上で、TOEFLのライティングと同じように文章を組み立てて、過去問について自分で書いたものを、韓国人のお友達に添削してもらえばOK。
カラーセラピーの5分コラム。
英語のオンラインコースなら、COUSERAがいいよ。Certificateも出るよ。
