はじめての歌舞伎。マハーバーラタ戦記に衝撃の連続。(前編)
先日、よき先達となる友人に手取足取りフォローしてもらいながら、歌舞伎をみにいってきました。
私がみにいったのは「マハーバーラタ戦記」というインド神話的な世界を下地にした新作歌舞伎の一つ。
それがもう。
なにこれ、どういうこと!?
という、良い意味でのびっくりの連続だったので、これはもう忘れないうちに書き留めておきたいと思いまして、拙いながら超初心者の感想として、だからこそ書けるんじゃないかと思うことを綴っておきたいと思います。
前編は超初心者視点の歌舞伎自体へのいい意味での驚きポイントのまとめです。
歌舞伎がおもしろいなんて知らなかった
まずは一言でいうと、これです。
下手に伝統芸能なんていうから、誤解してたんですけど、むしろ何も知らずに、今超話題のミュージカルですって言われて見に行ったってよかったのではと思いました。
私の伝統芸能原体験は、修学旅行で行った京都で、大した前知識もなく観劇した文楽でした。
今ちゃんと鑑賞の仕方を学んでいけばまた違うのかもしれないけれど、その時のわけのわからなさ(何を言っているかわからないし、何が起きているかわからない)が強い印象として残っていて、歌舞伎もその仲間だと思っていました。
でも、歌舞伎は何を言っているか全然聞き取れるし、ストーリーにもついていけるし、なんなら泣いたり笑ったりできる。
歌舞伎に詳しい人からしたら何言ってるの、当たり前でしょって怒られるかもしれないけれど、開始5分でそのことに衝撃を受けていました。
チケット簡単にとれるし、一人でも悪目立ちしない
私が行った歌舞伎は歌舞伎座で行っていたものです。
友人にチケットもらって、連れられていってきたのですけど、次にすごくいきたいと思う演目があったら一人でも行けるって思いました。
勝手に、きっと歌舞伎は、しきたりの多い劇場で一歩間違うと「あらやだ、あの子、全然わかってないのね」って思われるかもしれないとか、和装のおばさまをはじめとした常連客や外国人などであふれていて、気まずいかもしれないと思っていました。
けれど、もちろん舞台装置は歌舞伎専用につくられているものの、席自体はいわゆるコンサートホール的ななじみのあるもので、あれしなきゃいけないとか細かいルールも全然ありませんでした。
こんなふうに思うのは私の偏見が著しいだけなのかもしれないけれど、それがわかったのは大収穫でした。
イヤホンガイドが神ってる
会場では800円でイヤホンガイドがきける機器をレンタルしています。
私のイヤホンガイドのイメージは、美術館で絵の近くにいくと再生されるタイプの、それを聞いていると、絵をみている場合ではなくなるくらいの集中力を求められる音声ガイドや、テレビ番組の番組本編の裏で芸人さんがべちゃくちゃしゃべってる副音声みたいなもの、でした。
ただでさえ、少しお高い歌舞伎のチケットを買っているので、イヤホンガイドどうしようかなぁと思っていたんですけど、「きくと理解が深まる」という友人のアドバイスに今回は素直に従って聞いてみました。
そしてこれが大・正・解!
イヤホンガイドで驚いたことは2つ
①大事なセリフのシーンでは音声ガイドは静か
ずっとしゃべり続けているのかと思ったら、新しいシーンの始まる時やセリフが一通り終わったタイミング、新しい演者さんが出てきた時など、観劇の邪魔になるようなタイミングは避けて音声がきけます。
なので、肝心の舞台の声がきこえないよ、ということは全くありませんでした。
友人にきいたところ、ガイド自体は録音だけれども流すタイミングは手動で、舞台の状況に応じて細かく区切って流してくれているとのこと。それがつまりこういうことなのかぁと実際に体験してみるとその良さがよくわかります。
②的確なタイミングで簡潔に解説が入り、「なるほど」と気付きが豊富
初心者だとわからないこと、たとえばこの舞台の演出は古典的なものなのか新しいものなのか、あるいはさっきのあの人とこの人は同じ人が演じているんだよといったこととか。
そういう、知ってたらもっと内容が面白くなるということをかなりポイントを絞って簡潔に説明してくれます。
シーンチェンジのタイミングでぱぱっとサマリーが入るのもよく、ちょっと聞き取りにくいセリフでキャッチアップできないときも、ついていけない…となることがありませんでした。
というわけで、本当にすばらしいので、私のように歌舞伎初心者の方はこの800円の投資対効果が高いということはお伝えしておきたいなと思いました。
音楽、衣装、舞台美術の全てが、古びることなく、一流の極み
昔の人の美的価値観に沿ってつくられているから、今の私たちがみたら、ちょっと古いなとか、ピントがずれているように感じないだろうかということを当初私は懸念していました。
けれども、確かに伝統的な要素はふんだんに含まれているのでしょうけれども、舞台の使い方も音の表現も斬新で魅了されます。
花道もただ、そこから登場したり退場したりするのではなく、ストーリーを魅力的に表現するための重要なパートを担っていたり。
鮮やかなシーンチェンジを舞台装置を使いながらあっと驚くような形で展開したり。
音楽も衣装も本当にただそれだけでほうっとため息が漏れるような素晴らしさでした。
むしろ数百年の時を経て、人間の普遍的な感情に働きかけられるように研ぎ澄まされているんだと思いましたし、マイクや照明など現代的な技術も必要であればしっかり採用されているんだということもわかりました。
歌舞伎ってその道の一流の人たちが集まって創り出す総合的な芸術なんですね。
以上、はじめての歌舞伎で感じたことをまとめてきましたが、後編では「マハーバーラタ戦記」についての感想についても具体的に書いておきたいと思います。
