見出し画像

幻獣戦争 1章 1-3 嵐を呼ぶ天才②

縦書き版はこちら

※著作権等は放棄しておりませんので、転載等はやめてください。
Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited.
(当サイトのテキスト・画像の無断転載・複製を固く禁じます。)

序章 1章 1-3 嵐を呼ぶ天才②

「警戒されてるのかしら? 別にとって食うつもりなんてないんだけど……まあ、いいわ。そんな事より貴方達、午後から実機で訓練してみない?」
 博士は仕方がないとあっさりと受け流してそう提案してきた。実機?

「使える機体があるのか?」
「なるほど。その口ぶりだと実機テストの段階のようですね」
 俺が思わず訊き返し博士を見ると、一樹は何かを知っているのかそう言葉を口にする。俺達の様子に博士は満足げに微笑んだ。
「ええ。何とか2機組みあがったわ。丁度、使う本人達が暇そうだから声をかけたのよ」
「なるほどな。機体は結局どれを使うことになるんだ?」
 ニヤリと笑みを浮かべる博士にそう問いかけ、俺は朝食に視線を戻し食べる。

「10式よ」
「なるほど、噂は本当だったようですね」
 博士の答えにやはり何かを知っているのか一樹が頷く。
「噂?」
「ええ。新型の神霊機関が開発されていたらしいという噂です」
 疑問の視線を向ける俺に一樹はそう応じた。
「ご明察。新型の動力に装甲も装備も新しくして色々用意しているわ」
「一般論だが、信頼性に欠けてないよな?」
 自慢げに話す博士に俺は当たり前のことを訊き返す。この手のタイプの天才? が自慢する試作機は大抵爆発するのがお決まりだ。吹っ飛ばされる方はたまらない。

「それを貴方達に評価してもらうのよ」
「わかった。午後に格納庫で大丈夫か?」
 自信があるのかしたり顔で言う博士に俺は軽く承諾し確認する。丁度良い暇つぶしにはなるだろう。
「ありがとう。それで問題ないわ! それじゃよろしく!」
 俺の了承が余程嬉しかったのか博士はそう答えると足早に去って行った。
「……ご飯食べずに行きましたね。博士」
「なんだ、面白い博士じゃないか」
 全く手を付けられていない朝食を見て一樹は唖然とする。俺も同じく可哀想な朝食に目を向け言葉を漏らす。一樹と同じ献立か。

「そうですよ。何でも創造の神をその身に宿した天才。巷では創造の魔女とか揶揄されていますけど、至ってかわいい女性です」
「確かに美人だったな。さて、準備運動に行くか」
「そうですね。行きましょう」
 一樹の感想に軽く同意して、朝食を終えた俺達は神代博士の分のトレイも片付けて食堂を後にした。 

次回に続く


他記事はこちら


いいなと思ったら応援しよう!

伊佐田和仁 よろしければサポートお願いします。頂いた費用は創作活動などに使わせて頂きます。