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ヘビーノベル戦記第四話『失った拾年』

私は生きることに自暴自棄になっていた

さて、また昔話をしていこう。
面白い話ではないので、流し読み程度で読んでください。

地元に帰ってからは地獄の日々だった。都内で働いていた頃は他人に馬鹿にされ、地元に帰れば今度は両親に馬鹿にされる。そんな日々を送っていた。

当時はリーマンショックの影響で本当に仕事がなかった。田舎は都内より酷い有様で、ひとつの求人に数百名の応募あるような状況。

打開策が本当に無く、苦し紛れに職業訓練校に通いもした。しかし、職を得ることはできず、残ったのは無職仲間との絆。

職業訓練校には何名か同じ境遇の人間が居て、卒業後も交流を持つくらいの関係を構築していた。このうちの一人とは今も仕事仲間で釣り仲間な不思議な縁で繋がっている。

お互いに釣り好きだったのが良かったのかもしれない。ついでに、IT教養も同水準だったおかげで、馬が合った。勿論喧嘩もするし、議論もする。そんな関係だ。

話を戻そう。職業訓練校を卒業しても職はなく、ハローワークに通う日々。おまけに専門職がITのせいで、なおの事仕事はなく、どうすれば良いか本当に苦悩していた。

両親に相談しようとも罵倒されるだけで、まともなアドバイスは得られない。元より両親には罵倒しかされたことがないので、話をするだけ意味がない。当時は祖母がまだ生きていて、この祖母も人間的に相当にダメな部類の人種だった。

そんな中でも、何とか求人を得ることが出来て、2年~3年程アルバイトで食いつないだ後、その過程で祖母が入院した。それだけだったら良かったが、何故か介護担当が私になり、そのお陰で転職する羽目になる。

この頃は精神的に本当に参っていてまともに思考ができなくて、全てがどうでもよかった。全てが嫌になっていた。転職した職場も過酷で、人生で初めて円形脱毛症にもなった。

何というか、地元の人間は弱っている人間を袋叩きにしないと気がすまない気性の人間なのか、何かある度に袋叩きにされていた。そんな日常だったので、ある日一度だけ両親を○○しようと迫ったことがある。

本当に血が昇ると外部情報関係なく行動してしまうんだなと、今振り返ってみると、世の中に殺人が起きる理由がわかる気がする。

そんな数年を過ごし祖母も他界していよいよどうするかと考えた時、年齢は30に迫っていた。この数年で得られた教訓はひとつ。

就職活動は辛い。

辛いしまともに思考が働かない当時の私は、面倒になり派遣会社に登録した。幸いな事に登録した当時の派遣会社正社員制度を採用していて、本格的に工場労働で働き始めた。

当時面接してくれた人にこう言われた。『履歴書が汚れすぎている』そう言われたことが印象的で今も覚えている。生きるために最大限努力したに過ぎないが、世間的にはそう受け取られるらしい。

結局、数カ月の現場労働を経て無事正社員となった。正社員になったからといって何か変わるかと言ったら何も変わらない。そう、見掛け倒しの制度で少しだけ待遇が良くなったくらい。当時の私はそれでも幾分か気持ちが楽になった。

派遣会社の正社員になってからも、家族との関係は劣悪で相変わらずまともに思考が働かない毎日だった。そんなキチガイ期間で私は神道に傾倒していた。父方の祖父が神職の人間でどういうわけか当時の私は神社に惹かれていた。そのせいで両親の風当たりが一層きつくなったが、どうでもよかった。
そのくらい、神社巡りというかこの一人旅は私の心の拠り所と化していた。

この頃、たまり始めたお金で日本神話を勉強して、縁のある神社を只管に回った。気づけば九州の殆どの地域を制覇して、日本神話縁の地を来訪する過程で、趣味が神社巡りから登山に変わっていた。

実は、古い神社の多くは山の上にあったりする。その関係で登山装備が必要となり、試しに登山を始め、下山する度に反省点が生まれ、改善して登山するを繰り返していた。この頃の経験は今に生かされる部分もある。

登山は実に軽く始められるが危険しかない。この時期はかなり無茶をしていたので、2度ほど死にかけた事があるし遭難も経験した。なので、計画を立てるという行為がいかに大事か、命は簡単になくなるものだと理解している。

そういう経験を味わったおかげで、私は友達を登山に誘えない境地に至っている。これには賛否両論があるので、皆さんは皆さんの持論を大事にしてください。

話を戻すが、派遣会社の正社員生活は肉体的にとても辛かった。交代制の仕事で他県に出向する場合もある。それらの費用は会社が勿論持ってくれるが、結局自分に戻ってくる。完全に会社の奴隷と化していた。

そんな数年の月日を経てようやく私は正気を取り戻した。この時既に30代半ば。全てがもう遅い。手遅れでしかないが、私は会社を辞め独立する道を選んだ。

この選択に対する答えは未だに出ていないが、自分の人生を生きるという意味では良かったと思っている。

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